リベラル(英:liberal)とは、
- 英語で「自由な」「気前のよい」という意味を持つ言葉。
- 自由主義。リベラリズム
- 2.のうち、古典的自由主義を除いた社会自由主義。
- 3.を主体とした中道左派勢力の総称。
- 4.のうち、左翼とよばれたくない人たちの自称。
概要
各人の政治的な見方を2次元平面上にマッピングするポリティカル・コンパス上で「保守」や「権威主義(Authoritarian)」に対抗する軸であり、日本語では「革新」とも訳される。「左」や「右」と混同されることも多いが、別の概念である(ポリティカル・コンパス上では保守←→リベラルは上下に分類される)。伝統を重視し、集団主義をモットーとする保守に対し、現状の変革を求め、個人主義を求める運動である。
もともとリベラリズムは、放任主義を主体とした古典的自由主義などを含んだ言葉であり、資本主義の母体ともなっていた。しかし現在では、放任主義による貧富の差の拡大、環境問題などの社会問題が個人を害する場合があるため、現在のリベラリズムは政府や自治体などが積極的に介入して解決に努める「社会自由主義」も含んでいる。
一方で、社会問題を個人の意思によって解決し、政府などの介入を行わない思想として、リバタリアニズム(リベラル右派、新自由主義)という言葉も生まれた。
政府が貧富の差などを解決するという意味では社会主義的な要素もあるが、あくまでも経済活動は資本主義で行い、計画経済や共産主義を導入しない点で、急進的な左翼とは異なる思想である。こうした思想を一般的な左派と区別するため、アメリカでは中道左派(穏健左派)という言葉が作られた。
20世紀後半に入って、日本や西ヨーロッパを中心として、国家による福祉や社会保障の充実、富の再分配を中心とした社会自由国家へと変貌していった。
しかし、景気が悪化することで国家の財政も悪化し、多額の負債を抱えつつも市場経済自体の停滞を促進させる悪循環に陥るようになった。
近年では、新自由主義の持つ積極的な自由化を一部取り入れることで、景気の停滞を打開する動きもあり、経済の自由と社会保障という相反する要因をどうバランスよく保つかが課題となっている。
日本におけるリベラル
日本では長らく与党であった自民党が保守主義政党であったため、対抗勢力であった左派系の社会党や共産党系の政党の中に、リベラルな議員が多かった。そのため、かつてリベラル思想を持つ人々は左派と混同されることが多く、主張も類似していた。しかし、社会における問題が複雑化する現在、このような単純な見方は適切ではなく、リベラルな右派、保守的な左派に分類される主張も存在する。また、各人が政治、経済において別々の思想をもつ場合もある。例えば、安倍政権の政策は、政治上は保守・右翼に分類されるが、経済政策(アベノミクス)においてはリベラルの影響が強い。
権威主義に対抗する点から、特にマイノリティに目を配る場合が多い。各種労働組合における労働者保護、在日外国人、被差別部落、少数民族との関わりも積極的であり、デモへの参加率も高い。
日本の政党においては「中道」を掲げるところもあるが、実際にはリベラルや保守に傾いた党も多い。保守と古典的自由主義を掲げる自由民主党においても、積極的な福祉政策など社会自由主義を推し進める例が出てきている。
日本のマスメディアにおいても、戦前のプロパガンダ報道を反省し、いわゆるリベラルの思想、主張を持つメディアが多い。また、長らく与党であった保守政党の自民党の政策を批判する上で、リベラルな立ち位置を取ることも多い。
リベラルを掲げる/掲げていた政党
日本
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関連項目
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