機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還とは (キドウセンシガンダムモビルスーツバリエーションアールジョニーライデンノキカンとは) [単語記事]

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「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」とは、原作：富野由悠季、原案：矢立肇、メカニックデザイン：大河原邦男、作画：Ark Performa nceによる漫画作品である。

概要

角川書店が発行する雑誌『ガンダムエース』にて2010年 6月号から連載開始。

宇宙世紀 0090年を舞台に、ア・バオア・クー攻防戦で行方不明になったジオン軍のエースパイロット「ジョニー・ライデン」の行方と、彼が所属していたエース部隊「キマイラ隊」が残した「遺産」をめぐる戦いが描かれている。

またArk Performa nce氏がかつて連載していた漫画『ギレン暗殺計画』『光芒のア・バオア・クー』と設定を共有している部分があるのも特徴である（リミアの義父設定など）。
またTV シリーズやOVA、他のMSV シリーズの登場人物及び設定なども多数登場している。

解説

MSV-Rとは『ガンダムエース』誌上で展開されていた大河原邦男によるMSVの公式続編である。
宇宙世紀0089年に地球連邦政府に依頼されたF.S.S.(Federation Survey Service)社が未確認だった一年戦争時のモビルスーツのバリエーションを再調査しまとめられたものという設定になっている。

MSV-Rの連動企画として開始された本作は第一次ネオ・ジオン抗争（宇宙世紀0088年）後の世界を舞台としているものの、上記のコンセプトもあり登場する機体は一年戦争時の機体やその改修機が大半となっている（グリプス戦役以降の機体もいくつか登場する）。また一部の機体には「FSSの資料」という形で機体解説が添えられている。

ストーリー

宇宙世紀 0090年。FSSの調査チーム一人「レッド・ウェイライン」はシミュレーションテストの最中に自分の事を「ジョニー・ライデン」と呼ぶ青いゲルググと遭遇したことから彼に興味を持ち始めるが、個人的な調査では彼に関する有益な情報は得られなかった。

そんな中レッドたちFSS チームは砂漠の連邦軍基地で陸戦高機動型ザクの試乗調査中に所属不明の武装集団の襲撃を受ける。乗りなれない機体でピンチに陥るレッドだが彼を助けたのはシミュレーションマシンで出会った青いゲルググであった……

主な登場人物

FSS(Federation Survery Service)

レッド・ウェイライン: 本作の主人公。FSSの調査チームの一員でMS パイロット。; 一年戦争時代は連邦軍でMS パイロットだったらしいが、卓越した操縦テクニックや青いゲルググとの一件などにより周囲から「ジョニー・ライデン」ではないかと疑われている。
リミア・グリンウッド: サイド３、ジオン共和国出身の小柄な女性。人材交換交流プログラムでFSSにやってきた大学院生のエンジニアでチームの頭脳ともいえる存在。
聡明ながら行動力に溢れた性格で、百戦錬磨のパイロットや周囲の大人達にも気丈に接する。; ジオンのマークが入った黒いハロを所有している。
父親はMSVに登場したジオンのエースパイロットで「カラカル隊」部隊長のロイ・グリンウッド。
アシュレイ・ブラウン・ブランドン: 調査チームのバックアップ担当。通称「ボブ」。
アイシュワリヤ: FSS随一のプログラマーでハッカー。黒髪褐色肌の眼鏡っ子。
ジル・ブロッケン・フーバー: FSSの現会長で元軍人（レッドの上司）。一年戦争末期にジョニー・ライデンと戦った。

「キマイラ」関係者

ジョニー・ライデン: MSVに登場したキマイラ隊のエースパイロット。; 作中では公式設定通りア・バオア・クー防衛戦で行方不明になったとされている。
過去に様々な外伝作品でデザインや設定の異なるジョニーが存在したことを踏まえ「複数のジョニー・ライデンらしき人物がいた」と半ばメタ的に表現されており、本作でも実際に複数の候補が登場する。; またとある事情からかさまざまな勢力に目をつけらており、上記の候補も多数暗殺されている様子。
ユーマ・ライトニング: 元キマイラ隊の一員で強化人間。青いパーソナルカラーから「青き雷光」と呼ばれる。; レッドの事を一目見ただけで「ジョニー・ライデン」と確信した。; また別のガンダム作品で「青」「ユウマ」「ライトニング」な人物が登場したがこの人物とは特に関係はない。
なおこのユーマは「MSV-R」の登場人物である。
イングリッド・0: 「ジョニー・ライデン」を自称する元キマイラ隊の一員で強化人間の美少女。ゴップの養女。; 自称に違わぬ卓越した操縦技能を持ち、レッド達と奇妙な縁で幾度も邂逅する。
彼女もまたレッドの事を一目見ただけで「ジョニー・ライデン」と確信した。; 作中及びファンの間で「ジョニ子」と呼ばれている。
ジャコビアス・ノード: 元キマイラ隊の一員。民間軍事会社「テミス」社長でありながら最前線にも未だに出張ってくる優秀なスナイパー。オクスナーからは「猟犬」と呼ばれている。こちらも「MSV-R」にて登場している。

地球連邦

オクスナー・クリフ: FSSの初代委員長で現連邦政府首相補佐官。「遺産」を手にしたことで今の地位まで上り詰めた。; 癖なのか登場するたびにパズルや知恵の輪をいじっている描写が見られる。
本作における黒幕の一人。
ゴップ: 「機動戦士ガンダム」にも登場した元地球連邦軍大将。現在は連邦議会議長に就任している。; ゲーム「ギレンの野望」ではそのステータスの低さから「ゴップは無能」と呼ばれていたが、今作では一年戦争、グリプス戦役、第一次ネオ・ジオン抗争を政治的手腕で生き延び政界を牛耳っていることから「知将」として描かれている。
※初代「機動戦士ガンダム」アニメ版で登場した際は嫌味ながら戦略眼は持ち合わせた高級将官として描写されていたため、本作の描写は原点回帰に近い。
こちらも本作における黒幕の一人。
ヴァースキ・バジャック: 連邦軍特殊部隊「ナイト・イェーガー」の中隊長。階級は大尉。; ユーマやジャコビアスと同等に渡り合えるなど高い戦闘技術を有する。後にゴップの引き抜きによりゴップ私設の独立部隊「ヴァースキ隊」の隊長になる。; 好戦的でありながら知略に長け意外と面倒見も良い性格、元ティターンズ、「海ヘビ」を装備したMS等ある人物を連想させるが……

ネオ・ジオン

シャア・アズナブル: 新生ネオ・ジオンの総帥。作中で明らかになる旧ジオン公国軍の秘匿物を手に入れようとしている。; 総帥になったことで「いちパイロット」としての活動がしにくくなったのがやや不満なようであるが、密かに宿命のライバルと決着を着けるための布石も打っている様子。
一方で「クワトロ・バジーナ」として活動していた頃の迷いが無くなったようで、MS戦においても戦闘力が格段に向上しているらしい描写がある。
後に専用機となるサザビーはまだ未完成であり、サイコフレームの初期試験用に改修されたディジェサイコフレーム試験機に乗り、テスト中に偶然始まった遭遇戦からこの物語の主要人物たちを相手取って互角以上の戦いを繰り広げる。
機体は負荷のかかりすぎで半壊するが、代わりにヴァースキの機体を大破させ、レッドのゲルググの腕を切り落とすなどの戦果を上げる。この時、レッドを「中佐」と呼び、彼をジョニー・ライデンだと確信したようで、ネオ・ジオンへの参加を勧誘すらしている。
ホルスト・ハーネス: 0083や逆襲のシャアにも登場しているネオ・ジオンの参謀総長。シャアには忠誠を誓っているが、ネオ・ジオン総帥としての言動を期待している。
シャアはなにか重大な場面や物事に行き当たる「引きの良さ」を持つと評している。
アルレット・アルマージュ: シャア専属のモビルスーツフィッターエンジニア。詳細は「機動戦士ガンダムTwilight AXIS」の記事を参照。
可憐な少女の外見にそぐわず総帥であるシャアに対しても物怖じせず辛辣に接しているが、長年シャアに付き従っておりその本質も正確に把握している。