執行は1873年制定の規定により絞首刑で行う。死刑反対派からは憲法36条の残虐な刑罰に当たるのではないかと指摘されやすいが、1948年と55年に最高裁が合憲判決を出している。
国際法の規定により18歳未満に死刑は適用できず、死刑相当の場合無期懲役に減刑される。上限に関しては特に定められておらず、2006年には77歳の死刑囚が執行されており、2022年現在最高齢の執行された死刑囚となっている。
外国人に対しては、現在のところ死刑にすることが許されているのは事実上中国のみとなっている。熊谷で6人殺害したペルー人に死刑が一度下されたものの心神耗弱で無期懲役が確定した。
また刑法39条が適用された場合も死刑になる可能性はなくなる。
2020年10月24日には執行されると被害者遺族に告知される制度が始まった。
刑事訴訟法により6ヶ月以内に執行すると定められているが、戦後で守られたケースは栃木雑貨商一家4人殺し事件の犯人である菊池正が確定から4か月24日後に処刑された事例を含む2件のみ[1]である。それ以外は最速でも1年程度かかっており、平均5〜7年、最長だと20年近くかかった例もあり、21世紀以降は病死する死刑囚も少なくない。ちなみに2024年9月現在、最高齢の死刑囚はピアノ騒音殺人事件の犯人である大濱松三(96歳)で、拘禁ノイローゼにより処刑が行われぬまま約半世紀の間収監され続けている。
もちろん早急に執行するようにという意見は後を絶たないが、執行命令を下さない法務大臣の問題や国際世論の圧力も相まってそれはなかなか実現しないのが現実である。
また犯人が複数存在して共犯者が逮捕されていない場合や冤罪疑惑がある場合は死刑が行われることはない。この仕様のためオウム真理教の逮捕から執行に20年以上かかったとされている。その代わり共犯者も逮捕され裁判が終結すれば基本的に一斉に執行される。
現在の世論調査によれば国民の約8割は死刑を容認しているとされ、廃止すべきだという意見は約1割程度に止まる。しかし「死刑に代えて終身刑を導入する」という条件を追加した場合、死刑存置派は5割強、廃止派は4割弱(残りは未回答など)とトーンがかなり変わってくる。即ち死刑に対して「積極的に賛成している者」は国民の半数強程度であり、残りの2~3割は「消極的賛成」である点に留意する必要があると言えよう。
かつては大逆罪、利敵行為、尊属殺人罪も対象だったが現在は犯罪自体が警報から削除されている
死刑囚は刑務所ではなく拘置所に収監される。執行されるまでは無期懲役以下と異なり労役を課されることはなく、かなり自由な生活が保証され、獄中結婚する者もいる。
執行は刑務官や死刑囚ともに事前に伝えられることはない。1970年代までは数日前に伝えることもあったが、1975年に死刑囚が自決する事例があったためそれはなくなった。
土日祝と12月28日〜1月3日は執行が行われず、金曜日の朝を迎えて刑務官の足音が止まらなければ3日は確実に生きられると安寧するという。前者のルールを逆手にとって2021年などには年末の直前に執行されるという意地悪な例もある。
執行は法務大臣の執行命令により行われ、ハンコを押すと5日以内に刑が執行される。
だいたい朝の8時に行われ、執行が伝えられると、素直に覚悟を決める者もいれば暴れる者もおり、前者の場合は執行前にお菓子やタバコも吸わせてもらえるが、後者の場合は取り押さえられ無理矢理執行されてしまう。
刑務官の心理的負担を軽減するために3〜5つのボタンがあり、その中で1つだけが床下が開くボタンとなっている。古い拘置所だと通電しているボタンがグラグラするため分かるという説もある。
死刑囚には目隠しがされた上で首に縄が通され、床下が開くことにより首に圧力がかかり縊死する。なお、10分間耐え切れば裏口からこっそり釈放されるという都市伝説が存在するが、もちろんそんな事実はなく医師が死亡を確認してから5分経過するまでぶら下げておくことが法律で制定されているため耐えることは不可能である。1872年には生き返った死刑囚がおり、その死刑囚は再度執行されることもなく26年間生きていたとされる。
執行後、担当した刑務官には2万円が支給され、その時点で当日の勤務は終了となり、多くの刑務官は供養に使うとされている。
1983年以降、永山基準によって死刑が適用されるかがどうかが決められる。
6と7に関しては批判も多く、特に6は殺害された被害者が1人の場合にはほとんど死刑が適用されないため、被害者遺族等からの非難を受けやすい。過去の確定した事例を並べ立てて「それと比べて際立って残虐とはいえない」「計画性がない」などとほざく裁判官も争われた事例では多く見られる。7に関しては、特に1人殺害の18-19歳に対して施行される83年以前は11人に対して死刑が言い渡されているが、本基準施行後は完全に0になってしまった(厳密には1978年が最後)。それどころか20代前半に対しても求刑すらほとんど行われていないのが現状である。
ただ身代金目的の誘拐殺人事件に関しては本基準施行後も積極的に死刑を言い渡す傾向にあり、最後の1人殺害で死刑になった未成年の事件もこれに該当する。
被害者が1人で死刑が確定した死刑囚たちは被害者を非常に惨たらしい方法で殺害したものばかりであり、常人なら身内がこんな殺され方をしたら発狂しかねないだろう。検索は非推奨。なお、該当事例の大部分は被害者は幼女から30代の女性となっていて、ほぼ唯一の男性被害者は1979年発生の男性院長が殺害された強盗殺人事件である(犯行当時27・33歳、1988年4月15日確定、1996年7月11日執行)。永山基準施行後から2022年現在まで唯一被害者1人に対し2人の死刑が確定した事例となっている。
5に関しても、もし身寄りもない独居老人やホームレスを殺したら罪が相対的に軽くなるのではないかという疑念もあり、憲法14条の法の下の平等に反するという指摘がある。まあもちろんそれを理由に無罪になったり刑が軽くなることはない、というのが建前だが、やはりこの基準のためかホームレスを集団リンチして殺傷した数々の事件の量刑は10年にすら満たないものが多数見られ、量刑にすら格差があるのかと涙を禁じ得ない(独居老人に関しては1965年に8人殺害した犯人に死刑が言い渡され執行されている)。
また2019年から20年にかけて、裁判員裁判によって下された死刑判決が立て続けに破棄されて無期懲役になっており、実に7例も破棄事例が出たため、裁判員制度の存在意義に疑問を持つ声も噴出した。
ただし死刑を求刑されて無期懲役を言い渡れた場合はマル特無期懲役という事実上仮釈放なしの終身刑になるという説も根強い。
上記の基準を見ればお察しできるかもしれないが、殺人犯の内死刑判決を受けるのは1%程度というのが現状である。これは奇しくも江戸時代の仇討ちの成功率とほぼ同じである。
実は2022年現在日本の殺人事件の6割ほどは親族間で起きているのだが、もしこれらを除外しても単純計算で2.5%程度にしかならない。
死刑の議論での反対派に対してよく「身内が殺されても死刑に反対するのか」という意見が投げかけられるが、上記を見れば分かる通り、家族を3人程度皆殺しにされるか、殺された方法を知れば発狂しかねないレベルの惨たらしい殺害手段を用いられ、かつ犯人が18歳以上、できれば20代後半以上かつ刑法39条も適用されないなどの数々の関門を潜り抜けないとまず死刑判決は勝ち取れないのであり、司法に淡い期待は持たないことである。
さらに死刑判決を勝ち取っても、上述を見ればわかる通りなかなか執行されない。21世紀に入ってから2022年7月26日現在まで、185人の死刑が確定しているが、執行されたのは98人に過ぎない。さらに31人が病死、2人が獄死、1人が自決しており、執行率は約53%、病死率が約16.7%となっている。
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最終更新:2025/12/11(木) 20:00
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