冠名(かんむりめい・かんめい)とは、馬主が自身の所有する競走馬に含める、特定の言葉。「冠号」とも言う。
競馬を見ていて「メイショウ~」という同じようなフレーズの名前を持つ馬が複数出走しているシーンもあるが、そのフレーズを含む馬は込み入った事情が無ければ大体馬主が一緒である。
概要
一般的に、馬主が冠名を使用する理由として、
といった目的がある。
日本中央競馬会(JRA)では競走馬に広告宣伝を目的にした名前を付けてはいけない事になっているが、冠名に自分の所有する企業の名前を付けたりする事は黙認されている。その一方で冠名の付いている馬は競走馬や種牡馬として顕著な成績を残してもレース名として使用される事は基本的に無い。
例外としては顕彰馬選出や過去の名馬・名レースを振り返る目的で競走名が変更され、「〇〇メモリアル」といった形で冠名の有無問わず使用される事がある。
地方競馬は事業者にもよるが割とおおらかで、冠名の付いている馬が普通にレース名に用いられている。例えば笠松競馬の「オグリキャップ記念」や岩手競馬の「トウケイニセイ記念」、大井競馬の「フジノウェーブ記念」など。
冠名の使用は馬主の自由であり、登録制では無いためJRA等の競馬主催者に届け出るといった事は無い。また独占権も無いので冠名を単なる名前の一部として、他の馬主が使用することもある。無関係の複数の馬主が同一の冠名を使用することもある。
例としてセイウンワンダーは馬主は「セイウン」の人でも、「ワンダー」の人でも無い。本馬は「父グラスワンダーと母セイウンクノイチの名前の一部」から名前がとられている。
全く無関係の馬主が「メイショウアグネス」とか「シルクロードシチー」とか書いて申請書を提出しても問題は無い。ちゃんとした理由があって競馬事業者が認めるかが問題。
勿論個数制限も無いので一人で複数の冠名を使う事もあるし、必ずしも名前の先頭に付ける必要も無い。
トウショウ牧場は牡馬なら先頭、牝馬なら末尾に「トウショウ」をつけるというように使い分けていたし、ニシノやセイウンで知られる西山正行は冠名を5つ以上使っていた。
無関係の複数の馬主が同一の冠名を使用した例もいくつかある。たとえば、
・カミノ:野上政次氏(カミノクレッセ等)と保手浜弘規氏(イナリワンの馬主。カミノスミレ等)
・ビコー:大迫忍氏(「ゼンノ」冠の人。ダイヤモンドビコー等)と(有)レジェンド(ビコーペガサス等)
・キョウエイ:松岡正雄氏(キョウエイマーチ等)と田中晴夫氏(キョウエイギア等)
などなど。「ユキノ」のように冠名として用いた馬主が何人もいるようなものもある。
競走馬を数十頭所有するような大馬主や名物馬主の陣営に対して、冠名を用いて「〇〇軍団」と呼称される事がある。例えばビッグレッドファームの創設者である岡田繁幸は、同じく創設したサラブレッドクラブ・ラフィアンの冠名「マイネル」になぞらえてマイネル軍団の総帥と呼ばれる事も。
ちなみに冠名は日本独自のものでは無く、海外でも少なからず使用されている。日本において海外の冠名として最も有名なのはフェアリーキングプローンの「キングプローン」であり、馬主が海老が好きな事に由来する。
冠名の由来
大きく分けると以下のパターンがある。
1. 人名や地名
- アグネス:アグネスワールド、アグネスデジタル、アグネスタキオン、アグネスフライト
- 馬主の娘がファンであった「アグネス・チャン」が由来。
- アサクサ:アサクサデンエン、アサクサキングス、アサクサゲンキ
- 馬主の経営する会社の所在地、東京都浅草より。
- イシノ:イシノヒカル、イシノサンデー
- 馬主の姓「石嶋」より。
- オグリ:オグリキャップ、オグリローマン
- 馬主である小栗孝一氏の姓より。
- オサイチ:オサイチジョージ
- 馬主である野出長一氏の名前より。
- カネトシ:カネトシガバナー
- 馬主の名前「兼松利男」より。
- カノヤ:カノヤザクラ
- 馬主の地元である鹿児島県鹿屋市より。
- カフジ:カフジテイク、カフジオクタゴン
- 馬主の加藤守氏の苗字「加藤」の読み換え。
- カレン:カレンチャン、カレンブラックヒル、カレンミロティック、カレンブーケドール
- 馬主の娘の名前より。
- キタサン:キタサンブラック、キタサンヒボタン、キタサンミカヅキ
- 馬主の大野商事[1]の代表[2]の父の芸名「北島三郎」の姓名より。
- クリ:クリフジ、クリノハナ、クリヒデ
- 馬主の苗字の「栗林」から。息子はライスシャワーの馬主。
- クリノ:クリノガウディー、クリノスターオー
- 馬主の苗字の「栗本」から。
- ケイティ:ケイティタイガー、ケイティブレイブ
- 馬主のイニシャル「Kazuyoshi Takimoto」より。
- コパノ:コパノリッキー、コパノキッキング、コパノリチャード
- 馬主である小林祥晃氏の芸名「Dr.コパ」より。
- サウス:サウスヴィグラス
- 馬主である南波壽氏の「南」から。
- サダム:サダムパテック
- 馬主である大西定氏の「定」から。
- サトノ:サトノダイヤモンド、サトノクラウン、サトノアラジン、サトノアレス
- 馬主である里見治氏の姓より。
- シゲル:シゲルスダチ、シゲルホームラン、シゲルピンクダイヤ、シゲルピンクルビー
- 馬主である森中蕃(しげる)氏の名前より。
- ジャスティン:ジャスティンパレス、ジャスティンミラノ
- 馬主のアメリカでのニックネームより。牝馬には「エリカ」冠を使用しており、こちらも人名由来とのこと。
- ジューン:ジューンベロシティ、ジューンテイク
- 馬主である吉川潤氏の名前より。最初の所有馬を自分と奥さんの名前を合わせて「ジューンメイ」と名付けて、そのまま「ジューン」が冠名になったらしい。
- ジュン:ジュンライトボルト、ジュンブロッサム
- 馬主である河合純二氏の名前より。
- ショウナン:ショウナンカンプ、ショウナンパンドラ、ショウナンアデラ、ショウナンナデシコ
- 「湘南」より。冠名の直後の文字は五十音の「あ」段でほぼ統一されている。
- ジョー:ジョーカプチーノ、ジョービッグバン
- 馬主の姓の上田から。
- スズカ:サイレンススズカ、スズカマンボ、スズカフェニックス
- 馬主の出身地である三重県の鈴鹿山脈から。
- 他にも「サンレイ(サンレイデューク、サンレイポケット等)」や「ミスズ(ミスズシャルダン等)」(ともに三重+鈴鹿が由来)の冠名も使用し、関連会社名義では「スリー(スリーロールス等)」(三重が由来)の冠名を使用する。
- セイ:セイクリムズン
- 馬主の金田成基(せいき)氏の名前より。
- タガノ:タガノテイオー、タガノエスプレッソ、タガノビューティー
- 馬主の経営する会社の所在地、京都府綴喜郡井手町多賀より。
- タテヤマ:ファストタテヤマ、ヴァンクルタテヤマ
- 富山県の立山より。末尾につく。
- タニノ:タニノハローモア、タニノムーティエ、タニノギムレット
- 馬主である谷水氏(信夫・雄三の親子)の「谷」から。
牝馬64年ぶりのダービー馬・ウオッカも谷水氏所有だが、「父親のタニノギムレットより強くあって欲しい」という願いを、ウォッカのアルコール度数の強さ、さらに何かで割るよりストレートの方が度数が強いことにかけ、わざと冠名を使わなかったエピソードがある。 - ダノン:ダノンスマッシュ、ダノンプレミアム、ダノンファンタジー、ダノンキングリー、ダノンデサイル
- 馬主である野田順弘氏の「ノダ」を「逆」にしたもの。→ダノックス
- タマモ:タマモクロス、タマモストロング、タマモホットプレイ
- 馬主のタマモ株式会社の代表の出身地・高松市にある高松城の雅称「玉藻城」より。
- タムロ:タムロチェリー、タムロスカイ
- 馬主の谷口屯(たむろ)氏の名前より。
- チョウカイ:チョウカイキャロル、チョウカイライジン
- 馬主が在住する山形県の最高峰、鳥海山から。馬主は「ヒラボク」の冠名を使用する平田牧場の社長で、馬主名義を平田牧場の法人名義に変更してからは使われていない。
- テイエム:テイエムオペラオー、テイエムプリキュア、テイエムオーシャン
- 馬主のイニシャル「Takezono Masatsugu」に由来。また自身の所有する会社「テイエム技研」から。
- テーオー:テーオーケインズ、テーオーロイヤル
- 馬主のイニシャル「Tomoya Ozasa」から。
- テン:テンハッピーローズ
- 馬主の苗字の「天白」から。
- トーセン:トーセンジョーダン、トーセンラー、トーセンスターダム
- 馬主の苗字である島川を音読みしたもの。
- 一時娘にダサいと言われて使わなくなったが復活した。
- ナムラ:ナムラコクオー、ナムラクレセント、ナムラクレア
- 馬主の苗字である奈村から。現在は息子が引き継いでいる。
- ニシノ:ニシノフラワー、ニシノライデン、ニシノデイジー
- 馬主の西山氏の苗字から。かつては株式会社西山牧場名義の馬専用であり、西山正行氏個人所有の馬には「セイウン」の冠名を使用していた(セイウンスカイなど)。この他かつて本業で運営していたクラブから「シロー」(カブトシローなど、基本末尾)など多数の冠名を使用していた時期がある。西山茂行氏が後を継いでからはほぼニシノ、セイウンに統一されており、両者の区別をつけることもやめている。
- ハギノ:ハギノトップレディ、ハギノカムイオー、ハギノハイグレイド
- 馬主の故郷である山口県萩市より。現在は娘とその妹が引き継いでいる。
- ハクサン:ハクサンムーン、ハクサンアマゾネス
- 馬主の会社の所在地である石川県の白山から。
- ハタノ:ハタノヴァンクール
- 馬主である牧場「グッドラック・ファーム」の創業者の苗字「畑」から。
- ハナズ:ハナズゴール
- 馬主の妻の名前から「花」の1文字をとり、所有格の「Hana's」としたもの。馬主がクラブを立ち上げて以降は使われていない。
- ヒシ:ヒシマサル、ヒシアマゾン、ヒシアケボノ、ヒシミラクル、ヒシイグアス
- 戦後以来現在まで三代続く馬主だが、その初代の雅号「菱雅」より。なお雅号の方は音読みして「りょうが」と読む。
- ヒルノ:ヒルノダムール
- 馬主の苗字の蛭川から。
- ビワ:ビワハヤヒデ、ビワハイジ、ビワシンセイキ
- 馬主の出身地である滋賀県の琵琶湖より。
- フサイチ:フサイチコンコルド、フサイチパンドラ、フサイチペガサス、フサイチホウオー
- 馬主名(関口房朗)+一番の造語。
- ブゼン:ブゼンキャンドル、ブゼンダイオー
ホウシュウ:ダイナナホウシユウ、ダイニホウシユウ、ホウシュウエイト - 馬主の出身地である福岡県田川郡の旧国名「豊前国」および「豊洲」より。
- ペイシャ:ペイシャエス
- 共同所有する馬主2人の苗字、北所と西森から麻雀の「ペー」「シャー」。
- ホウオウ:ホウオウエミーズ、ホウオウイクセル、ホウオウビスケッツ
- 上述した「テーオー」冠の馬主の実兄。馬主の名前「芳央」の音読みに、弟の「帝王」に対して「法王」をかけたもの。
- マチカネ:マチカネフクキタル、マチカネタンホイザ、マチカネワラウカド、マチカネイワシミズ
- 馬主の出身地である大阪府の待兼山より。
- マジン:マジンプロスパー
- 馬主である佐々木主浩氏の現役時代の異名「ハマの大魔神」より。
- 現在はほぼこの冠名を使用せず、馬名の一部に「ヴ」を用いる馬名(ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスなど)を使用している。
- ミッキー:ミッキーロケット、ミッキークイーン、ミッキーアイル、ミッキースワロー
- 馬主である野田みずき氏の「ミズキ」が由来。英字表記は「Mickey」ではなく「Mikki」。みずき氏はダノンの野田順弘氏の妻でもある。
- ミノル:レーヌミノル
- 馬主の吉岡實氏の名前「實(みのる)」から。
- メイショウ:メイショウサムソン、メイショウドトウ、メイショウマンボ、メイショウボーラー
- 馬主の出身地である明石を含め、「明石の松本」を音読み。
- メジロ:メジロマックイーン、メジロライアン、メジロラモーヌ、メジロドーベル、メジロパーマー
- 親会社の所在地である東京都豊島区目白から。→メジロ牧場
- モエレ:モエレエスポワール
- 札幌市内にある「モエレ沼」及び、その付近で馬主が営んでいた「札幌モエレ健康センター」より。
- モズ:モズアスコット、モズカッチャン、モズスーパーフレア
- 馬主の出身地である大阪府堺市百舌鳥(もず)より。
- ユキノ:ユキノビジン
- 馬主の荒井幸勝(ゆきかつ)氏の名前より。前述の通り同じ冠名を用いた馬主は他にもユキノサンライズ等の井上基之氏など多数いる。
- リュウノ:リュウノユキナ
- 馬主の蓑島竜一氏の名前より。
- ワイド:ワイドファラオ、ワイドバッハ
- 馬主の姓の幅田から英語の「Wide」。
2. 自身の運営、所有する企業や団体や生産・育成された牧場
- アスク:アスクビクターモア、アスクワイルドモア、アスクワンタイム
- ASK GROUP HOLDINGSより。共同所有馬は末尾に「モア」がつく。
- アポロ:アポロケンタッキー、アポロマーベリック
- アポロサラブレッドクラブより。
- イブキ:イブキマイカグラ、イブキガバメント
- 会社名「㈱伊吹」そのまま。
- ウイン:ウインバリアシオン、ウインクリューガー、ウインブライト、ウインマリリン
- ウインレーシングクラブより。
- エイシン:エイシンフラッシュ、エイシンプレストン、エイシンヒカリ、エイシンチャンプ
- エーシン:エーシンフォワード、エーシンモアオバー
- 栄進堂から。元々は中央馬が「エイシン」、地方馬が「エーシン」と使い分けており、息子兄弟が引き継いだ際に兄が「エーシン」、弟が「エイシン」で区別されたが、現在は「エイシン」に統一されている。
- エリモ:エリモジョージ、エリモエクセル、エリモシック、エリモハリアー
- えりも牧場より。
- オウケン:オウケンブルースリ、オウケンサクラ、オウケンムーン
- 桜拳塾より。
- オメガ:オメガパフューム
- オメガコンサルタンツより。
- カネツ:カネツクロス、カネツフルーヴ
- ローレル:ローレルゲレイロ
- カネツ競走馬、およびクラブ名変更後のローレルクラブより。現在はたまにしか使用しない。
- カワカミ:カワカミプリンセス
- 三石川上牧場より。
- キョウエイ:キョウエイプロミス、キョウエイタップ、キョウエイマーチ
- インター:インターグロリア、インターグシケン
- キョウエイアドインターナショナルより。同じ「キョウエイ」冠を使う別の馬主(共栄興産より。キョウエイギアなど)もいた。
- キョウワ:キョウワサンダー、キョウワホウセキ
- アサカ:アサカディフィート、アサカリジェント
- 協和牧場、およびその創業者の姓の浅川(あさかわ)から。協和牧場産のキングヘイローは「アサカヘイロー」という馬名からデビュー前に改名している。
- グランプリ:グランプリボス
- 会社名「㈱グランプリ」そのまま。代表は「モズ」の馬主の息子で、現在は「モズ」に一本化している。
- ケイアイ:ケイアイノーテック、ケイアイドウソジン
- 啓愛義肢材料販売所より。
- サクラ:サクラローレル、サクラバクシンオー、サクラスターオー、サクラチトセオー
- さくらコマースより。→サクラ軍団
- サムソン:サムソンビッグ
- サムソン牧場より。牧場の廃業後は「ダリア」(レインボーダリアなど)を用いた。
- シービー:ミスターシービー、シービークイン、シービークロス
- 千明牧場のローマ字イニシャル「Chigira Bokujo」から。
- シャダイ:シャダイソフィア、リアルシャダイ、アンバーシャダイ
- 社台ファームより。90年代からは使われなくなった。ちなみにシャダイカグラは父リアルシャダイから取った馬名で無関係。
- シルク:シルクジャスティス、シルクプリマドンナ、シルクライトニング、シルクフェイマス
- シルクレーシングより。牝馬には「シルキー」(シルキーラグーンなど)も使用していたが、社台グループ傘下入り以降は使用していない。
- シンコウ:シンコウラブリイ、シンコウフォレスト、シンコウウインディ、シンコウキング
- 新興産業より。
- シンボリ:シンボリルドルフ、シンボリクリスエス、シリウスシンボリ、スピードシンボリ、アイルトンシンボリ
- シンボリ牧場(旧称新堀牧場)から。牧場名の由来は創業地の地名・新堀(千葉県成田市)。
- スマート:スマートファルコン、スマートレイアー
- 株式会社イー・スマートより。
- ゼンノ:ゼンノロブロイ、ゼンノエルシド
- 株式会社ゼンリンから。馬主の奥さんの名前から「ビコー」冠名(ダイヤモンドビコーなど、末尾につける)も用いた。
- ダイイチ:ダイイチルビー
- 第一生コンクリートより。
- タイキ:タイキシャトル、タイキブリザード、タイキシャーロック、タイキフォーチュン
- 社名(大樹ファーム)とその所在地である北海道の「大樹町」から。主に牡馬に使用する。
- タイセイ:タイセイレジェンド、タイセイビジョン
- 大成コーポレーションより。
- ダイタク:ダイタクヘリオス、ダイタクヤマト、ダイタクリーヴァ、ダイタクバートラム
- 大拓株式会社より。
- ダイナ:ダイナガリバー、ダイナアクトレス、ダイナフェアリー
- 社台レースホースと提携していた日本ダイナースクラブから。1985年産馬からは使わなくなった。
- ダイワ:ダイワスカーレット、ダイワメジャー、ダイワエルシエーロ
- 大和商事より。
- タヤス:タヤスツヨシ、タヤスアゲイン
- 田安商事より。
- チュウワ:チュウワウィザード
- 医療法人中和会より。
- ツルマル:ツルマルボーイ、ツルマルツヨシ
- 鶴丸観光より。
- トウカイ:トウカイテイオー、トウカイローマン、トウカイポイント、トウカイトリック
- 東海パッキング工業より。
- トウコウ:トウコウエルザ、プレストウコウ
- 東江運輸より。
- トウショウ:トウショウボーイ、シスタートウショウ、スイープトウショウ
- トウショウ牧場より。牧場名は創業者の藤田正明の名前から。
- トーホウ:トーホウジャッカル、トーホウエンペラー、トーホウドリーム
- 東豊物産より。
- ナカヤマ:ナカヤマフェスタ、ナカヤマナイト
- 馬主が理事を務めていた中山馬主協会より。
- ニシケン:ニシケンモノノフ
- 西森建設より。
- ニチドウ:ニチドウタロー、ニチドウアラシ
- 日動建設より。
- ニッポー:ニッポーテイオー
- 日邦建設工業より。
- ニホンピロ:ニホンピロウイナー、ニホンピロアワーズ、ニホンピロジュピタ
- 日本ピローブロック(現:FYH)から。年により「ニホンピロー」だったりする。
- バイオ:マジェスティバイオ、アクティブバイオ、アニメイトバイオ
- 会社名「バイオ」そのまま。基本末尾につける。
- バローズ:ロジャーバローズ、アイアンバローズ
- 株式会社バローズより。末尾につける。
- バンブー:バンブーアトラス、バンブーメモリー、バンブーエール
- バンブー牧場より。牧場名は創業者の苗字の竹田から。
- ビービー:ビービーガルダン
- 坂東牧場のイニシャル「Bando Bokujo」から。
- ピサ:ヴィクトワールピサ、フェラーリピサ
- ピサダイヤモンドより。
- ビッグ:ビッグウルフ、ビッグテースト
- 会社名「㈲ビッグ」そのまま。ビッグウィークやビッグアーサーは別の馬主。
- ヒラボク:ヒラボクロイヤル、ヒラボクディープ
- 平田牧場より。
- ベラジオ:ベラジオオペラ
- ベラジオコーポレーションより。
- ホッカイ:ホッカイルソー、ホッカイセレス
- 北海牧場より。
- ホッコー:ホッコータルマエ、ホッコーメヴィウス
- 北海土建工業より。後に馬主名義は個人名義から「北幸商事㈱」になった。
- マルカ:マルカシェンク、マルカラスカル
- 丸河商事より。
- ミホノ:ミホノブルボン
- ミホノインターナショナルより。
- メイケイ:メイケイペガスター、メイケイエール
- 名古屋競馬(中京競馬場の施設をJRAに貸し出す第三セクターの会社)より。
- メイセイ:メイセイオペラ
- 明正商事より。
- モンテ:モンテプリンス、モンテファスト
- 馬主の経営していたキャバレー「モンテカルロ」から。
- ヤマカツ:ヤマカツスズラン、ヤマカツリリー、ヤマカツエース
- 山勝林業より。
- レオ:レオダーバン、レオリュウホウ
- 馬主の経営していたパチンコ店「レオ」から。
- ロジ:ロジユニヴァース、ロジクライ
- ロジフレックスより。
3. 英単語など、外国語
- アイアム:アイアムカミノマゴ、アイアムハヤスギル
- 英語で「私は」を意味する「I am」。
- アドマイヤ:アドマイヤベガ、アドマイヤグルーヴ、アドマイヤドン、アドマイヤムーン、アドマイヤマーズ
- 英語で「賞賛・感心」を意味する「Admire」。
- ウイング:ウイングアロー
- 英語で「翼」を意味する「Wing」。よく間違われるがウイングレイテストは先述の「ウイン」冠。
- コスモ:コスモバルク、コスモファントム、コスモオオゾラ、コスモキュランダ
- 英語で「宇宙」を意味する「Cosmo」。
- オーナーはマイネル総帥・岡田繁幸氏の奥さんであり、取材などは繁幸氏が「オーナー代行」として応じていた。
- サウンド:サウンドキアラ、サウンドビバーチェ
- 英語で「響き」を意味する「Sound」。
- サクセス:サクセスブロッケン、サクセスエナジー
- 英語で「成功」を意味する「Success」。
- サニー:サニーブライアン
- 英語で「晴れ」を意味する「Sunny」。
- サンライズ:サンライズバッカス、サンライズノヴァ、サンライズペガサス
- 英語で「日の出」を意味する「Sunrise」。基本的に牡馬用らしい。馬主の奥さんも同じ冠名を使用している(サンライズジパングなど)。
- シチー:タップダンスシチー、エスポワールシチー、ゴールドシチー、キョウトシチー
- 英語で「街、市」を意味する「City」。
- スワーヴ:スワーヴリチャード、スワーヴアラミス
- 英語で「物腰柔らか」を意味する「Suave」。馬主の苗字「諏訪」にもかけている。
- ダッシャー:ダッシャーゴーゴー
- 英語で「元気のいい人」を意味する「Dasher」。
- テーラー:アイコンテーラー
- 英語で「仕立屋」を意味する「Tailor」。馬主が紳士服のテーラーであることから。
- テソーロ:ウシュバテソーロ、リエノテソーロ、ウィルソンテソーロ
- スペイン語で「宝物」を意味する「Tesoro」。
- テリオス:テリオスベル、テリオスララ
- 古代ギリシャ後で「願いを叶える」を意味する「Teleos」。冠名の後は2文字が多い。
- デルマ:デルマルーヴル、デルマソトガケ
- 英語で「皮膚科」を意味する「Dermatology」。馬主が皮膚科の医院を経営していたことから。
シゲル軍団と同様、冠名の後ろにつける個々の名前は年ごとにジャンルを決めている(例えば「ルーヴル」の年は「フランスの名所」だった)。 - マーベラス:マーベラスクラウン、マーベラスサンデー、マーベラスカイザー
- 英語で「素晴らしい」を意味する「Marvelous」。
- マイネル:マイネルマックス、マイネルホウオウ、マイネルキッツ、マイネルラヴ
- 独語で「私の」を意味する「Meiner」。2011年産駒まで牝馬に女性形の「Meine(マイネ)」を使用していた(マイネサマンサなど)。
- メルシー:メルシータカオー、メルシーエイタイム、メルシーモンサン
- フランス語で「ありがとう」を意味する「Merci」。「スズカ」冠名の馬主の弟。
- レッド:レッドリヴェール、レッドファルクス、レッドディザイア
ルージュ:ルージュエヴァイユ - 英語で「赤」を意味する「Red」。馬主クラブが赤の勝負服を使うことから。2018年産駒の牝馬からフランス語で同じく「赤」を意味する「Rouge」も使用している。
- ロード:ロードカナロア、ロードクエスト、ロードマイウェイ
- レディ:レディパステル、レディブロンド
- 「ロード」は英語で「君主」を意味する「Lord」(一口クラブ「ロードホースクラブ」にも由来)。「レディ」は英語で「女性」を意味する「Lady」。牡牝で使い分けていたが、2008年産以降は「レディ」は使用していない。
- また、ロードホースクラブは「モエレ」の馬主である中村和夫氏の関係先であり、中村が個人で所有していた馬にも「ロード」の冠名が付いていたことがある(ロードバクシンなど)。
- ワンダー:ワンダーパヒューム、ワンダーアキュート
- 英語で「不思議」を意味する「Wonder」。
4. 思い入れのある馬
- エア:エアグルーヴ、エアジハード、エアシャカール、エアメサイア
- 馬主の所有馬であり、マイケル・ジョーダンとコラボしたスニーカーから名付けたエアジョーダンが活躍したことから。
- カフェ:マンハッタンカフェ、イーグルカフェ、カフェファラオ
- はじめて所有したカリブカフェが5勝と活躍した事が由来。現在は息子が引継ぎカフェファラオ等を所有している。
- グラス:グラスワンダー
- 馬主の兄が所有していたグリーングラスに由来。
- チョウサン:オジュウチョウサン
- 馬主の所有馬であるチョウサンが活躍した事から。元は馬主姓の長山(ながやま)の音読み。
- ドリーム:ドリームバレンチノ
- クラブの代表的な活躍馬であるドリームパスポートから。
- ネコ:ネコタイショウ
- 馬主の所有馬であり、ネコ科のサーバルから命名したネコパンチが活躍したことから。「パンチ」を末尾につけた「ウサギノパンチ」や、英語の「キャット」を使った「ゴールデンキャット」といった馬も所有していた。
- ホクト:ホクトベガ、ホクトヘリオス
- 馬主の初期の活躍馬であるホクトボーイより。
- ラブミー:
- 馬主の所有馬であるラブミーチャンが活躍した事から。元は愛(ラブ)+人の愛称(~ちゃん)。
- 馬主はこちらも小林祥晃(Dr.コパ)。
5. その他
- ウォーター:ウォーターナビレラ、ウォーターリヒト
- 沢田研二のバックバンド「井上堯之とウォーターバンド」より。
- カラノテガミ:パリカラノテガミ
- デュエット曲「カナダからの手紙」が由来。馬名の末尾につける。
- カルストン:カルストンライトオ
- オーナーが建設業を営んでおり、建材の「軽石」→「かるストーン」→「カルストン」。
- ダンツ:ダンツシアトル、ダンツフレーム
- オーナーが馬主になった頃に購入した絨毯「段通」に由来。
- ドウカン:ドウカンヤシマ
- 馬主が江戸城を築城した太田道灌の子孫である事から。
- トウケイ:トウケイヘイロー
- 「闘鶏」より。馬主が中学時代にいじめに遭い、父親に言われていじめっ子に立ち向かったところ返り討ちに遭ったもののいじめは止み、「シャモ(軍鶏)」という渾名をつけられたエピソードから。
- ナリタ:ナリタタイシン、ナリタブライアン、ナリタトップロード
オースミ:オースミハルカ、オースミブライト、オースミダイナー - 「ナリタ」は馬主宅の近所にある寺、成田山明王院(新勝寺別院)にあやかったもの。
- 「オースミ」は馬主の出身地の鹿児島県・大隅半島に由来。この2つは所属厩舎により使い分けられている。
- ペプチド:ペプチドナイル
- オーナーが健康食品会社を経営しており、商品の主成分であるペプチド(アミノ酸が結合した化合物)から。
- 馬用のペプチドサプリも開発し、所有馬に飲ませているという。
- マツリダ:マツリダゴッホ
- 「祭りだ」や「集まり」から。
- マルターズ:マルターズアポジー、マルターズディオサ
- 馬主の愛犬の犬種マルチーズから。同じ理由で「シベリアン」(シベリアンタイガーなど)を使用することもある。
- ヤマニン:ヤマニンスキー、ヤマニングローバル、ヤマニンゼファー、ヤマニンシュクル、ヤマニンアラバスタ
- 馬主の屋号「ヤマニンベン」の短縮形。
- リーゼント:リーゼントロック
- 馬主である三浦大輔氏の髪型より。
その他、由来不明等多数
6. 海外馬主の冠名
- 蝦王(King Prawn):靚蝦王(Fairy King Prawn)
- 香港の劉錫康の冠名。馬主の好物から。
- 奇妙(Fantasy):極奇妙(Ultra Fantasy)
- 香港の林大輝の冠名。
- 美麗(Beauty):美麗傳承(Beauty Generation)
- 香港の郭浩泉の冠名。
関連動画
適当に日本競馬のレース動画を見れば、大抵冠名有りの馬が走っている。
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 3
- 0pt