箱根登山線とは、箱根登山鉄道が運営する鉄道路線(の通称)である。
概要
正式には箱根登山鉄道鉄道線。神奈川県小田原市の小田原駅から箱根町の箱根湯本駅を経由し、強羅駅に至る路線。ただし、箱根湯本駅で運用が完全に分断されているため、全線乗り通す場合は必ず乗り換えが必要となる。
小田原駅〜箱根湯本駅
2006年以降、全列車が小田急の車両を用いており、乗務員も小田急が担当している。そのため、(営業列車では)自社の車両が一切走らない変わった区間となっている。この区間は小田急と同じ狭軌・1500V。
小田急ロマンスカーが箱根湯本駅から小田急小田原線新宿駅・東京地下鉄千代田線北千住駅まで直通している。ちなみに、ロマンスカーを箱根登山線内(箱根湯本駅〜小田原駅)だけ乗る場合は200円という格安料金で乗車することができる(ただし事前予約はできず、当日空席がある場合のみ発売)。
現在では新宿駅から当路線(箱根湯本駅)への直通列車は全て特急列車のみになっている。かつては新宿駅などからの急行が箱根湯本駅まで直通したりしていたのだが、それらは廃止となってしまった。新松田駅までは各駅停車での小田急線との直通が継続して行われているが、それも朝の上り1本(箱根湯本発の各駅停車新松田行き)のみにまで縮小されている。
ちなみにこの区間は通称「平坦線」と呼ばれるのだが、あくまで箱根登山鉄道的には平坦というだけである。小田原駅〜箱根湯本駅の最急勾配は40パーミル。箱根湯本駅より先の80パーミルよりはすごくマシなのだが、小田急線内の最急勾配は35パーミル[1]、奥羽本線の板谷峠ですら33パーミルである。
それよりも厳しい40パーミル勾配が1kmも連続する「平坦線」はもはや平坦ではないのだが、それが箱根登山鉄道クオリティ。このため、小田急が箱根登山鉄道に乗り入れを開始した当初は小田急はブレーキ改良車両を用意しなければいけなかった。
箱根湯本駅〜強羅駅
この区間は標準軌・750Vとなっているため、小田原側とは仕様が大きく異なる。そのため強羅方面からの「登山電車」は全列車箱根湯本駅止まりなので注意が必要。
以前は箱根湯本駅にデッドセクションが、箱根湯本駅〜小田原駅に三線軌条が、小田原駅に登山電車専用ホームが設置されており強羅駅から小田原駅まで通して運転していたが、ダイヤ改正により運用が完全に分離されたため三線軌条は一部区間で撤去された。ただし登山電車の車庫があるため、入生田駅までの三線軌条は残っている。
スイッチバックや80パーミルの急勾配などはすべてこの区間であり、登山電車としての本領を発揮している。
駅一覧
小田急ロマンスカーは小田原駅・箱根湯本駅のみ停車。但し、交換待避のために途中駅に運転停車する場合がある。それ以外は全列車各駅停車。
※全駅 神奈川県
駅番号 | 駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺 ※備考 | 所在地 |
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OH 47 | 小田原駅 おだわら |
小田急電鉄 ■小田原線 特急ロマンスカー 新宿駅まで直通運転 各停の朝上り1本 新松田駅まで直通運転 JR東日本 ■東海道線 ■湘南新宿ライン JR東海 ■東海道新幹線 伊豆箱根鉄道 ■大雄山線 ○箱根登山ベルジュ |
小田原市 |
OH 48 | 箱根板橋駅 はこねいたばし |
○東海道線 早川駅(直線距離700mほど) | |
OH 49 | 風祭駅 かざまつり |
○鈴廣蒲鉾本店・かまぼこ博物館 ○国立病院機構箱根病院 |
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OH 50 | 入生田駅 いりうだ |
○神奈川県立生命の星・地球博物館 ○長興山紹太寺(枝垂れ桜) |
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OH 51 | 箱根湯本駅 はこねゆもと |
○湯本温泉 ○湯本富士屋ホテル ※小田原方面-強羅方面は当駅での乗り換えが必要 |
足柄下郡 箱根町 |
OH 52 | 塔ノ沢駅 とうのさわ |
○塔ノ沢温泉 | |
-- | 出山信号場 でやま |
※スイッチバックを行う | |
OH 53 | 大平台駅 おおひらだい |
○大平台温泉 ※スイッチバックを行う |
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-- | 上大平台信号場 かみおおひらだい |
※スイッチバックを行う | |
-- | 仙人台信号場 せんにんだい |
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OH 54 | 宮ノ下駅 みやのした |
○宮ノ下温泉 ○富士屋ホテル |
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OH 55 | 小涌谷駅 こわきだに |
○小涌谷温泉 ○箱根小涌園 ユネッサン |
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OH 56 | 彫刻の森駅 ちょうこくのもり |
○彫刻の森美術館 | |
OH 57 | 強羅駅 ごうら |
箱根登山鉄道 ■箱根登山ケーブルカー ○強羅温泉 ○強羅公園 ○函嶺白百合学園 |
関連動画
関連項目
脚注
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