アーティファクトとは、マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)のカードタイプである。
ストーリー上の設定としても存在する。
概要
Nevinyrral's Disk / ネビニラルの円盤 (4)
ネビニラルの円盤はタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):すべてのアーティファクトとすべてのクリーチャーとすべてのエンチャントを破壊する。
魔法機械などとも翻訳され、主に魔力で駆動する機械仕掛けの品物が該当するが、魔力のこもっただけの品物や完全に物理動力で動いているもの、稀にだが薬品なども該当する。
クリーチャーや土地とは異なりアーティファクトであるということそれ自体にはルール上の特別な意味はないが多くのカードに参照される、共通して原則としてコストに色マナを必要としないという特徴があり、どんなデッキにも入れることができる。
逆に、入れる基本地形の色が霞むほどにアーティファクトの比率が高いデッキを作る場合、便宜上「茶」と呼ぶ人もいる。これは、初期はアーティファクトのカードは枠が茶色だったことに由来している(現在は銀灰色だが、銀と呼ぶ人は少ない)。
他のカードタイプと複合するということがよくあるカードタイプで、アーティファクトとして製造されたクリーチャーであるアーティファクト・クリーチャーは黎明期から今日に至るまで普遍的な存在である。
ブロックによっては独自の設定としてアーティファクト・土地(巨大な人工建造物)や、アーティファクト・エンチャント(神々の被造物)などもある。
ちなみにストーリー上は「アーティファクト・プレインズウォーカー」が存在するが、アドバンテージの塊であるプレインズウォーカーが簡単に再利用できるなんてブッ壊れすぎるため、この複合タイプは存在しない。 ストーリー上では、プレインズウォーカーという性質が強すぎて他の性質をかき消してしまうとされている。
どのようなものがあるかは舞台になる次元の文明に依存しセットによって収録枚数が大きく変わるのも特徴で、ウルザ・ブロック、ミラディン・ブロック、ミラディンの傷跡ブロック、カラデシュ・ブロックなどでテーマの一つとなっている。そして、なぜかテーマになる度にトンデモないアーティファクトが生まれて禁止カードにされるというのが半ば恒例行事となっている。
ぶっ壊すのが最も得意なのが赤で、次いで自然に帰化させる緑、解呪する白と続く、青はモノの破壊自体が苦手だが奪取やバウンスで何とか可能、最も対処が苦手なのは黒で恐怖も腐敗も効かないという性質上原則どうにもできない。
利用という点では人工の色である青が最も得意としており、白は装備品の世話になったり修理したりでき、赤はコストとして利用でき、ファイレクシア文明を要する黒も良く使用する、人工物故に緑とはあまり相性は良くない。
アーティファクトの役割
役割としては、大まかに分けて4つの性質と、3つの役割がある
A.他の5色の役割と近い効果を持つもの
B.マナ基盤の安定化
C.アーティファクトを参照するカードの利用
に分類される(筆者の主観であり、加筆、訂正求む)。役割は被ることもあり、「ダメージを与える使い捨てのアーティファクト」なら1とAだし、色事故防止のためにアーティファクト・クリーチャーを使用するなら4とBとなる。
アーティファクトの性質
1.使い捨てのもの
予め出しておくことで起動型能力を持ち予め出しておくことで任意に起動できるもの、誘発型能力を持ち条件が揃うと能力が誘発して「爆発」する時限爆弾のようなタイプのもの、自身にカウンターを置くような起動型あるいは誘発型の能力を持ち生贄に捧げるとそのカウンターの数に応じて何かをするものなどがある。
効果のほどは様々で、1マナ前後の軽いものなら軽いダメージを与えたりカードを1枚引いたり・・・といったほんのちょっとした効果だが、重量級のものでは相手のターンをまるごとコントロールする、盤面にあるものほぼ全てを消し飛ばしてしまうなどもある。
アーティファクトはクリーチャーに次いで容易に再利用できるため、これらを使い回してアドバンテージを稼ぐことができる。
2.何度も使えるもの
起動型能力、誘発型能力、常在型能力の全てが存在するが、エンチャントはタップ能力を持たない傾向があるため、タップを含む起動型能力を持つものは大体がアーティファクトとなっている。
特にマナを出す能力はマナ・アーティファクトと呼ばれる
誘発型や常在型は起動型能力と関係あるものや相性が良いものが付与されている場合も多いが、ただ単に無色したい場合や「アーティファクト扱いにする」ことを目的にアーティファクトになっている場合もある。
1のような能力を併せ持つ場合もある。
イメージとしては、何回か使うと壊れる、いらなくなったらいつでも自爆できる、能力を使っていって条件を満たすと最終奥義が発動可能になるなど、その関係性は様々。
3.装備品
場に出した後、装備コストを支払ってクリーチャーに装備して強化することができる。
似たようなシステムにエンチャント-オーラというものがある。いわゆる装備魔法。クリーチャーが死ねばオーラも一緒に破壊される。なんというディスアドバンテージ。
それに対し装備品は、装備しているクリーチャーが死亡しても場に残る。何なら捨て駒を強化して特攻させてもいい。
4.アーティファクト・クリーチャー
どの色のデッキにも入るというメリットの分、他のクリーチャーよりサイズが一回り小さかったり、色の役割と被る能力は弱くされたりする。
また、クリーチャー除去とアーティファクト除去の両方の対象になってしまう。つまり、非常に壊れやすい。アーティファクトクリーチャー独自の能力と言うことで言うと、自前の能力で一時的にクリーチャー化し、用が済むとアーティファクト(だけ)に戻るというタイプのものがある。
ただし、アーティファクトであることを参照できるため、アーティファクトを支援できるカードやアーティファクトを参照して何かするカードがあるならばこちらを優先すべき場合もある。
また、10マナを超えるような超巨大クリーチャーの場合は緑のクリーチャーにも負けない凄まじい性能のものもおり、フィニッシャーに据えられることもある。
リミテッド(ブースターパックを開封し、その場でデッキを作って戦うフォーマット)となると話は別。デッキが2色以上になりやすく、2色以上のマナ供給源も貴重なため、デッキの安定に一役買ってくれる。
アーティファクトの役割
1.他の5色の役割と近い効果を発揮する
アーティファクトは原則として無色であるため、どんな色のデッキでも使用できる。
どの色のデッキにも入るというメリットの分、コストが重いか、効果が小さいか、敵味方関係なしに効果を発揮するなど癖があるものが多い。
「多色化はしたくないけど、この色が持ってるような能力が欲しい」ときに使われる。自分にのみ効果を発揮するもののうち、強力なものは大抵使用時にタップする必要がある≒自ターンが回ってくる度に1回の使用制限がつく。
逆にどの色の役割でもないものも存在する。例えば、先述した装備品や、下記のマナ基盤の安定化はアーティファクトに振られている役割であると言える。
2.マナ基盤の安定化
上記のようにどの色のデッキでも入れられることから、マナ基盤を安定化させる役割はアーティファクトが担っている。
マナを出すこと自体は本来は土地の役割だが、それとは別に存在することで安定化に一役買っている。
出るマナの色以外全く同じ能力を持った5色(あるいは2色10組)のサイクルとして作られることも多いが、大体の場合マナ能力に乏しいが青が重宝され、マナを量産できる緑は使われない傾向にある。
- マナの色を変換する
1~2マナ→好きな色1マナに変換する。マナ・フィルターと呼ばれる。3色以上のデッキに入れておくといい働きをする。リミテッドでも使える。 - 有色マナを1つ生み出す
2~3マナで戦場に出すことができる。下記のものと合わせてマナ・アーティファクトと呼ばれる。タップのみで2~3色のマナいずれか1点を生み出す。マナ加速だけでなく、土地破壊対策にも使われる。
「1マナ→決まった2色のマナを1点ずつ」という、マナ・フィルターに似た性質のものもある。 - 無色マナを複数生み出す
マナ・アーティファクトの本領。再度使用するのに制限がついているものもあるが、非道いものになると1マナで戦場に出て2~3マナ生み出せるとかザラ。で、そのマナから追加のマナ・アーティファクトが出てきたりもする。
禁止カードの代表みたいなものであり、このカテゴリのマナ・アーティファクトは今後作られないと信じたい。
3.アーティファクトを参照するカードの利用
カード自体が持つ役割ではないのだが「アーティファクトであること」を参照するカードは数多くあり、コストとして生贄にする、墓地から再利用する、アンタップする、アーティファクトが多いほど効果が強くなるなど極めて多様なものが存在する。
さらに、アーティファクトはどんな色のデッキでも使用でき、クリーチャー兼任のものや、エンチャントっぽいもの、呪文のように使えるものなど幅広く存在するので、アーティファクトを参照するカードを利用することを目的としてアーティファクトを採用することが考えられる。
その最たる例が、アーティファクト・土地というもので、「アーティファクトである」こと以外は基本地形と同能力を持った土地でしかないというカードだった。
しかし、その「アーティファクトである」ということだけで多大な利用価値が生じてしまった結果、当時のスタンダードではほぼ即座に禁止され、モダンでは《ダークスティールの城塞》を除くアーティファクト・土地は全種禁止にされている。
アーティファクトと愉快な仲間たち
おまえらいいかげんにしろ
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関連項目
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