とり肉とは (トリニクとは) [単語記事]

とり肉とは、とりの肉である。漢字で書くと以下の2種類に分けられる。

鳥肉…鳥(鳥類)の肉
鶏肉…鶏(ニワトリ)の肉

よって、とり肉が何の肉なのかは、「とり肉」の「とり」が何を指しているのか次第で答えが異なる。

概要(鳥肉)

鳥肉とは鳥の肉である。

人間が鳥を食べる文化は昔から存在する。ニワトリはもちろんのこと、感謝祭やクリスマス等で食べられる七面鳥や、鴨肉を使った鴨鍋や鴨そば、アヒルを丸ごと焼く中華料理の北京ダック等が有名。

昔の日本人は鳩や雉も食べていたが、現在では捕獲が難しいのとニワトリの肉が普及した為あまり食べられていない。雀等の小さな鳥も食べる文化があったが、骨を取り除くと食べる部分があまりにも少ないのでほとんど食べられないが、伏見稲荷の参道の店などで雀の丸焼きが販売されている。このような日本の鳥肉食の歴史についてはZenyA（全国やきとり連絡協議会）「やきとりの歴史」が概略として詳しい。

他にも、ガチョウの肝臓はフォアグラとして世界三大珍味に挙げられている。

鳥肉のタブー

人や地域、宗派によって信仰の形が違うため一概には言えないが、宗教によっては不殺生の教義があるため、食べられない人もいる。

仏教

仏教では不要な殺生は回避する傾向があるものの鳥肉食の禁止はされていない。しかし、大乗仏教では出家した者の肉食全般を禁止する律が出されたことがある。その結果精進料理が生まれており、現在では修行僧やベジタリアンが食べることが多い。

日本では大乗仏教に影響を受けて天武天皇が675年に鶏肉を含む肉食全般の禁止令を出している。これは一時的なものだったが、それ以降、何度も時の権力者から肉食に関する制限・禁止令が出されている。しかし、鳥肉食や鶏肉食を「肉食」のカテゴリの中に入れるか、また入っていたとしても人々が守るか守らないかはまちまちであったようだ。あくまで俗説だが、ウサギを「一羽、二羽…」と数えるのは、（鳥肉を除く）獣肉の食事が禁止されていたときに、兎肉を鳥肉として食べられるようにしたためという説もある。現在では一般庶民は普通に鳥肉を食べており、修行僧以外の僧侶でも鳥肉を食べることが多い。