春香はどうしてそうなっちゃったのシリーズとは (ハルカハドウシテソウナッチャッタノシリーズとは) [単語記事]

春香はどうしてそうなっちゃったのシリーズとは、時間の流れと共に変化する春香さん（中村繪里子）が登場する（？）動画につけられるタグである。

概要はどうしてそうなっちゃったの

2005年 7月26日。アーケードのアイドルマスターが稼働を始めた。それはつまり、我らがメインヒロイン、天海春香のお披露目である。
当時の彼女は、ちょっぴりドジだがお菓子作りが大好きで、トップアイドルを一生懸命に目指す、どこにでもいる普通の女の子だった。共に芸能界の荒波を乗り越え、挫折し、時には拗ねた表情を見せる彼女にときめいたプロデューサーも多いだろう。
天海春香は、正統派アイドルとして、アイドルマスターの中でも特にメインヒロインと呼ばれるような存在だったのである。

時は流れ2011年 11月23日。

天海春香は同僚の星井美希と双海亜美・真美と一緒に（三十路になってから初の）生放送番組の収録を行っており、番組内の企画でこの日が誕生日の星井美希の為にケーキを作ることになった。それも普通のケーキではなく、美希の好物であるおにぎりを模した、土台がご飯でできている特別なケーキである。もちろんトッピングも普通のケーキに飾り付けるチョコ・いちごなどではなく、おにぎりの具材として使われる昆布・鮭・のり・たくあん・塩辛・ケチャップなどが用意された。

おそらく、番組としては若干ゲロゲロキッチン的な展開を想定していたことは確かであろう。なんといっても下田麻美亜美真美はいたずらっ子で天才である。放っておけば罰ゲームめいた出来のケーキも出来てしまう。それはちかたない。
問題なのは、これを率先してデコレーションしたのが中村繪里子天海春香であったという点である。

作業が始まると早速美希の好みを無視してケーキにトッピングを盛り付けていく春香。
「鏡餅みたい！」という美希の言葉に沿った春香さんは、ケーキのてっぺんに塩辛を盛り付け、さらにその上にたくあんを盛り付けるという暴挙斬新なトッピングをしたり、最終的には「緑成分が多過ぎるよね」などとケーキの彩りまで意識した結果、律子の持ち歌を口ずさみながらまるでフランスのシェフのように（中村繪里子談）ケーキ全体にケチャップをかけたのである。

のヮの＜魔法をかけて～♪ケチャップもかけて～♪

そうして完成したものは鏡餅状の米の塊にたくさんの漬物とふりかけと味付けのりでトッピングされ、ケチャップで赤く染め上げられ鎮座する、せめて「鏡餅型で色が紅白だし、めでたいね！」位しかフォローが出来ない、まさにケーキともおにぎりとも名状しがたい何かだった。

ケーキ（？）をプレゼントされたはいいが、全てがカオスすぎてどこから食べていいのか困っている美希に、優しい春香さんは「食べさせてあげるよー！」と言いながら、＜ご飯（ふりかけ付き）・沢庵・塩辛・ケチャップで「オメ」と書かれた味付けのり＞という塩分過多栄養満点な一口をスプーンに乗せてにじり寄る。
今まさに餌食になろうとしている長谷川明子美希は、涙目になりながらも中村繪里子春香にこう問うのであった。

「は、はるかー！はるかーーーっ！」

「どうしたの、美希？」

「は、春香はどうしてそうなっちゃったの・・・？」

本当に、どうしてそうなっちゃったのか？

「は、春香はどうしてそうなっちゃったの・・・？春香はそんな娘じゃないの！！」

おそらく、美希は初めて春香にこの言葉を投げかけたのだと思われる。
しかし、なぜだろう。初めて聞いたはずの視聴者の耳には何故かいつもの光景として聞こえてきていた。
少なくとも6年前はこんなことを言われるなんて、そんな風に思われるなんて、春香含め誰も思ってなかったはずだ。

6年前の春香は間違ってもこんな罰ゲーム的な事はさせないし、段ボールのふたに鼻をぶつけて赤くするなんて芸人みたいなリアクションもしないし、ましてや愚民が出来るほど黒いだなんて絶対にあり得ない。
そうなっちゃったのも、中の人の素が明らかになるにつれて、あるいは多岐に渡る公式と二次創作のテコ入れによって様々なキャラクターが付与された結果なのかもしれない。きっと正統派ではあるのだろう。しかし、間違っても普通であるとは断言できない。そもそも正統派ってなんだっけ。