家畜人ヤプーとは、故・沼正三のSF小説である。その世界設定は、今なお多くの人々に衝撃を与えている。
概要
SM雑誌「奇譚クラブ」に1956年より連載された小説。三島由紀夫がこの作品を掘り出し、多くの知人に広めたことにより名を知られることとなる。澁澤龍彦や寺山修司など多くの文学人より支持を得た。
連載は諸事情により打ち切りとなったため、単行本化されるにあたって多くの加筆・修正が行われている。多くの出版社から単行本が出ているが、出版社が変わるたびに加筆・修正が行われているため、各出版社によって内容に差異が見られる。
単行本は一番最初に都市出版社から出版された。その際、右翼が内容に対して「天皇陛下を貶めている」「白人が天照大神などふざけている」として出版社に押し入り出版妨害をし逮捕者を出している。
小説
- 都市出版社版・1970年発行 全28章(都市出版社では愛蔵版・再版版・復刻版・決定版と出ている。全同一内容)
- 角川文庫版・1972年発行 全28章(都市出版社版に加筆・修正)
- 角川限定愛蔵版・1984年発行 全31章(「続家畜人ヤプー」として加筆)
- ミリオン出版版・1991年発行 第29章~第49章(完結編として発行)
- 太田出版社版・1992年発行 全49章(最終版)
- 幻冬舎アウトロー文庫版・1999年発行(上記太田出版社版と同一。全5巻だが、各巻に今までの出版社の解説が載っている)
漫画
あらすじ(ネタバレ含)
日本人青年留学生瀬部麟一郎とドイツ人女性クララ・フォン・コトヴィッツのカップルは、ドイツの山中で未来帝国EHSからきたUFOの墜落事故に遭遇。麟一郎とクララは中に乗っていたポーリーンを救出した。それがきっかけでクララと麟一郎は、未来世界「EHS(イース)」へと招かれる。
1978年に第3次世界大戦により地球は滅びかけたが、地球外に避難したイギリス人によって外宇宙に国家が作られた。それが徹底した人種差別による発展を遂げた国家「EHS(=The Empire of Hundred Suns)」だった。
白人を「神(=人間)」とし、黒人を「半人間」とし隷属扱い、日本人黄色人種を家畜「ヤプー」として白人崇拝として洗脳し、「知性ある生きている道具」として使われていた。ヤプーは肉便器や肉バイブ、食用畜などとして生活のあらゆる場所に入り込んでいた。また徹底した女性主権国家であり、男性はすべて女性に隷属していた。
未来世界到達後、クララと麟一郎はEHSにて別々にされてしまう。麟一郎は日本人であったがために、大幅なヤプーとしての肉体処置をされてしまう。クララは記憶喪失の貴族として扱われ、ウィリアムという未来世界の白人男性に恋心を抱く。天上世界で生活していく中でクララが少しずつEHSとしての感覚を身に付けていき、その一方で麟一郎も、ヤプーとして生まれ変わっていく。
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現状、表題に当て嵌まる内容の動画はニコニコ動画上には存在せず。
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関連項目
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