LILIUMとは、アニメ「エルフェンリート」のOP曲である。
学名については、ユリを参照。
概要
歌手:野間久美子
作詞:小西香葉/近藤由紀夫
作曲:小西香葉/近藤由紀夫
公式には三つのバージョン、「LILIUM 〜opening version〜」、「LILIUM 〜saint version〜」、「Lilium(Saint & Instrument Remix)」がある。
上記の通りこの曲はアニメのOP曲、つまり歴としたアニソンであるが、歌詞がキリスト教由来の総ラテン語仕上げである事に加え、作詞・作曲の小西氏と近藤氏がどの宗派にも属していない事から、国外では「宗派を超えて通用する完全新作の賛美歌」として、実際に海外の聖歌隊がこの曲を合唱する動画が上げられた「アニメ由来の賛美歌」という扱いを受けている前代未聞の曲でもある。
解題
タイトルの "lilium" はラテン語でユリを意味する。西洋キリスト教世界においてはユリ、特に白百合は女性の純潔の象徴であり、聖母マリアのシンボルとなっている。
LILIUM 〜opening version〜
映像
金地に不思議な模様が描かれた中に登場人物が織り込まれた独特の映像は、オーストリアの画家グスタフ・クリムトの絵画作品を下敷きにしている部分が多い。クリムトはウィーン分離派の旗手として19世紀末に活躍し、それまでの保守的な絵画からの脱却を図った。画風は平面的で装飾的な背景に描かれる人物画を特徴とし、また芸術表現を通して「女性性」について深く切り込んだ。
OPでオマージュされた作品は以下の通りである。
- 『成就』1911年
- 『女の人生の3時期』1905年
- 『アデーレ・ブロッホ・バウアーI』1907年
- 『女友達』1917年
- 『メダ・プリマヴェージの肖像』1912年
- 『水蛇I』1904年
- 『水蛇II』1907年
- 『接吻』1908年
- 『生命の樹』1911年
歌詞
TVOP版として公式に発表されている歌詞には、原典と比較すると重大な誤りが4つある。
- 第一連
"indicium"は「証拠、情報」、"iudicium"は「裁き、審判」をそれぞれ意味する。聖書の語として正しいのは後者。アルファベットを誤読した可能性が考えられる。しかし前者も実際に意味を持つ単語であるので、聖書とは別に意味をもった文章になっている。
- 第二連
ラテン語において"quoniqm" という綴りの語は存在しない。手書きで歌詞を書き写したときにaとqを取り違えたと考えられる。
- 第四連
これも誤記と思われる。男性単数主格形はbenignus、「優しい、寛大な」の意。
- 同じく第四連
quam以下のsancta, serena, benigna, amoenaはすべて形容詞主格単数女性形であるが、これは元の聖歌では女性名詞virgoの述語形容詞として用いられているためであった。ところがこれをamoenaの直後に中性名詞単数呼格のliliumを置いてしまったために、活用に矛盾が生じている。ただし、この部分は明らかに主人公の女の子について言及していると考えられるため、「主人公の女の子」を指す名詞の主格ないし呼格が省略されているとも考えられる。
作詞家本人の意訳
http://ameblo.jp/moka-lilium/entry-11282022935.html
関連動画
関連商品
「エルフェンリート 1st Note(CD付き初回限定版)」のCDに収録。
関連項目
外部LINK
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