キストゥヘヴン(Kiss to Heaven)とは、2003年生まれの日本の元競走馬である。現在は繁殖牝馬。
主な勝ち鞍
2006年:桜花賞(GI)、フラワーカップ(GIII)
2008年:京成杯オータムハンデキャップ(GIII)
2009年:中山牝馬ステークス(GIII)
概要
父アドマイヤベガ、母ロングバージン、母父*ノーザンテーストという血統。父は99年のダービー馬で大種牡馬サンデーサイレンスと二冠牝馬ベガを両親に持つ良血。母は3戦1勝で、姉にエリザベス女王杯を制したロンググレイスがいる。母父は80年代にリーディングサイアーの地位を独占した大種牡馬。
2003年4月25日、門別町の正和山本牧場で誕生。2004年の北海道オータムセールにて社台コーポレーションに購入された。名義上の馬主は父母ベガと同じく吉田和子(社台ファーム創業者・吉田善哉の妻)。
馬名の由来は「天国へキスが届くように」。本馬が2歳になる直前、2004年の10月に父アドマイヤベガが8歳の若さで夭逝、そのわずか2ヶ月後には母父ノーザンテーストが33歳で死亡しており、この2頭へ捧げる意味を込めてこの名がつけられた。
デビューは2歳12月で2着。その後さらに1ヶ月おきに未勝利戦で2着が2度続き、ようやく初勝利を挙げたのは3歳3月。しかし中1週の強行軍でGIIIフラワーカップに出走し、断然人気のフサイチパンドラを差しきって勝利。一気に重賞ウィナーに成り上がり、桜花賞へ駒を進める。
この年の主役はチューリップ賞の勝ち馬アドマイヤキッス。フサイチパンドラと2歳女王テイエムプリキュアが前哨戦で共に敗れたため入れ替わりで本命に浮上した格好だった。本馬は単勝13倍の6番人気である。
レースは中団から一時後方3番手まで下がる競馬。3コーナーで馬群が固まったタイミングでも壁が崩れず、大外を回って直線に入る。ここでようやく安藤勝己が追い出しにかかると猛烈に加速、逃げ粘るアサヒライジングを内のコイウタ、真ん中のアドマイヤキッスとほぼ同時に追い抜き、末脚勝負でも勢いそのままに突き抜け3/4馬身差の勝利。3連勝でGI馬の仲間入りを果たし、名前の通り天国の父と母父へGI勝利を届けた。
しかしキストゥヘヴンはこの後ぱったりと勝てなくなってしまう。牝馬三冠戦線でも、マイルに戻っても、OP特別でも勝てないどころか複勝圏内にすら入れない苦しい競馬が続き、結局見せ場がないまま4歳シーズンまでを終えてしまう。
そうこうしているうちに5歳となりそろそろ引退がちらつき始めた中、京都牝馬Sで3着と久々の好走。続く中山牝馬S3着、阪神牝馬Sは4着にまとめる。ヴィクトリアマイルは出走順位の関係で出走できず、スライドした京王杯SCは牡馬相手に2着として復調気配をうかがわせたが、安田記念はウオッカの添え物にもならず7着と惨敗。秋は京成杯オータムHで2年半ぶりの勝利を挙げるがその後は結果を残せず5歳シーズンを終える。
6歳初戦の東京新聞杯は10着に惨敗。次戦での引退が決定し、ラストランの中山牝馬Sはトップハンデも嫌われ4番人気となる。この日の鞍上横山典弘は、差しで戦ってきた本馬を8番枠から促して前に行かせ、2コーナーで内に入れてインの6番手で追走という戦法を選択。さらに3,4コーナーも最内を回ってぬるりと2番手に押し上げると、最後の直線で逃げ粘るGI馬ピンクカメオを必死に追い詰める。そして残り50mあまりで、内にわずかに空いたスペースから押し込むように差し切って勝利。桜花賞から約3年、「卒業式(by塩原恒夫)」を見事に飾った。ちなみに2着ピンクカメオが15番人気、3着ダンスオールナイトが11番人気だったことで3連単は1,394,370円と荒れに荒れた。
この勝利を手土産に予定通り引退。繁殖牝馬としてはしばらく活躍馬に恵まれなかったが、8頭目の産駒タイムトゥヘヴンが2022年のダービー卿CTを制し産駒初の重賞勝利を挙げている。
血統表
アドマイヤベガ 1996 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ベガ 1990 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
*アンティックヴァリュー | Northern Dancer | ||
Moonscape | |||
ロングバージン 1987 栗毛 FNo.2-r |
*ノーザンテースト 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
スイーブ 1968 栗毛 |
*テューダーペリオッド | Owen Tudor | |
Cornice | |||
ゴールデンドラゴン | ヒンドスタン | ||
第五カナデアンガール | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×3(18.75%)、Lady Angela 5×4(9.38%)、Almahmoud 5×5(6.25%)、Hyperion 5×5(6.25%)
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関連項目
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