コングラッツ(競走馬)とは (コングラッツとは) [単語記事]

コングラッツ(Congrats)とは、2000年生まれのアメリカ合衆国の競走馬である。

通算成績26戦7勝[7-3-5-11]

主な勝ち鞍
4歳(2004年):アリシーバS(L)
5歳(2005年):サンパスカルH(G2)

概要

純度の高い血統

父:A.P. Indy 母:Praise 母父:Mr. Prospectorという血統。
順番に説明していこう。
父のA.P. Indyは三冠馬 Seattle Slewの代表産駒にして最良の後継種牡馬。リーディングサイアーにも2回輝いている。
母Praiseは7戦2勝で重賞実績はないが、その父 Mr. Prospectorは重賞こそ勝利できなかったが2回のリーディングサイアーにして、その後継種牡馬が世界的に活躍しているサイアーオブサイアーズ。
2代母 Wind Applauseは重賞2勝馬だが、その父 Northern Dancerは本拠地が北米なのに英愛リーディングサイアー2回など世界的に活躍馬を出し、種付け料100万ドルまで上昇、「ノーザンダンサーの血の一滴は1カラットのダイヤモンドより価値がある」とまで言われた大種牡馬。
3代母 Glowing Tributeは重賞を3勝で、その父 Graustarkは8戦7勝で種牡馬リーディング最高6位。ここまでのレジェンドに比べると見劣りするが十分名馬である。
4代母Adm iringは43戦7勝で、その父 Hail to ReasonはHaloやRobertoなどを出しリーディングサイアーともなって、その子孫の影響力は計り知れない。
5代母 Searchingは89戦25勝とタフに走った馬で、その父 War Admiralはアメリカ競馬最大のレジェンド・初代ビッグレッド Man o' Warの代表産駒で三冠馬、リーディングサイアーにもなった。
そして7代母はアメリカ競馬史最高レベルの繁殖牝馬 La Troienne。

これだけの世界的大種牡馬を代々配合した純度の高い血統はそうお目にかかれないだろう。

祝福された馬

血統背景を長々と説明してしまったが、話を本馬に戻そう。

本馬はアメリカ名門牧場クレイボーンファームで生産・所有され、「おめでとう」を意味するCongratsコングラッツと名付けられた。

2歳(2002年)

7月27日にサラトガ競馬場の未勝利戦でデビュー、1馬身1/4差でデビューを飾った。
しかし9月7日のアローワンスでは3着に敗れ、脚部不安で一旦休養。

3歳(2003年)

5月3日にアローワンスで復帰、2馬身差で勝利を飾る。しかし1カ月後のアローワンスでは4着で敗れる。さらに1カ月後のアローワンスで5馬身1/4の快勝で3勝目を挙げる。

初重賞にジムダンディS(G2)では3着と好走。続く「真夏のダービー」トラヴァーズS(G1)では大きく離された6頭立て5着のブービーに敗れた。

立て直しのアローワンスで優勝のあとディスカヴァリーH(G3)では4着。

重賞では足りない感じだった。

4歳(2004年)

この年の4月にアローワンスで勝利の後、アリシーバS(L)で勝利。
その後も重賞に使い続け、ブルックリンH(G2)5着、ワシントンパーク(G2)3着、サラトガBCH(G2)6着、ネイティヴダイヴァーH(G3)6着で、この年も重賞には届かなかった。

5歳(2005年)

1月のサンパスカルH(G2)、ドロドロの不良馬場となったが、後続を5馬身半突き抜け、ついに重賞初勝利を遂げた。
続くサンアントニオH(G2)3着、サンタアニタH(G2)2着の好走の後、アラブ首長国連邦の高額賞金レース、ドバイワールドカップ(G1)に遠征。*ロージスインメイには大きく離されたが5着を確保する。
アックアックH(L)2着、ハリウッドゴールドカップ(G1)3着、パシフィッククラシックS(G1)8着でこの年を終える。

6歳(2006年)

サンカルロスH(G2)7着のあと大井競馬場との交換競走の東京シティH(G3)で7着、メモリアルデイH(G3)2着、コーンハスカーBCH(G2)9着で引退となった。

純度の高い素質馬は結局重賞1勝でキャリアを終えることとなった。

種牡馬として

2007年に種牡馬入り、初年度産駒からG1 馬を2頭出した。しかしその後は散発的にしか活躍馬を出せず、最終的にG1 馬は4頭、その他の重賞馬1頭の重賞馬計5頭となり、2021年に種牡馬引退となった。なお重賞馬は全て牝馬であった。

しかしコングラッツを母父とするハートレーが2015年ホープフルS(当時G2)を優勝すると、ダノンデサイル・フォーエバーヤングと日本で母父として大ブレイク。本国アメリカでも母父コングラッツのShedarest devilがケンタッキーオークスほかG1計3勝を挙げるなど母父として多数の活躍馬を輩出。
今後は母系に入って競走馬の底力を支える存在になるだろう。

血統表

A.P. Indy 1989 黒鹿毛	Seattle Slew 1974 黒鹿毛	Bold Reasoning	Bold nes ian
			Reason to Earn
		My Charmer	Poker
			Fair Charmer
	Wee kend Surprise 1980 鹿毛	Secretariat	Bold Ruler
			Something royal
		Lassie Dear	Buckpasser
			Gay Missile
Praise 1994 鹿毛 FNo.1-s(x)	Mr. Prospector 1977 鹿毛	Raise a Native	Native Dancer
			Raise You
		Gold Dig ger	Nash ua
			Seq ue nce
	Sq uan Song 1981 黒鹿毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Glowing Tribute	Graustark
			Adm iring