タンクデサントとは、歩兵が戦車の上に乗っかって共に移動し、戦闘に参加する戦術の事である。
※広義には、戦車以外の装甲戦闘車両の上に乗って移動するものも含める。
第二次世界大戦においてドイツとの戦闘に突入したソ連軍は、ハーフトラックを使用したドイツ軍の機甲擲弾兵部隊の有効性をまのあたりにした。また、歩兵を伴わない戦車は敵歩兵による近接攻撃に対して脆弱であり、貧弱な戦車の外部視察能力ではカムフラージュされた対戦車砲の撃破以前に発見すら覚束ないことを実感した。
しかし歩兵を戦車に随伴させるとしても、当然ながら徒歩では戦車のスピードにはついていけない。トラックに搭乗させても路面状態が悪ければ行動不能になってしまい、かえって戦車部隊の足を引っ張ることになる。しかしソ連に新たに装輪装甲車を生産する余裕はなかった。このため間に合わせとして戦車の車体や砲塔に手すりを多数取り付け、歩兵を直接戦車に乗せて共同行動をとらせた。これがタンク・デサントである。タンク・デサントはある程度成功を収めたが、当然ながら同乗歩兵には多大な出血を強いたので、戦後すぐにソ連は歩兵用の装甲車両(BTRシリーズ)の開発に着手した。[1]
ソ連専用の戦術ではなく、主に移動だけであれば戦中の日本軍やベトナム戦争時のアメリカ軍も戦車の上に乗ることは多かった。第二次世界大戦後は、歩兵輸送車両の地雷対策が進まない中、一網打尽にされないようにと戦車どころか兵員輸送車の上に乗ることが多かったらしい。
なお、戦後にソ連は兵員輸送車の生産に注力したが、居住性どころか生存性もあまりよろしくなかったようで、実際の戦闘では兵員輸送車の上に乗ることが好まれた様子。流れ弾に当たる確率より、地雷直撃でも逃げられる方が生存率が高くなるとかなんとか。どういうことだ。
現在は全くしないとは言い切れないし、馬力的には余裕があるためやろうと思えば可能。
ただし、安全地帯以外では降りる、異常を感じたら降りるのが鉄則。
長所(戦車・装甲車側)
長所(歩兵側)
長所(その他) |
短所 |
タンクデサントではないが、兵員室の上部ハッチを開けて胸から上だけ身を乗り出すものもある。涼しいがもちろん本来の想定された防御力は期待できない。また待ち伏せ攻撃など上からの掃射や、手榴弾や迫撃砲弾・対戦車兵器が中に入れば致命的である。
掲示板
48 ななしのよっしん
2023/04/16(日) 11:45:26 ID: NXz6InqZ3g
それなりに有効な戦法なんだろうけど、軍事素人の自分から見ると、なんかバラエティー番組の罰ゲームみたいに見えてしまうな。
まあそれいうなら、戦場なんかに行くこと自体が罰ゲームか。
49 ななしのよっしん
2023/12/19(火) 23:41:11 ID: ddZcA8THUM
手持ちの車両を使って最速で敵の塹壕に短機関銃を持った突撃兵を送り込もうとしたらこうなっただけで、ドイツ軍の阻止砲撃や阻止射撃に弱いのはしゃあない。阻止射撃や阻止砲撃をある程度潰したあと、塹壕に潜んでパンツァーファウストを持っているかもしれない敵兵を制圧するんだったら、タンクデサントは十分有効でしょ
50 ななしのよっしん
2024/03/15(金) 00:38:52 ID: eYaUlvl9fF
>>49
阻止射撃や阻止砲撃を「確実に」ある程度潰せていたらの話
戦場の霧の中じゃそこんところ、到底おぼつかない
もし敵火点や砲火力がわずかでも生き残ってたら、タンクデサントは瞬時に戦車の上の赤黒い染みになる
だから用兵側にとっちゃ、成果を出せる確証が持てない=使う決断を下しにくい=使いにくい=十分には有効でない、という評価になっちまう
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最終更新:2024/10/06(日) 19:00
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