『ザ・ブルークリスタルロッド』とは、1994年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)より発売されたスーパーファミコン用のアドベンチャーゲームである。
略称は「ブルクリ」もしくは「ギルガメスの道」の頭文字を取った「DOG」。
概要
『ドルアーガの塔』から始まった「バビロニアンキャッスルサーガ」の四作目にして、正伝の完結編となる作品。バビロニアンキャッスルサーガとしての正式なタイトルは『ギルガメスの道(the Destiny of Gilgamesh)』なのだが、「商品名としてはわかりにくい」という指摘があったためタイトル変更となった。
ストーリーは前々作の『イシターの復活』からの続きで、ドルアーガの塔から脱出したギルとカイのその後を追っていく形となる。
システム的にはテキストアドベンチャー形式となっており、ある程度ストーリーが進行するまでは自由に好きな場所へ行くことができる。特に何処其処へ行けといった指示も出ない。ゲームの進め方(イベントをこなす順番と取った行動等)によって展開が大きく変わっていき、どのような進め方をしても必ずエンディングへたどり着くようになっている。なお、「イシターの質問によってストーリーが左右される」というのは都市伝説であり、実際は「どのポイントをどの順番で巡るか?」が分岐の鍵である。ただし、「イシターの問いに対する答え方次第で貰える助言が変わる」というのは事実であり、そして必ずしも助言に従う必要はない。
そして本作の最たる特徴である、全48通りものマルチエンディング。
「ブルークリスタルロッドを返還した後、ギルがカイと結婚しバビリム王国を再興する」という王道展開エンディングにしても、
- ギルが王位に就き善政を敷く。ドルアーガとも和解し、神と悪魔、共存の道を探っていく
- ギルは王位にこそ就くが、バビリムは共和制に移行して統治はしない
- 天界の神々と決別し(喧嘩別れではなく「親離れ」的な意味で)、その後覇道を往く
等結末が微妙に異なっている物が存在する。
他にも「商人になってバビリムに富をもたらす」「軍神に迎えられる」「ギルが悪の力に支配され、地上に混乱をもたらす」といった物も用意されていて本当に多種多様。興味がある人は調べてみるなり実際にプレイしてみたりするといいだろう。ただし、エンディングまでのプレイ時間こそ30分~1時間程度と短いが、全てのエンディングを見ようとすると中々に大変である。
バビロニアンキャッスルサーガの生みの親である遠藤雅伸によると、「ハッピーエンドやバッドエンドというものは特に決めておらず、どのエンディングも等価値として扱っている」とのことである(「どれが真のエンディングかはそれぞれのプレイヤーに委ねている」という発言も)。
登場人物
- 黄金の騎士ギルガメス(ギル)
廃墟の塔から帰還したバビリムの王子。彼がここからどのような運命を辿っていくのかは、神もプレイヤーも知らない。 - イシターの巫女カイ
ギルに救出され塔から帰還したギルのフィアンセ。
よほどの事が無い限りはギルに同行して献身的に支える。 - ギルガメスの友人サルゴン
王や百官亡きあとのバビリムを一時的に預かっている人物。
ギルにまつわる民衆の噂を教えてくれる。進行によっては神との約束を証明する人質にされることもある。 - スーマール帝国皇帝バララント
南の海の彼方にあり、かつてバビリムを攻めた軍事大国の皇帝。
ゲーム開始時既に死んでいることも多く、影が薄い。 - 神々の王アヌ
天界の神々の中でも最高神にある神の中の神。資格なき者は近づくことも出来ない。でも独善的なところがあるせいかあまり他の神から敬われていない。
スーマールがバビリムに侵攻した件で人間を一度見限っており、ギルに自力でロッドを持って来させることで、人間に加護を与える価値があるか否かを試していた面がある(そもそも、ロッドを取り返すだけなら他の神に命じればいい話である)。 - 愛と戦いの女神イシター
時折人間界に降りてはギルと問答をし、彼を導く。
神への信仰を捨てない限りはどんな時でもギルの味方。 - 嵐の神ラマン
神の一人であり、北の果てにある「嵐の山」に神殿を持つ。力ある者にさらなる力を約束する。たまに人間を見下す。 - 正義と炎の神ガールー
神々のいさかいを避け、東の果てにある「炎のガケ」に空中庭園を築いて住んでいる神。
正しい道を行う者に助力し、道に迷った者に正義を勧める。人間の弟子を取ることもあるという。 - 悪魔ドルアーガ
『ドルアーガの塔』で倒された悪魔。現在は黄泉の国に滞在しており、けっこう立派な邸を構えている。
時に殺意を持って現れ、時にナーガルを説得するなどギルに協力したり、時に黄泉の神がわりを務めたりする。ナーガル以上に役割が変わりやすい奴。 - 夢魔サキュバス
「嵐の山」の先にある洞窟に住まう悪魔。元は「サッカバス」の名でギルの敵だったが、PCエンジン版の設定を取り入れているため今回は味方。ギルと敵対することは基本的にないのだが、悪魔呼ばわりされて殺されることも。
サルゴン曰く「ファンが多い」らしい。 - 黄泉の神ナーガル
西の砂漠のいずこかに出入り口があるという「黄泉の国」を治める神。その心は天界や地上の神々と一線を画している。
天界の神を裏切るよう唆す場合もあり、人を生き返らせようという者に試練を課すこともある。その役割は物語によって変わってくる。 - 悪魔アンシャー
バビリムを攻めるようバララントを唆し、またドルアーガを倒すようギルを焚きつけた悪魔。
ドルアーガを排除して自分が最強の悪魔たらんとしていた。
大それた野望の持ち主のくせに、不意打ちでもしないとあっさりやられたり命乞いしたりするヘタレ。不意打ちの成功率自体はやけに高いが。
行ける場所
- マハールの家
バビリムの街西の一角にある恵比須顔のインディア人が住む家。全5問のクイズに答えるとギルの能力をどれか一つ上げてくれる。ただし、問題はBCSシリーズの知識にとどまらず、インストカードの内容やメソポタミア系神話の内容、さらにゲームスタジオスタッフの内輪話にまで及ぶ。
なおギルの能力は、場合によってはストーリーポイントへ行くために調整が必要になるものの、それ以外にあまり影響はない。 - 占いの館
天界で修行を積んだと噂される女占い師ハーサグの家。どこに行けば道が開けるかを占いによってプレイヤーに教えてくれる。ただし女神イシターの問いにどう答えたかによってアドバイスは変化し、またギルの能力が示された場所に行ける能力かどうかは無視される。そのため「行け」と言われた場所に行っても何もないことも稀にある。 - ジグラット
バビリムの街にある謎の建物。質問に答えていくと「この能力はお前には不要だ」として能力を下げられてしまう。しかし、能力が下がることで逆に道が開ける場合もあるため何とも厄介である。 - エルブルズの岩穴
町外れにある迷宮。どこかに落ちている鍵を見つけて8つある扉のどれかひとつを開けると、部屋の名前に対応した能力を上昇させてもらえる。しかしモンスターが出る場合があり、倒すか逃げるか説得してどいてもらうかを選ばなければならない。負けたら入り口からやり直し。
なおモンスターとギルの能力によって成功しやすい対応は異なるが、とりあえずランドアーチンが出たらオシマイ。
また脇にある「マスターの岩穴」にいるダンジョンマスターと戦うと「お前には○○が足りない」と言われるが、能力が最大ではないという意味であり「ゲームを進めるために能力が足りない」という意味ではない。
同名の迷宮がオンライン版ドルアーガにも登場した。 - ドルアーガの塔
今や廃墟となっている、かつてドルアーガが占拠した巨塔。中には何匹かのモンスターが残っており、彼らへの対応によって能力が上下する。ただし望むストーリーに必要な能力が調整できるとは限らない点に注意。 一番奥にいるクオックスに出会うと外に出られるが、ゲーム中一度しか入れない。
BGMは『イシターの復活』のものが使われている。
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関連項目
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