怪獣総進撃 単語


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カイジュウチュウシングラ

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20世紀も終わりに近く、国連科学委員会は月に探検基地を開設し

ここ硫黄島の基地からは連日月に向かってロケットを発信していた--

怪獣総進撃とは、1968年8月1日に公開された怪獣オールスター映画である。
配給はおなじみの東宝。カラー、シネスコ作品。89分。 ゴジラシリーズ第9弾。

空から見ると、概要もなかなか詳しいですな

監督は昭和シリーズおなじみの本多猪四郎、脚本は東宝フランケンシュタインシリーズを担当した馬淵薫と本多の共同執筆。特技監督には前作から引き続いて有川貞昌が就任し、円谷英二は特技監修という形でクレジットされている。音楽は伊福部昭で、冒頭に流れる総進撃マーチは今でも人気曲の一つ。

昭和ゴジラでは最多となる11体(うち2体はたいした活躍が無いけど)で、スクリーン狭しと過去の東宝特撮映画に登場したスター怪獣たちが暴れまわる痛快作。特にアンギラスはゴジラ最初の対戦怪獣でありながら、13年ぶりのシリーズ復帰で、以後の作品にもよく登場する相棒的怪獣という役割が板に付いた。
とりあえずゴロザウルスに出番を取られたバラゴンとラストにチョイ役でしか登場しないバランはもっと怒っていい(一応両方とも主演怪獣だったんだし。バラゴンなんか名前は何回も出てるのに・・・)。 

『怪獣大戦争』以来、2作品ぶりに本格的な都市破壊が復活した作品だった。また、東京にゴジラ、ラドン、モスラ、マンダが一挙に集結して破壊活動を行う場面は大勢の怪獣が登場してくれる本作ならではの要素といえる。なお、防衛隊の兵器で「ミサイル」が初登場した。

キャスト面でも土屋嘉男、佐原健二、田崎潤といった昭和シリーズの常連が顔を並べるほか、ウルトラマン(ハヤタ)で有名な黒部進もちょっとだけ登場している。

また、シリーズ完結編とあって、過去2度戦った宿敵キングギドラとは本作で一応の決着が付く。
が、途中の善戦も虚しく、後半戦は最早イジメレベルで、円谷存命時には珍しく怪獣の血が描かれているほか、決着シーンは結構エグイ。ゴジラよ、そんなにキングギドラが憎かったのか? (あとゴロザウルス、アンギラスも)
まあ、キングギドラも金星を滅亡させたりしてる悪い怪獣だったから仕方ないね。
ちなみに、このギドラ戦、ガイガンで結構そのまんま流用されてるから同作で整合性が取れない部分が多数でる遠因にもなった。 

この作品でキングギドラが倒されたため、後続作の『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に登場するギドラは鳴き声も若干違うので「2代目キングギドラ」とする書籍もある。一応、この2代目ギドラは頭の生首3本だけが現存しており、大ゴジラ特撮展のシークレット展示として展示された。角の一部が欠損しており、ラテックス塗料の影響か、かなり劣化があったものの、往年の姿を少しでも感じることが出来るように大切に保管されていたのは喜ばしい次第である。 

本作を以て、一度は莫大な予算がかかる怪獣映画路線を完結させ、一旦ゴジラシリーズを完結させる予定だったが、観客動員数258万人と前作を若干上回る好成績を残したことでその話は撤回され、その後7年間シリーズは継続、1975年『メカゴジラの逆襲』(奇しくもこの作品は本作と同じ本多猪四郎監督作で、しかも氏の遺作である)で21年に亘るゴジラシリーズは1984年まで長い眠りに就くこととなる。

このため、ストーリー的には昭和シリーズで最も未来の出来事に時系列分類されることがあり、実際本作は公開時点より少し近未来を描いた描写が多い。実際に、冒頭のナレーションではこの作品を20世紀末の~と言っている。テレビ電話や携帯テレビなどは実はシリーズではこの作品が初登場。
撮影に使われた電車などの模型は今も一部が現存していて時折展示会などで飾ってくれることがある。(撮影時の状態のままなのでモスラにぶっ壊されたときのまま結構ボロボロだけど) 

また、この作品ではイグアナの映画アメリカ版『GODZILLA』に先駆けること30年も前に、ゴジラがニューヨークの町を放射熱線でぶっ壊している。この映画のゴジラは昭和ゴジラとしては珍しく熱線を多用して破壊活動を行っている。

このほか、ゴジラシリーズでは『怪獣大戦争』以降取り入れられるようになった宇宙的なSFチックな設定はこの作品でも大きくクローズアップされ、X星人以来の登場となる宇宙人「キラアク星人」の狡猾な作戦には作中の人物たちは大苦戦を強いられる。また、数ある東宝メカ中でもこの作品のみに登場する地球の誇るロケット「ムーンライトSY3」は今でもファンが多い。

ちなみに、同じ年にはアメリカで『2001年宇宙の旅』が公開され、日本でも本国から5日遅れで入ってきたことでそのあまりにリアルな描写が国内の映像技術者を驚かせたという。これは観客も同様らしく、漫画家のみうらじゅんなどはこの落差で「あぁ、日本は戦争に負けたんだなぁ」と実感したそうな。

備考・補足

  • 本映画のタイトルは初回公開から3年後に放送された『帰ってきたウルトラマン』の第1話で使いまわされており、監督も本田猪四郎が担当している。
  • 1972年に『東宝チャンピオンまつり』の一環としてリバイバル上映された際は「ゴジラ電撃大作戦」に改題されている。

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  • ゴジラ
  • モスラ
  • ゴジラ FINAL WARS(全体的に共通点が多く、一部のファンからは「“平成版”怪獣総進撃」と呼ばれている)
  • 夢の共演
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 帰ってきたウルトラマン
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