Black Lotusとは、
- トレーディングカードゲーム『Magic The Gathering』のカード
- 小説・アニメ『アクセル・ワールド』の登場人物。 → 「ブラック・ロータス」を参照
- 音楽ゲーム『crossbeats REV.』収録曲。
- wa.氏の楽曲。初出はBMSイベント『BOFU2016』。
本項では(1)のカードについて説明する。
概要
Black Lotus (0)
MTG黎明期の超強力カード群・通称パワー9のうちの一つ。
その強力さは、一概に最強を決められないMTGにおいてすら、これを最強とするプレイヤーが多数いるほどである。
禁止カードがほぼ設定されていない競技ルール・ヴィンテージでは実に90%以上のデッキで投入されており、採用率は堂々の第1位である。
その他の競技ルールでは禁止カードとなっている。
非公式ルールでもほとんど禁止カードだろう。
カードイラストも評価が高く、20年以上前のカードにも関わらず「一番美しいカード」と言う人が多数いるほど。気になる人は検索してみよう。
MTGよく知らないけど、どう最強なの?
Magic The Gatheringにはマナ・コストというルールがある。
これは全てのカードは要求されたマナ(エネルギー的な何か)を支払わないと使えない、というルールである。
そして、このゲームは基本的に1ターンごとに使えるマナの量が1点つずつしか増えていかない設計になっている。(色々と例外はあるが)
このカードは、マナ・コストが0なので、マナを全く支払わずに出せる。
それにもかかわらず、このカードを使えば3点のマナを得られるのである。
つまり、他のカードを1枚だけ、本来より3ターン早く使えるようにするカードなのである。
使い方
最強とも言われるこのカードだが、上記のように「他のカードを早いターンで使えるようにする」効果なので、単品では何もしない。これを使っただけでは、カードを引いたり、相手のライフを減らしたりすることはできないのである。
ゆえに、当然ながら、他のカードと一緒に使うことになる。
一緒に使うカードが弱ければBlack Lotusはさっぱり輝かないが、Black Lotusの特性を最大限に生かすデッキ構成ならば、相手を10回くらい殺す原動力になる。
出てきた3マナを活用する他のカードがあってこそ、Black LotusはMTG最強のカードとして君臨する。
なお、かつて、マナ・バーン(マナを残したままターンを進行すると残ったマナに等しいライフを失うペナルティ)が存在した時代には、冗談めかして「単体では3点ダメージを食らうだけのクソカード」という表現をされることもあったくらいである。
使用例
- <MOXなどの0マナアーティファクト>をキャスト
- →《Black Lotus》をキャストし、生贄に捧げ(青)(青)(青)を出す
- →《修繕/Tinker》をキャスト。0マナアーティファクトを《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》に作り替える
- →次のターンに攻撃。相手は毒カウンターを10個得て敗北し、あなたは勝利するだろう
上述の状況で、さらに、
- ゲームが始まった、最初のターンである
- <(赤)を出せる土地>があるか0マナアーティファクト部分が《Mox Ruby》である
- 《速さの炸裂/Burst of Speed》等の<1マナで速攻を与えるカード>がある
という条件がそろえば、1ターン目にして、勝ててしまう。デッキに1枚制限のカードを2~3枚初手で引く右手力が必要にはなるが……。
このパターンは《修繕/Tinker》を《騙し撃ち/Sneek Atack》と<(赤)(赤)を出す何か(《Mox Ruby》と《山》など)>で代用が可能。
他のパターンでは《Black Lotus》+<Moxのどれか>or<土地1つ>+《Time Vault》+《通電式キー/Voltaic Key》をそろえて、相手プレイヤーにターンを回さない、なんというプレイングも存在する。
なお、マナ・コスト無しで相手プレイヤーを妨害できるカードがあるので、理論上は上記のコンボは止めることも可能ではあるが、持っていなければそのままお陀仏である。
調整版
このカードの影響で、MTGにおいては「睡蓮=凄まじいマナを生み出す貴重なもの」というイメージがついており、調整版やイメージを引き継いだカードがたまに登場する
原則として、このようなマナを加速するカードは早いターンで使えれば使えるほど加速的に強くなる傾向があるため、調整版の多くは効果の大きさはそのままに何らかの方法で早いターンには唱えられないようにしてある。
直接的には、好きな色のマナを1点だけ出せる《水連の花びら/Lotus Petal 》(一部環境で制限カードになっている)や、『待機3』でしか唱えられないため戦場に出てくるのが唱えてから3ターン後になる《睡蓮の花/Lotus Bloom》などの調整版が出されている。
この他、『好きな色のマナ3点を出せる』という効果を含むカードにもLotusの名を冠しているアーティファクトや土地がいくつかあり、こちらの場合は出すのが大変だが何度でも使用できるというものも多い。
でも、お高いんでしょう?
高い。
eBayのオークションで2019年2月に出品されたものは、初版第1刷「アルファ(Alpha)版」であり、保存状態は「超美品」を意味する「GEM-MINT 9.5」の鑑定が付き、16万6100ドル(1800万円以上)で落札されている。[1]
2021年1月に出品されたものは、初版第1刷「アルファ(Alpha)版」であり、保存状態は新品のカードですらめったに付かない「完璧」を意味する「GEM-MINT 10」の鑑定が付き、鑑定ケースにはカードデザインを担当した故クリストファー・ラッシュ(Christopher Rush)氏ご本人のサインが入っていたことから価格が爆騰。最終的に51万1,100ドル(約5,340万円)で落札された。 [2]
アンリミテッド・エディション(カードの枠が白い。発行枚数が比較的多い)で状態の悪いものを探しても70万円はくだらない。リミテッド・エディション(カードの枠が黒い。発行枚数が少ない)[3]は世界中のショップを探しても在庫として置いてあるのは稀で、お値段も時価である。
何故高いのかといえばカードの用途的な価値と美術的な価値の相乗効果である。
前述の通りの超強力な効果を持つため用途的に値が上がる。
MTGには再販禁止制度(全く同じかそのまま強くしたような効果を持つカードを刷らないようにする制度)がありBlack Lotusはその対象になっているため美術品的な投機の対象として値が上がる。
値段が下がる要因がなく、高騰ばかりが進むのだ。
パワー9はいずれも絶版であり「遊べる骨董品」として1枚1枚が数十万の値段だが、中でもこのカードは実用可能なカードとしてはTCG界全体でも最強のお値段である。
これより値段の張るカードといえば、世界に1枚あるいは数枚のプロモーション・カードの類、もしくはエラーカードであろう。
美麗なイラスト、とてつもないカード効果、そして信じられないほどの値段。
MTGというトレーディングカードゲームの始祖において最強のカードと言われるだけの貫禄は十分に備えたカードだといえるだろう。
そんなBlack Lotusですが…
なんとこの度、MtGの弟分であるデュエル・マスターズにプレインズ・ウォーク?しました。
Black Lotus
ジョーク・エクスパンションである「謎のブラック・ボックス・パック」にて登場。
種類もMono Artifactでコストも0と、当時のカードに準拠している。
最大の特徴は本家同様のコスト0。デュエマでも手札から使うカードとしてはこれが初。最初の手札にあれば最初から使える点も同様。
だが、前回のコラボカードであった神ジェイス同様、当然ながら調整はされており、「「最初から使える」とは言ったが「最初からコスト軽減やマナブーストは出来ない」」この1点に尽きる。
コスト0であるためコスト1の他のカードと一緒に使えはするが、コスト軽減するには封印を剥がさなきゃならない(この点で言えば、上述した《睡蓮の花/Lotus Bloom》に近いものと言える)。
またコスト軽減、それもたった一度だけターン中最初のカードのプレイのみなので気軽に使えない。また「封印を剥がす」とは言ったが、やり方を工夫すればターン中に何枚でも剥がせるが、全て剥がすには基本的に3ターン経過しなきゃならない。墓地回収やマナ回収も「カードそのもの」を参照して回収は出来るが、「Artifact」を参照して回収する方法は無いので使いまわしがしづらい。
とは言え、最初の手札にあってそれを使えば、4ターン目にコスト7のカードが使えるのは言うまでもなく強力であり、無色故にデッキを選ばないのも魅力だし、何より過去の封印剥がしにあった「墓地に置く」ではなく「デッキボトムに置く」なので山札を弄らない点もうれしい。墓地ソースでは流石に使えないが。
後余談だが、イラストが地味にアルトアートなのが嬉しい。本家では再録が出来ないからだろう。
このカードの登場によって高騰していた本家Black Lotusがちょっとでも値下がり…すればいいな
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関連項目
脚注
- *https://gigazine.net/news/20190306-magic-gathering-black-lotus/より。
- *『マジック:ザ・ギャザリング』の初版 Black Lotus に6,000万円超えの入札が相次ぐ (HYPEBEAST Jan 29, 2021)
- *リミテッド・エディションも第一刷(通称アルファ版、カードの角が現在のものより少し丸い)と第二刷(通称ベータ版、カードの角は現在のものと同じ)に分かれる。アルファは約260万枚、ベータは約780万枚印刷され、当然アルファ版のほうが価値が高い。
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