たまには自分の概要を見てほしい
詳しいことはWikipediaを参照のこと。
1997年デビュー。武豊の弟ということもあり当時から注目を浴びていた。本人曰く「デビュー後初めて交流競走に乗った高知で落馬したらスポーツ紙の1面になった」ほど。
その期待に違わず、デビューからわずか2日目にオースミタイクーン(当時11番人気)でGⅡマイラーズカップを勝利。デビュー後2日目での重賞勝利は今なお破られていないJRA最速記録である(というか、初勝利がそのマイラーズカップという、普通は「ねーよ」とツッコミを入れたくなる珍記録だったりもする。デビュー週の騎手に重賞を任せるとか想像できないと筆者は思う)。
この年は37勝を挙げ新人賞を獲得。2000年にティコティコタックで初GⅠ勝利となる秋華賞を制した。この時は目に結膜炎を起こしていて、医師から騎乗を控えたほうが良いと言われていたが、「チャンスなんです」と判断を押し切っての勝利だった。その後もちょくちょくGⅠを勝ったりしていた。2ch屈指のネタ馬として名高いウインガーことウインクリューガーにGⅠを取らせたのも幸四郎である。
挫折
その後もコンスタントに勝ち星を挙げ、順風満帆な騎手生活を送っていたのだが、2007年にケガもあって調子を落とすと、自身の成績の悪化や若手の台頭もあり騎乗機会が激減。一時期はGⅠの騎乗依頼もなく、2011年には自己最悪の7勝に終わるという惨憺たる状況に陥る。
プライベートでも、2006年に3年間交際した高島彩と破局。最後は約束の待ち合わせ場所に高島が来ず、幸四郎は泣き崩れたという。「僕はお台場に行きそびれました」
2011年には飲食店で居合わせた客に殴られ顔を骨折、4か月近く騎乗を見送る事態にもなった。
本業も私生活もうまくいかず、本人すら『騎手辞めようかと思った』というほどの長いトンネルに入っていた。
出会い
そんな中、幸四郎に騎乗依頼をし続ける一人のオーナーがいた。「メイショウ」の冠名で知られる松本好雄である。
松本は幸四郎の父で元騎手・調教師の武邦彦と縁があり、幸四郎が子供の頃から親交があった。松本曰く「自分の息子みたいに感じる」というほどである。幸四郎の初騎乗も松本の所有馬だった。
また、彼の座右の銘「人がいて、馬がいて、また人がいる」の通り、人との縁を大切にし、安易な乗り替わりや外国人起用には疑問を呈しており、基本的に騎手の起用には口を挟まないが、あっさり替えることもしないスタンスを貫いていた。サムソンの話はしないでやってくれ。それゆえ、長い付き合いである幸四郎を降ろそうとはしなかったのである。
そんな松本が幸四郎に任せた一頭の牝馬がいた。メイショウマンボである。
引退した飯田祐史から引き継ぐ形で3戦目から手綱を取ったこの馬との出会いが、幸四郎の転機となる。
松本曰く「パッと見では強そうに見えない」馬体で血統も微妙ながらこれが強い馬で、OP2着のあと自己条件で快勝。フィリーズレビューは幸四郎が騎乗停止のため川田将雅が代打騎乗し圧勝する。
周囲には若手有望株である川田の続投を勧める声もあったが、再び鞍上を幸四郎に戻し桜花賞へ参戦。四番人気に推されるも10着と大敗してしまう。
その夜、幸四郎は松本に電話をかけた。「オークスに登録してほしい。僕を乗せてもらえませんか?」と。マンボはオークスの出走登録をしておらず、出走には追加登録料200万円が必要。しかもトライアルで勝った馬を大敗させた直後である。それでも松本はこう答えた。
「わかった。次もよろしく頼む」
周囲からは桜花賞の前以上に騎手の交代を勧められたというが、松本にその意思は全くなく、幸四郎を鞍上にオークスを迎える。オークスでは評価を落として9番人気。兄の武豊曰く『なんでこんなに人気がなかったのか不思議』だったという。
豊が思った通り、メイショウマンボは中団から抜け出すとそのまま突き抜け完勝。幸四郎にとっては7年ぶり、松本にとっても6年ぶりのGⅠ制覇であった。レース後、幸四郎と松本は共に涙を流した。幸四郎は自分を使い続けてくれた松本に恩を返し、ついにトンネルを抜け出したのである。
その後、メイショウマンボと幸四郎は秋華賞、エリザベス女王杯にも勝利。幸四郎の騎乗機会は一気に倍以上に回復し、一躍復活を果たした。
その幸四郎は身長177㎝と、騎手の中では圧倒的な長身(兄の豊も170㎝と騎手としては長身である)。そのために減量に苦労し、骨年齢はすでに70代なのだという。メディアではどこか間の抜けたところを見せるが、彼は彼でかなりの苦労人なのである。
翌年以降はメイショウマンボの不調もあって再び成績を落とし、2016年の調教師試験に合格。2017年を最後に鞭を置くことになった。
免許の取得はしていたもののすぐに開業せず1年間、技術調教師として活動したあとの2018年に開業した。(同時に再従兄弟の武英智も元騎手、調教師として開業している)
3月3日の阪神競馬場の第1レースにグアンで出走、兄の武豊が鞍上し勝利を飾った。
2019年にはハッピーアワーでファルコンステークスを勝ち調教師で重賞制覇もしている。
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