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Dyson Sphere Programとは、工場建設＋宇宙探険系SFシミュレーションゲームである。ビジュアルは3Dの三人称視点で、球形のマップに施設を配置していくのが特徴。ゲームの最終目標は、タイトルの通り恒星を包む「ダイソン球（Dyson Sphere）」を建設すること。
一度始めると何時間もハマってしまうほど吸引力のあるゲームだが、吸引力の変わらないただ一つの掃除機とは関係ない。
開発は中国のYouthcat Studio（柚子猫工作室）。2021年1月21日にSteamでアーリーアクセス販売が始まった。
概要
ものすごく雑に説明すると、惑星全体を使ってFactorioみたいに巨大工場を作るゲーム。ただし、他所の惑星にも工場を作ることができる。なんなら何光年も離れた恒星へ飛んで、そこの惑星にも工場を作れる。惑星間で資源や部品をやり取りして、最終的には恒星をまるっと包む超巨大構造物を建設してしまおうという、何ともスケールの大きなゲームだ。
Factorioのフォロワーゲームとして
Minecraftの工業化MODやFactorioは数多くのフォロワー作品を生み出し、「工場建設系ゲーム」という一大ジャンルを築いた。本作もその系譜に連なるゲームであり、根幹的なシステムはFactorioそのまんまな要素が多い。具体的には、
- 惑星の各地に点在する資源を採掘する
- 資源を加工し、その生成物からさらに上位の生産物を組み立てていく
- 採掘機や加工施設をベルトコンベアでつなぎ、作業を自動化する
- 作成難易度が比較的高い「マトリックス」と呼ばれる物体（Factorioでいうサイエンスパック）を集めることで研究を進め、ツリーを開放して新たな部品・施設を作れるようになる
という序盤の流れはFactorioそっくりだ。
一方、Factorioにあった環境破壊や敵性生物との戦闘といった要素はない（戦闘は将来のアップデートで実装される可能性が示唆されている）。
主人公はたった一人で新しい惑星（※）に降り立つが、この点でもFactorioに通じるものがある（まあ、SatisfactoryやSubnauticaなどこの手のゲームは大体そうだけど）。ただし、Factorioの主人公が不時着したエンジニアであり、救難信号を送るためにロケットを打ち上げるのが最終目的であるのに対して、Dyson Sphere Programのエンジニアは人類の大いなる夢を実現するために送り込まれている。それを達成するためには、何万発もの打ち上げを要することだろう。というか自身も惑星を飛び出さないと目的を達成できない。
※便宜的に「惑星」と呼んでいるが、実は最初に降り立つ天体は必ず衛星である。つまり、別の巨大惑星の周りを回っている。
ある意味、最初に降り立った星を飛び出してからが、このゲームの独自要素を堪能できる意味で本番だと言える。工場が宇宙規模でインフレしていくのを楽しもう。プレイを進めるにつれて開発者たちのSFと科学への愛情と知識を感じることができ、これが単なるFactorioやSatisfactoryの真似っこではないことがわかるはずだ。
さて、そんな銀河規模の工場を建設までして実現しようとする人類の「大いなる夢」というのが、ダイソン球である。
ダイソン球（Dyson Sphere）とは？
人類は太陽のエネルギーをさまざまな形で利用しているが、地球上にいる限り、どう頑張っても地球の表面に届く光しか活用できない。それなら太陽をすっぽりソーラーパネルとかで覆えばエネルギーを全部使えるんじゃね？というストロングな発想が「ダイソン球」だ。もちろん太陽以外の恒星でもよい。
ダイソン球はSFなどで時折出てくる。ニコニコでお目にかかれるところでは、銀河ストラテジーゲームのStellarisに登場した。
「ダイソン球」という呼称は、この概念を確立して広めるのに一役買った物理学者フリーマン・ダイソンの名前にちなむ。ただし、ダイソン自身は恒星をただ一つの構造物で包むことを提案したわけではない（っていうかそんなの物理的に無理だろというのが本人の弁）。ダイソンが想定したのは、異なる軌道を持つ無数の物体の群れ（スウォーム swarm）で太陽を囲んでエネルギーを利用するというものだった。そのため、単一の「ダイソン球」と区別して「ダイソン・スウォーム」という言葉が使われることもある。
Dyson Sphere Programでは文字通り一つなぎの構造物であるダイソン球を完成させることになるが、その過程で必ずダイソン・スウォームも作らなければいけない仕組みになっている。なお、このスウォームの一つ一つはJAXAの工学実証機「IKAROS」で実現したソーラーセイル。このようにSFと現実の科学がいい塩梅に配合されているのがこのゲームの魅力だ。
舞台設定
ゲーム内ではダイソン球を作るという目的が提示されているだけで、その背景について多くは語られない。だが各種フレーバーテキストやSteamのストアページでの説明を読むと、なかなか面白い設定が用意されている。
遠い未来、VRが高度に発達して人類は皆現実の時空に留まるよりも仮想空間に引き籠もることを選んだ。そのために高度な処理能力を持つコンピューターが作られたが、一つの惑星をまるごと使ってもエネルギーが足りない。そこで、恒星のエネルギーをまるごと使ってしまうダイソン球を完成させることが主人公の使命だ。
微妙にリアリティがあるけど、ダイソン球を作る目的がそれでいいのか、と思わなくもない。まあ、このゲームのプレイヤーもダイソン球を作るために現実を離れて引き籠もる羽目になるんですがね。
プレイヤーが派遣されるのは太陽以外のどこかの星。少なくとも25光年の範囲には太陽は見当たらないのでだいぶ遠くへ飛ばされたが、そんなところでダイソン球を作ってどうやって太陽系にエネルギーを運ぶのかは不明。ゲーム内では蓄電池を使って惑星間で電池をやり取りできるけど、まさかねえ……
一つの恒星には最大で6個の惑星が配置される。惑星には外見だけでなく資源の存在確率や大気などが異なる十数種類のタイプがあり、軌道の形や自転速度なども細かく設定され、昼夜や季節もそれに応じて変化する（ただし2021年2月現在、昼夜と季節で変化するのは恒星からの光量のみ）。
探索できる範囲には初期設定で64個の恒星が配置される。これらの恒星にもスペクトル型や光度、赤色巨星・白色矮星・中性子星・ブラックホールなどの特殊タイプといった個性があり、惑星を含めある程度ランダムに置かれるので、プレイするたびに異なる宇宙を楽しめる。なお、恒星の名前には現実のもの（シリウスやベガ、ヘルクレス座ε星といった具合に）が使われているが、パラメータや位置は現実の恒星に沿っているわけではない。
登場人物
イカロス（Icarus）
プレイヤーの分身であるロボット（mecha）。サムス・アランとジプシー・デンジャーを足して2で割ったような姿。巨大ロボなのかと思いきやサイズは等身大らしい。輪郭から見て人間が入っているようには見えないので、ひょっとすると全身義体化しているのかも。
体内の炉で燃料を燃やすなどして溜めた電力で動く。序盤は動きが遅く、すぐに燃料切れを起こすため、のろのろと木や草を拾っては食べることになるだろう。
研究が進むと自在に空を飛べるようになり、体内で核融合や対消滅でエネルギーを生成しながら身一つで超光速飛行をやってのける超万能メカとなる。
アドバイザー（Advisor）
要所要所で解説をくれるチュートリアル担当。顔はメタリックなシールドに包まれているが、AIなのか人間なのかは不明。
周回プレイなどで説明不要なときもしつこく登場するので、プレイヤーたちからはどっかのイルカみたいに邪魔者扱いされることも。
プレイ環境について
2021年2月現在、公式には英語と中国語にしか対応していない。どうしても日本語で遊びたいという場合には非公式ながら有志による日本語化ファイルが用意されている
ので適用しよう。
ただ、操作やUIは直感的に遊べるよう工夫されているので、慣れれば英語でも楽しめるはず。まあその英語も開発者たち自身（5人の少数精鋭）で翻訳しているせいかちょくちょく間違いがあるので、中国語が読めるならそれがベストかも。
アーリーアクセスではあるが、顕著なバグはなく、非常に安定して動作する。地上での建設から星間飛行まではシームレスに移行するため、ゲーム内でロード待ちすることはほぼない。3Dで舞台が広い割には動作も軽いとの評判。
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関連項目
- 7
- 0pt
- ページ番号: 5614198
- リビジョン番号: 2916864
- 編集内容についての説明/コメント:
除去されていた関連動画2点を復帰。特定ジャンルに偏りすぎるのを避け、早くからの動画を尊重しての選出だったことをご理解ください。
