ラムザン・カディロフとは、プーチンの犬ロシア連邦内に存在するチェチェン共和国の首長である。
カフカス連邦管区内に所在するチェチェン共和国(一般的な意味での共和国ではなく、自治区に近い)の3代目の首長だが、我が国ではプリゴジンが率いていた傭兵集団・ワグネルと並ぶロシアの準軍事組織、カディロフツィ(ロシア連邦英雄アフマド・ハジ・カディロフ名称第141特殊自動車化連隊)の長として知られる。早い話がヤクザの大親分。
ウクライナ侵攻では当たり前のようにプーチンを支持し、日本政府をはじめ西側諸国による制裁の対象となっている(ちなみに侵攻前の2020年から人権侵害を理由に、夫人共々アメリカから出禁入国禁止措置を食らってる)。開戦劈頭、首都キーウ攻略作戦(斬首作戦)に携わりテレグラムを通じて「降伏せよ。さもなくば終わりだ」「ゼレンスキーはほどなく”前”大統領になる」などという脅し文句を送ったが、カディロフツィはキーウ近郊のアントノフ空港の戦いでウクライナ軍に殲滅され、格好の付かない形となった。
また、ロシアへの西側諸国の非難と、国際法に照らし合わせた正当性の疑義がより一層高まる契機となったキーウ近郊で発生したプチャ虐殺事件にも関わったとされている。現在では主に東部戦線に投入されており、ウクライナ軍と戦闘を続けている。だが、ワグネルのように最前線で戦うというよりは督戦や宣伝を主に行っているため、それに比べれば目立たない存在ではあった。
2022年5月にはウクライナへの軍事支援を行っているポーランドを脅迫したり、同年10月のウクライナ反攻によるリマン失陥に反応して、低出力核兵器の使用をよびかけ、その2日後には14歳から16歳の三人の息子をウクライナの前線に派遣すると明言した(言うまでもなく子どもの権利条約をはじめとする国際法違反である)。
プリゴジンによる反乱以前から、バフムト絡みでプーチンからの信頼を失いつつあったワグネルにかわり、カディロフの率いるカディロフツィの影響力は大きく増しており、アメリカの戦争に関わるシンクタンクであるISWは主力奇襲部隊として用いるのではないかという推測を示している。実際に2023年7月から8月にかけて東部戦線の最前線で存在が確認されており、SNSに自らの戦ってる姿をあげることから「TikTok兵」という陰口を叩かれていたりしてる。
1976年生まれ。チェチェン共和国の初代大統領であり、シャリーア(イスラム法)の法学者であったアフマト・カディロフを父に持ち、若い頃から補佐官兼警護役として活動していた。プーチンとは彼がロシア連邦初代大統領のエリツィンの腹心であったころからの付き合いであり、親子ともども親しくしている。父を深く尊敬し、事あるごとに父の真似をして歓心を買おうとしていた、どこにでもいる普通の青年であった。
父が大統領に選ばれると保安局長となり、独立派との渉外や連邦軍との武器のやりとりを担当し、政治的な手腕を養う。2004年に父が凶弾に斃れるとその後を継ぐべく第一副首相や、首相代理を経験して更にキャリアを積み、2007年には第3代大統領としてチェチェンの首領となった。
暗殺されてすぐならなかったのは、チェチェン共和国憲法では30歳以上でないと大統領選挙に出馬できないという制限がかけられた為である。また、この間にロシア大統領の南部連邦管区における顧問をつとめ、プーチンとの協力関係を強めた。大統領に選出されたのも、プーチンの指名からである。また、父の暗殺と共に彼の有していたカディロフツィの組織も受け継ぎ、以後は彼が率いていくことになる。
大統領につくと彼はすぐさま自分の周囲を縁故で固め、既存の役人を戸惑わせた。重職にも自分の家族や親戚を次々と就任させ、独裁体制を構築する。
この頃のチェチェンは組織的な抵抗は収まったとはいえ、独立派の激しいテロ(第二次チェチェン紛争)が続いており、「テロとの戦い」を掲げたプーチン率いるロシア軍の力をおんぶにだっこ借りながら粘り強く鎮撫に務めた。そして2009年にロシア軍は終結宣言を出し、一応の終焉を見たが、チェチェン共和国は安定してるとは必ずしも言い切れなかった。
2010年に「国に大統領は一人だけ」という自身の提案により、役職名の変更がなされ現在まで用いられている『首長』となる。その後も長くその座にあり続けたが、2016年2月に任期切れを理由に大統領の座から降りることを宣言。しかし、すぐに思い直して9月の大統領選に出馬、プーチンの後押しもあって98%という圧倒的な得票率で当選した。一見意味のない行動に見えるが、折しも2014年のクリミア併合に関連して起きたドンバス紛争の最中であり、チェチェンの人間が紛争反対派の政治家を暗殺したという事件に対してロシア国内で大規模なデモが起きたことの反応とする向きがある。
2020年に本格化した新型コロナウイルスのパンデミックの波は、チェチェン共和国にも押し寄せていた。その際、予防法と称して蜂蜜とレモンをお湯に溶いたものと、ニンニクの摂取を奨励したが、効くはずもなく同年5月に罹患。モスクワの病院に飛行機で運ばれ、治療を受ける。
2022年より発生したウクライナ侵攻においてはプーチンを全面的に支持し、カディロフツィを惜しみなく投入する。が、盲信ばかりではなく、秋におけるウクライナの反攻のロシア軍の体たらくを批判している。2023年のプリゴジンの乱の際は真っ先に非難する体制をとり、ワグネルと相対した。
このように外交や政治体制で色々と問題があるカディロフではあるが、ロシアの国庫から年間360億ルーブルに及ぶ補助金や寄付金を受け取っており、インフラやモスクの整備を行っている。その結果、首都のグロズヌイは高層ビルやモスクが立ち並んでいる(が、カディロフ個人や家族に私的流用されているという指摘もあり、真っ白とは言えない)。
プーチンには忠誠を誓う一方で、チェチェン共和国への内政干渉を大いに嫌う傾向があり、ロシア本国から入った警察官などに容赦なく発砲するよう命じた例が確認されている。あくまでチェチェンは自らの”独立王国”としたいのが彼の本心なようだ。いってみれば我が国にかつて存在した戦国大名に近いところがある。
掲示板
8 ななしのよっしん
2023/09/17(日) 22:11:23 ID: s1lF1TXeVZ
朗報? カディロフ生きてた
https://
安否よりもベラルーシのニュースで「Don-Don」呼ばわりされてることに笑ってしまった
9 ななしのよっしん
2024/02/29(木) 08:35:16 ID: b+30rIiiXc
10 ななしのよっしん
2025/03/25(火) 22:07:43 ID: N8N1o0sGOZ
全く名前を聞かなくなったけど今何してるんだろうなこの人
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/11(木) 12:00
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