「まー私はやっぱ基本、雷撃よねぇ」
北上(きたかみ)は、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する、大日本帝国海軍の球磨型軽巡洋艦「北上」をモデルにした艦娘である。イラストレーターはしばふ、CVは大坪由佳。
軽巡洋艦「北上」は球磨型軽巡洋艦の3番艦として、1921年に竣工した。艦名は岩手県から宮城県にかけて流れる北上川に由来する。姉妹艦は 「球磨」・「多摩」・「大井」・「木曾」。1941年8月、「大井」とともに重雷装艦へ改装される。
重雷装艦のコンセプトは酸素魚雷の実用化によるところが大きい。
まず、酸素魚雷は従来の魚雷よりも射程距離が圧倒的に長く、更に推進時に放出される炭酸ガスが海水に溶けて航跡も残らない事から、隠密性にきわめて優れている。なおかつ、炸薬量も従来型の物より増量されていることから、艦砲より高い命中率と高威力が期待された。巡洋艦以下のクラスの艦艇に高い水雷戦闘力を求めていた当時の帝国海軍にとって、このような特徴を持つ酸素魚雷は切り札と言うべき存在であった。
そして、その酸素魚雷の集中運用と戦艦の艦砲射撃の連携―相手の攻撃の届かないところから多数の魚雷を発射、。混乱した敵艦隊に主力戦艦群が艦隊決戦を挑み撃滅する―その先陣を切る役割が、「北上」と「大井」には求められていた。
……のだが、改造直後に発生した太平洋戦争では大艦巨砲主義・艦隊決戦が否定され、海戦の主役は戦艦から空母とその艦載機へと移り変わっており、彼女ら重雷装艦の活躍の場はおろか、存在意義すら無くなってしまった。
こうして、1942年夏には一部の魚雷発射管が取り払われ「大井」とともに高速輸送艦としての任務に就くが、1944年夏に「大井」が戦没し、時を経ずして「北上」は特攻兵器・回天の母艦に改装される。
軍艦としては華々しい戦果とは無縁で、時代に取り残された不遇な艦とも評されるが、球磨型を始めとする5500トン型軽巡洋艦の姉妹達が尽く戦没していく中、呉軍港空襲により大破しながらも戦争を生き延びる。
戦後は修復されたうえで復員輸送支援の工作艦として約半年間働いた後、三菱重工業長崎造船所で解体された。
余談だが、戦艦「日向」艦長としてレイテ沖海戦を戦った野村留吉元海軍少将は、「日向」着任直前に「北上」の艦長も半年ほど務め、シンガポール・ペナン島方面で輸送任務に従事している。その証言によれば、艦長勤務の間、「北上」はその本分であった魚雷発射の訓練を一度たりともやらなかったという。というのも、「北上」「大井」には次発装填装置がなく、一度射出してしまうと母港に戻って再装填する必要があったからである。よって、発射管に入れっぱなしの魚雷を絶えず整備する必要があり、そのために優秀な水雷長が着任していた。(光人社『艦長たちの太平洋戦争』より)ちなみに、「魚雷一本・家一軒」と言われたほど、魚雷という兵器はお値段が張る。その額は93式酸素魚雷で2万円、現代の物価に換算すると1億円前後……家一軒ってレベルじゃねえぞ……
時は流れて1964年、「北上」が解体されて18年後、海上自衛隊に1隻の護衛艦が就役する。いすず型3番艦“DE-213 きたかみ”である。
(姉である“いすず”、“もがみ”とは機関やソナー、兵装などが異なるため、“きたかみ型1番艦”と呼ばれる事もある)
彼女は大湊基地に配属となり、こちらも生まれ変わった護衛艦“DE-214 おおい”と時代を超えた再会を果たす。
先代の重雷装艦とは異なり、対潜水艦戦のエキスパートとなった2隻は、仮想敵国だったソ連の潜水艦に眼を光らせておよそ30年に渡り僚艦として北の海を守り続けた後、90年揃って特務艦に転籍し、93年に退役した。
「まぁー大井っちと組めば、最強だよね!」
「全部で40門の魚雷管だよ~」
「提督、お願いがあるんだけどさ…あの武器だけはやっぱ載せないでよね…頼んだよ!」
片膝を立て、ロングの黒髪を三つ編みにして右肩から垂らしている。気だるげな口調が特徴。
スーパー北上の店長重雷装巡洋艦として改造することができる三人の艦娘の一人である。
ゲームでは史実どおり重雷装巡洋艦に改造できる艦娘として、姉妹艦の大井とともに初期から登場するが、レアリティは北上の方が低く1-1でも入手可能。
ちなみに球磨、多摩、木曾とはイラストレーターが異なり、艦船図鑑での掲載場所も違うので、史実を知らない提督が5隻を姉妹艦と認識するのは困難であろう。
改造前 : 軽巡洋艦 「北上」
Lv.10 : 重雷装巡洋艦 「北上改」 自称:スーパー北上さま
Lv.50 : 重雷装巡洋艦 「北上改二」 通称:ハイパー北上さま(2013年6月19日実装)
と、改二が最も早く実装された艦娘である[1]。改二を実行すると、服装もがらっと変わる。おへそ!
ハイパー北上さまともなれば装備込みの雷装は150を軽く越える。まさにハイパー。雷撃戦・夜戦で空母や戦艦をオーバーキルする圧倒的火力を見せてくれる。
反面、装甲は軽巡レベルであり、肝心の雷撃(砲撃戦終了後)を行う前に中破・大破して無力化されていることもしばしばで、扱いどころの難しい艦だった。「活躍する機会が微妙になかった」ってそういうことか。重雷装巡洋艦はLv10まで育てて酸素魚雷をはぎ取り近代化改修へ……という提督も多かったはずである。
……だったのだが、2013年8月のアップデートで状況は一変した。甲標的搭載艦の先制雷撃が可能になったのである。これにより、重雷装巡洋艦は砲撃戦の前にその凄まじい雷撃力を披露して敵艦を葬るようになり、北上さま&大井っちはその名に恥じぬスーパー/ハイパーな主力艦へと進化した。史実では「甲標的」は色んな意味で微妙すぎる兵器だったのだが気にしてはいけない。
必要なレベルは50とゲームを始めたばかりの提督には少々長い道のりとなるが、ぜひハイパー北上さまの力を見ていただきたい。なお、ベースが軽巡であるため回避能力は高いものの戦艦や空母の攻撃で中大破するリスクはあることと、高難度海域に連れて行く場合は対空値が低いことを考慮して装備・随伴艦を選択することも必要である。
艦これの歴史が刻まれるにつれ、艦娘の運用方法も変化してきた。有志のシステム解析により、夜戦においてかつてのカットイン一辺倒から連撃が重要視されるようになったのである。夜戦のダメージは火力・雷装に依存するため、戦艦より駆逐艦の方が大ダメージをたたき出しやすくなる。そして、駆逐艦よりも火力・雷装ともに高いのが雷巡である。折しも、この潮流が顕著になってきたのは2013年秋イベント前後の頃であった。同イベントでは雷撃が通用しないボスが出現し、雷撃でダメージを与えることは不可能であった。しかし、連撃なら全く問題はないどころか、砲撃力に雷装の分もきっちり反映されるためハイパーズは数百×2のダメージを叩き込める。この連撃も中破状態では威力が落ちるが、北上改二は運30と艦娘の中でもかなり高めなためカットインが発動すれば一発轟沈間違いなし。このように、雷巡は史実で想定されていた「戦艦の露払い」どころか、「開幕雷撃で空母を中破させて攻撃不能にし、砲撃戦で取り巻きの駆逐艦を排除し、雷撃戦で巡洋艦を大破させて夜戦行動不可能にし、夜戦ではボスを血祭りに上げる」(※効果には個人差があります)ということも夢ではない公式チートへと大変身を遂げたのである。まあ、ダメージを与えるのも食らうのも全部運なんだけど。
なお、先述の通り艦名は北上川に由来するため、読みは「きたがみ」ではなく「きたかみ」である。本人の発音が「が」に聞こえるのは軍機である。
史実と異なり高速輸送艦への改造予定は現在のところ無い。また、北上さまが嫌がっている特攻兵器の実装も運営から否定されている。
演習中に軽巡「阿武隈」と衝突し、「阿武隈」の艦首を壊してしまったことがあり、度々ネタにされている。
なぜか「駆逐艦?あぁ、うざい。」と言うことがあるが、それも「うざいと言いながら懐かれる」というネタに。
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/03(金) 07:00
最終更新:2024/05/03(金) 07:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。