2003年クラシック世代 単語

ニセンサンネンクラシックセダイ

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2003年クラシック世代とは、2000年に生まれ、2003年にクラシック競走を走った(3歳を迎えた)競走馬の世代のことである。

概要

皐月賞・ダービーを制し21世紀で最初に三冠に挑んだクラシック二冠馬ネオユニヴァースと、2004年に秋古馬三冠[1]を達成したゼンノロブロイを代表とする世代。
クラシック戦線では、この2頭に加えて菊花賞馬のザッツザプレンティに、サクラプレジデントサイレントディールリンカーンらが鎬を削った。そして4歳時の天皇賞(春)ではリンカーン、ネオユニヴァース、ザッツザプレンティ、ゼンノロブロイが4歳4強と呼ばれて人気を集めながら、1歳上で10番人気の伏兵イングランディーレに逃げ切り圧勝を許してしまった。

牝馬では1986年のメジロラモーヌ以来17年ぶり2頭目となる牝馬三冠を達成したスティルインラブと、その牝馬三冠全てで1番人気に支持されながら敗れたあとエリザベス女王杯を連覇し、繁殖牝馬としてドゥラメンテを産んだアドマイヤグルーヴ、そしてプペペポピーの札幌記念勝ち馬でありエアグルーヴ以来の牝馬による天皇賞(秋)制覇を果たしたヘヴンリーロマンスの3頭が代表。

短距離戦線では、珍名馬オーナーとして知られる小田切有一の21年ぶりのGⅠ馬オレハマッテルゼがいる。

ダートではMCS南部杯3連覇などGⅠ級7勝を挙げたブルーコンコルドと、GⅠ級4勝を挙げ日本調教馬として初めて[2]海外ダート重賞を勝ったユートピアが代表。MCS南部杯はこの世代がこの2頭で5連覇している。牝馬でもGⅠ勝ちこそないが、7歳まで46戦を走り重賞9勝を挙げたレマーズガール、それと何度もワンツーを決めたライバルで重賞5勝のグラッブユアハート、そして10歳まで61戦を走って重賞10勝を挙げた不屈の名牝メイショウバトラーが息の長い活躍を見せた。

他、牡馬では長距離戦線の名脇役でオーストラリアのG1競走コーフィールドCで2着と活躍したアイポッパー[3]、函館記念3連覇のエリモハリアー、武豊にも匙を投げられた超気性難ブルーイレヴン、マル外の珍名馬として話題になったスシトレイン。牝馬では若手の川島信二騎手との果敢な逃げで湧かせたオースミハルカ、短距離で重賞5勝を挙げた"夏女"シーイズトウショウなどがいる。

地方競馬所属馬としては、NARグランプリで2003年のサラブレッド3歳最優秀馬と2004年のサラブレッド4歳以上最優秀馬に表彰された南関東二冠馬ナイキアディライト、日本アラブ競馬史における「最後の怪物」と呼ばれた一頭[4]スイグン、地方競馬最多勝記録[5]となる通算54勝[6]をあげた高知競馬のエスケープハッチらがいる。また、ばんえい競馬には、ばんえい記念を3連覇したトモエパワー、牝馬の最多重賞勝利記録となる重賞13勝をあげ繁殖牝馬としてもセンゴクエースを産んだ名牝サダエリコらがいる。ほかには、未出走のまま一旦は乗り馬(乗馬名トライアンフI)となり2007年にサラブレッドで初となるエンデュランス完走(全日本エンデュランス馬術大会2007・120000m)を成し遂げた後に競走馬へとキャリアチェンジして2013年に13歳で初出走(ダート1000m)を果たしたマーチャンダイズがいる。

海外では、超豪華メンバーが揃った2004年のBCクラシックを圧勝し米競馬00年代の最強馬筆頭格とされているゴーストザッパー、そのBCクラシックでゴーストザッパーの2着となり翌年にドバイWCを制したロージズインメイ、そのロージズインメイをドンHで破り2005年のBCクラシックに勝利したセイントリアム、欧州で9戦8勝2着1回という準パーフェクトな成績で仏ダービーや凱旋門賞などGI4勝を挙げた2003年のカルティエ賞年度代表馬ダラカニ、そのダラカニに先着した唯一の馬である愛ダービー馬アラムシャーなどがいる。

この世代の特徴として、とにかく全盛期が短い馬が多かった。二冠馬ネオユニヴァースは4歳春でターフを去り、ゼンノロブロイもオリビエ・ペリエが騎乗した4歳秋の3戦以外はGⅠで2着4回3着3回の勝ちきれない善戦マン。牝馬三冠馬スティルインラブも古馬になってからは凡走続き。世代GⅠを勝ったあと全く振るわず地方行きとなったエイシンチャンプと障害入りとなったウインクリューガー。ダートでは、3連勝でタイムパラドックス、アジュディミツオー、ナイキアディライトらを薙ぎ倒し注目を集めたが後が続かなかったサカラート。などなど……。
この世代はちょうど競馬人気斜陽の時代でもあり、王道・短距離・牝馬・ダートまで多士済々だった1歳上の2002年クラシック世代と、ディープインパクトの登場で競馬人気が復活する2歳下の2005年クラシック世代とに挟まれ、どうにも影の薄い世代になってしまっている。

種牡馬としてはネオユニヴァースが初年度からアンライバルドとロジユニヴァースでクラシック二冠を親子制覇し、日本馬初のドバイワールドカップ勝ち馬ヴィクトワールピサ、QE2世C勝ち馬ネオリアリズムなど海外レースでも活躍する産駒を出すなど、サンデーサイレンスの後継として存在感を示した。

活躍馬

中央平地GI級

世代別

競走名2002年(2歳)2003年(3歳)
朝日杯フューチュリティステークス エイシンチャンプ
阪神ジュベナイルフィリーズ ピースオブワールド
皐月賞 ネオユニヴァース
東京優駿(日本ダービー) ネオユニヴァース
菊花賞 ザッツザプレンティ
桜花賞 スティルインラブ
優駿牝馬(オークス) スティルインラブ
秋華賞 スティルインラブ
NHKマイルカップ ウインクリューガー

古馬GI

競走名2003年(3歳)2004年(4歳)2005年(5歳)2006年(6歳)2007年(7歳)
フェブラリーステークス
高松宮記念 オレハマッテルゼ
天皇賞(春)
ヴィクトリアマイル(2006年~)
安田記念
宝塚記念
スプリンターズステークス
天皇賞(秋) ゼンノロブロイ ヘヴンリーロマンス
エリザベス女王杯 アドマイヤグルーヴ アドマイヤグルーヴ
マイルチャンピオンシップ
ジャパンカップ ゼンノロブロイ [米]Alkaased
ジャパンカップダート
有馬記念 ゼンノロブロイ

中央障害J-GI

競走名2003年
(3歳)
2004年
(4歳)
2005年
(5歳)
2006年
(6歳)
2007年
(7歳)
2008年
(8歳)
2009年
(9歳)
中山グランドジャンプ スプリングゲント
中山大障害

地方ダートグレード競走GI級

世代別

競走名2002年(2歳)2003年(3歳)
全日本2歳優駿 ユートピア
ジャパンダートダービー ビッグウルフ
ダービーグランプリ ユートピア

古馬GI

競走名2003年(3歳)2004年(4歳)2005年(5歳)2006年(6歳)2007年(7歳)2008年(8歳)
川崎記念
かしわ記念(GⅠ格付は2005年~) ブルーコンコルド
帝王賞
マイルチャンピオンシップ南部杯 ユートピア ユートピア ブルーコンコルド ブルーコンコルド ブルーコンコルド
JBCスプリント ブルーコンコルド ブルーコンコルド
JBCクラシック
東京大賞典 ブルーコンコルド

大百科に記事のある2003年クラシック世代の競走馬

は牡馬、ピンクは牝馬、は騸馬。

日本調教馬

  • アドマイヤグルーヴ
  • ウインクリューガー
  • エイシンチャンプ
  • エリモハリアー
  • オレハマッテルゼ
  • スシトレイン
  • スティルインラブ
  • ゼンノロブロイ
  • ネオユニヴァース
  • ブルーイレヴン
  • ブルーコンコルド
  • ヘヴンリーロマンス
  • メイショウバトラー

海外調教馬

  • アルカセット(アメリカ)
  • エンパイアメーカー(アメリカ)
  • ゴーストザッパー(アメリカ)
  • ファニーサイド(アメリカ)

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬 / 競走馬の一覧
前世代当世代後世代
2002年クラシック世代 2003年クラシック世代 2004年クラシック世代

脚注

  1. *天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の3競走。テイエムオペラオーに続く史上2頭目の達成。ゼンノロブロイ以降に達成した馬は2021年終了時点でもまだ現れていない。
  2. *移籍した元日本馬を含めると、2004年に大井競馬所属のフェスティバルがアメリカへ移籍して同年のG3競走ダリアH(ダート1700m)に勝利している。
  3. *日本調教馬による初のオーストラリア出走は2005年9月3日6レース目のG2競走アスコットベールS(芝1200m)に出走したゼンノゴウシュウである。同日は7レース目のG2競走クレイグリーS(芝1600m)にも日本調教馬フサイチオーレが出走している。また、日本調教馬として初めてオーストラリアのGI競走に出走したのは2005年9月10日のマニカトS(芝1200m)に出走したキングオブサンデーである。
  4. *他にも東海地方のマリンレオや福山競馬のバクシンオーらが同じく「最後の怪物」と呼ばれており、最後の最後のと言いながら、実は「最後の怪物」は何頭かいるのである。
  5. *NARが設立された1962年以降での記録。
  6. *一つ上の世代に55勝を記録したモナクカバキチがいるが、モナクカバキチが55勝目を記録したのは13歳になった2012年のことで、エスケープハッチが54勝目を記録した2008年の時点ではエスケープハッチの54勝が最多記録だった。
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