鴨志田一単語

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鴨志田一とは、日本のライトノベル作家である。

概要

神奈川県出身の男性。1978年 4月11日生まれ。好物はトマト、座右の銘は「なぜベストを尽くさないのか」

第13回電撃小説大賞への応募作がきっかけで編集者の目に止まり、2007年 7月に神無き世界の英雄伝でデビュー。人間関係や社会の圧力による重苦しい雰囲気の逆境と、その中で奮起する登場人物たちの成長描写に定評がある。特に、レン・エバンスとロイ・クローバー（神無き世界の英雄伝）、椎名ましろと神田空太（さくら荘のペットな彼女）のような天才と凡人の対比、ひいては才能を題材に取り上げる事が多い。ライトノベルとしては珍しく、作品内に『付き合う事はゴールではない』という姿勢を登場人物にも言わせているほど明確に打ち出している。そのためかカップル成立後の描写は非常に中毒性が高く、時に鴨志田節とも呼ばれるこれらの特徴は、熱心な固定ファンを獲得することに成功している。

著作一覧

神無き世界の英雄伝

（イラスト：坂本みねぢ）

デビュー作。企業連盟と人民共和国の星間戦争を描くスペースオペラ。

電子妖精と呼ばれる高度な知性を持つ電脳生命に艦隊提督として選ばれた、元コックの戦略・戦術の天才レン・エバンスと企業連盟の御曹司ロイ・クローバーの二人の主人公の『英雄伝』である。レンとロイの対比や早逝の好敵手アレティーノと電子妖精ロザリンドの悲恋など、後々の作品に繋がる鴨志田節を存分に楽しめる１作。

Kaguya～月のウサギの銀の箱舟～

（イラスト：葵久美子）

『他人に自分の視界を見せる事が出来る』真田宗太と『盲目にして"かぐや姫"のひとり』立花ひなた、二人の少年少女の『アルテミスコード』と呼ばれる異能を身に宿す『ムーンチャイルド』を巡るボーイミーツガール。

１巻、２巻はミステリ風味だが、それ以後の巻では絆の描写と成長を中心とした作風にがらりと変わる。数あるラノベの中でも娘の嫁入りまで見送った夫婦っぷりは類稀なるものだろう。思ってたより、かっこいい？主人公である宗太さんの男っぷりに惚れ、ひなたの可愛らしさといじらしさに悶える物語である。ちなみにさんづけはデフォルト。

さくら荘のペットな彼女

（イラスト：溝口ケージ）

最大のヒット作。さくら荘という問題児の巣窟に放り込まれた自称普通の男子、神田空太と、ありとあらゆる感情を絵で表現してきたあまりに天才少女、椎名ましろを中心とした学園青春群像劇。

荒削りでパワーはあったが暗めの描写が多く、続刊が凍結したり、後半で急な巻きの入ったりした前２作と比べ、比較的爽やかでポップな雰囲気を丁寧な心情描写とともに綴っているのが特徴。

圧倒的な天才に心折られる展開や相互不理解による軋轢や悲嘆などの鴨志田節のエッセンスも継承しているが、ボケとツッコミの掛け合いの応酬がそれを緩和して余りある楽しさも与えてくれる。

放課後あいどる

（イラスト：TNSK）

ディアステージと呼ばれる実在の店舗を舞台にした一作。現状、電撃系以外から出版されている唯一の作品である。

ディアステージでアルバイトを始めた成田祐介と、まるで二重人格の様にアイドルと生徒会長の二つの顔を使い分ける少女、石垣真帆のアイドルステージにまつわる物語を描く。さくら荘と並んで、軽妙な会話劇を楽しめる作品。ガウォーク。

ラストでは幼馴染の少女による衝撃の展開が到来するのだが、続刊が……。

トラキス A School Odyssey

（作画：トマトマト）

作画にトマトマト氏を迎えた、初の漫画原作作品。１８年前に突如出現した〈学園島〉において発見された、人知を超える物質〈モニュメント〉、そこから人知を超えた〈データ〉を引き出せる〈適合者〉たちによる異能バトルストーリー。決闘によりランキングが変動する学園島では、敗者は勝者に粘膜接触で〈データ〉を渡さなくてはならない。つまり、キスをしなければならないという……。