この記事は1995年4月21日に発売されたスーパーファミコン用ソフトについて扱う。同名の原作漫画は「魔法陣グルグル」、TVアニメは「魔法陣グルグル(1994)」や「魔法陣グルグル(2017)」の記事をそれぞれ参照。
概要
漫画「魔法陣グルグル」を題材にエニックス(現:スクウェア・エニックス)が発売したSFC用ソフト第一弾。開発はタムタムが担当。いわゆる「キャラゲー」だが、作品の出来も上々。
ストーリー
何百年もの間、塔の上からなき声で夜明けをもたらしてきた鳥「オクロック」。その巣が魔物に襲われてしまう。旅の最中に王様の立て札を見つけたニケとククリは空腹のあまり褒美に目がくらんでお城を訪ね、オクロックを救うため町にある12の塔に挑むのだった。
グルグルを原作とした他のゲームとは違い、全編通して原作とは全く関係ないオリジナルストーリーが展開される。原作人物を模したキャラは多数登場するものの、名前や役割などは大体無関係(見た目だけゴチンコな武器屋、見た目だけカヤの神官など)で、モンスターに至っては原作キャラが一切登場しない。
システム
ジャンル表記は「コミカルダンジョンRPG」で、ローグライクゲーム(同社でいうトルネコの大冒険シリーズなど)のシステムを踏襲。塔の内部は固定マップとランダムマップの混成で、初期状態は全体的に真っ暗で構造が隠されている。ダンジョンではこちらが一歩動くと敵も動く(一部の塔を除く)。
フィールドマップは存在せず、町を拠点に塔の内部を攻略していくことになる。塔は12のダンジョンに分かれており、最初からどこにでも入れるものの、難易度や魔法陣の関係から実質下から上へ順に攻略することになる。12すべての塔を攻略すると最後の塔に入れるようになる。
バトルシステム
戦闘は敵に触れると発生するシンボルエンカウント方式。プレイヤーはククリを操作し、ニケの後方から魔法陣で攻撃や回復などを放ったりアイテムを使ってニケをサポートする。ククリかニケのいずれかが倒されるとゲームオーバー。
ニケは一切操作できず、前衛で完全オートバトル。作戦により攻撃頻度や被ダメージを変化させることができ、攻撃的な作戦ほど攻撃頻度は多いが被ダメも大きく、逆に守備的にするほど守りは硬いが攻撃回数が減る。
ククリの魔法陣は4つの基本属性からなり、進行具合により4つの効果、派生の4つの効果、そのさらに派生の4つの効果を組み合わせられるようになる。ダンジョンを攻略するたびに使える効果は増えていき、組み合わせも膨大になっていく。
魔法陣による攻撃は敵のガードを無視する利点があるが、全体攻撃はニケも巻き添えを食らうという欠点がある。また「しょうかん」の大半は宝箱(中身ランダムで塔ごとにランクアップ)から専用レアアイテムを入手し使わないと効果がない。ただし原作で何もおこらない魔法(?)として有名なザムディンは「ザムディンのほん」を消費すると最強の攻撃魔法に大化けする。
装備
ニケの武器には攻撃力の他にスピードが設定されており、武器ごとに攻撃間隔が異なる。ハンマーなど重い威力の種類ほど遅く、拳など軽い威力の種類ほど早い。
余談だが、SFCの続編であるグルグル2ではククリの杖にも魔法陣を描くスピードが設定された。
バグ
本作の防具は表記された数値通りの内部防御力が設定されておらず、何を装備しても防御力が反映されないというRPGとしてあるまじき致命的なミスが存在する。デバッグとは一体…。
このため防御力目的で防具を買ったり装備する意味は全くない。敵の攻撃はどんどん激しくなっていくが、どんなに防具にお金をつぎ込んでも受けるダメージが減ることはないのである。レア防具?ナニソレ裸ト違ウノ?
ただし属性設定はちゃんと存在するため、属性防具(または属性付与した防具)なら相性次第で装備する意味はある。
続編
同じ「エニックス(スクエニ)発売・タムタム開発」のゲームとして、SFCで「魔法陣グルグル2」、GBCで「ドキドキ伝説 魔法陣グルグル」が発売された。
独自内容の本作とはストーリーもゲームシステムも異なるが、会社が同じのため、グラフィックが近かったり魔法陣・アイテム・キャラなど一部共通点も存在する。また2では本作オリジナルボスとの再戦など、細かい続編ネタを使って本作未プレイの人を意図的に置き去りにするネタがある。
GBの「魔法陣グルグル 勇者とククリの大冒険」は発売元がタカラで、当然ながら無関係。
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関連項目
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