概要
長年に渡ってレギュラーとして活躍した野手にとって、現役晩年の目標となる数字。特に生え抜き選手の2000本安打達成は球団にとっても一大イベントとなり盛り上がりを見せる。2020年終了時点で達成者は日米通算を含めて59名(松永浩美[1]を除く。日本のみでは53名で、報道での「史上○人目の2000本安打」という表記はこちら)。
達成すると名球会への入会が認められるが、落合博満のように拒否した選手もいる。またMLBに移籍した日本人選手については日米通算でも名球会入りは認められる。
外国人選手でも達成すれば入会できることになっており、2013年に横浜DeNAのアレックス・ラミレスが初めて外国人選手で通算2000本安打を達成した。なおMLBと日本の通算で2000本に達している外国人選手はウォーレン・クロマティなど何人かいるが、NPBでの記録をスタート地点とするためMLBからやって来た外国人選手は名球会には勧誘されておらず、一般的に2000本安打達成者とも見なされない。ラミレスはMLB通算86安打で2012年シーズン中に日米通算2000本安打を達成したが、達成時に横浜スタジアムでスルーされるなど、2000本安打達成とは見なされなかった。また、元広島のアルフォンソ・ソリアーノは日本でのプレーは2年で一軍ではわずか2安打だったが、その後MLBを代表する打者となり2013年8月7日に日米通算2000本安打(内1998本がMLB)を達成した。非常に特殊なケースのため、名球会への入会については同年12月の総会で話し合われることになっていたが、結局うやむやのまま入会には至っておらず、名球会の公式サイトにも記載はない。
先発投手における名球会の入会条件である「200勝」が、そもそも味方打線の援護なしでは勝ち星を挙げられず、投手分業制の浸透した現在では達成が著しく困難となっているため、それに比べれば達成が容易である2000本安打に200勝と同等の価値があるのかについてはたまに議論となる。現役晩年で力の衰えた選手でも、達成間近であればチームの勝敗を半ば度外視して起用し続けることで達成できるため、2000本安打のための選手起用が批判されることもある。
とはいえ、若くしてレギュラーをつかみ、15年前後はレギュラーとして活躍し続けなければ達成できない数字であり、偉大な記録であることに変わりは無い。
ちなみに、最も2000本安打に近づきながら達成できずに引退したのは、通算1978安打の飯田徳治(南海→国鉄)である。近年で2000本安打に惜しくも届かなかった選手は、谷佳知(1928安打)、井端弘和(1917安打)、大村直之(1865安打)、村田修一(1865安打)、城島健司(日米通算1837安打)、山崎武司(1834安打)など。
達成者(達成順)
()内は2023年シーズン終了時点の通算安打数。シーズン中の達成者はシーズン終了まで2***表記。
太字は現役選手。斜体は名球会員でない人物。
- 川上哲治(2351安打) - 故人。大正生まれのため入会資格なし。1646試合での達成はNPB最速記録。
- 山内一弘(2271安打) - 故人。
- 榎本喜八(2314安打) - 故人。引退後、野球界との関わりを絶っていたため事実上入会辞退扱い。NPBのみでの達成としては最年少記録(31歳7ヶ月)。
- 野村克也(2901安打) - 故人。一時期退会していたが復帰している。捕手としては初。
- 長嶋茂雄(2471安打)
- 広瀬叔功(2157安打)
- 張本勲(3085安打) - 通算安打のNPB記録。
- 王貞治(2786安打)
- 江藤愼一(2057安打) - 故人。
- 土井正博(2452安打)
- 高木守道(2274安打) - 故人。
- 松原誠(2095安打)
- 柴田勲(2018安打) - スイッチヒッター初の2000本安打。
- 大杉勝男(2228安打) - 故人。史上初の両リーグ1000本安打。
- 藤田平(2064安打)
- 衣笠祥雄(2543安打) - 故人。
- 福本豊(2543安打) - 2000本安打以前、通算800盗塁達成時に入会を認められたが辞退している。
- 山崎裕之(2081安打)
- 山本浩二(2339安打)
- 有藤通世(2057安打)
- 若松勉(2173安打)
- 谷沢健一(2062安打) - 退会。
- 加藤英司(2055安打)
- 門田博光(2566安打)
- 大島康徳(2204安打) - 故人。
- 新井宏昌(2038安打)
- 落合博満(2371安打) - 入会拒否。史上2人目の両リーグ1000本安打。
- 秋山幸二(2157安打)
- 駒田徳広(2006安打)
- 立浪和義(2480安打)
- イチロー(4367安打) - 日米通算(NPB1278安打/MLB3089安打)。達成は年齢(31歳7ヶ月)・試合数ともに最速。
- 清原和博(2122安打)
- 古田敦也(2097安打) - 捕手としては2人目。大学・社会人を経由しての2000本安打は初。
- 野村謙二郎(2020安打)
- 石井琢朗(2432安打)
- 松井秀喜(2643安打) - 日米通算(NPB1390安打/MLB1253安打)。
- 田中幸雄(2012安打)
- 前田智徳(2119安打)
- 金本知憲(2539安打)
- 松井稼頭央(2705安打) - 日米通算(NPB2090安打/MLB615安打)、NPBのみでの通算でも2000本安打(46人目)を達成している。スイッチヒッターでは2人目。
- 小笠原道大(2120安打)
- 稲葉篤紀(2167安打)
- 宮本慎也(2133安打) - 史上2人目の大学・社会人経由での2000本安打。
- 小久保裕紀(2041安打)
- アレックス・ラミレス(2017安打) - 史上初の外国人選手の通算2000本安打。
- 中村紀洋(2101安打) - MLB経験(+5安打)があるが、名球会入会はNPBのみでの通算2000本安打としたいことを自ら希望した。
- 谷繁元信(2108安打) - 2803試合目、9692打席での達成は歴代最遅。捕手としては3人目。
- 井口資仁(2254安打) - 日米通算(NPB1760安打/MLB494安打)。
- アルフォンソ・ソリアーノ (2097安打) - 日米通算(NPB2安打/MLB2095安打)。上記の事情のため名球会への入会はうやむやになっている。
- 和田一浩(2050安打) - 史上最高齢の42歳11ヶ月かつ最も頭髪が薄い状態での達成。大学・社会人経由では史上3人目。両リーグ1000本安打も史上3人目。
- 新井貴浩(2203安打)
- 福留孝介(2450安打) - 日米通算(NPB1951安打/MLB498安打)。
- 荒木雅博(2045安打)
- 青木宣親(2703安打) - 日米通算(NPB1929安打/MLB774安打)。
- 阿部慎之助(2132安打)
- 鳥谷敬(2099安打)
- 内川聖一(2186安打)
- 福浦和也(2000安打) - 2000本ちょうどで引退したのは史上初。
- 坂本勇人(2321安打) - 右打者では歴代最年少、全体でも3位の達成時年少記録(31歳10ヶ月)。
- 栗山巧(2120安打)
- 大島洋平(2021安打)
達成が近い現役選手(通算1700安打以上)
関連動画
関連項目
外部リンク
脚注
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