フレンズ世代交代説

フレンズ世代交代説とは、メディアミックス作品「けものフレンズ」の世界観に関する謎の一つである。ジャパリパークの歴史・時系列についても一部触れる。なおこの言葉の初出はけものフレンズBD付きオフィシャルガイドブック３巻表紙である。

なおこの記事は漫画、アプリ、アニメ、ガイドブックそれぞれのネタバレを含むため閲覧には注意。
それぞれの作品を見ていなければ理解できない箇所も多いと思われるので、まずこれらの作品を見てきてほしい。

概要

メディアミックス作品「けものフレンズ」は、コンセプトデザインの吉崎観音先生がアニマルガール、セルリアン、ジャパリパーク、サンドスターといった大まかな設定を創造し、各メディアはそれらの設定を踏まえつつ独自の世界観を描き出している作品である。
しかしアニメ版けものフレンズが放映されると、放映当初から「このアニメは、放送前にサービスが終了したアプリ版（ネクソン版）の後の世界観を描いたものではないか」という考察がされるようになる。
そして実際にアニメの放送が進むにつれ、「フレンズたちは世代交代している」ということが分かるようになり、また不確実であるが徐々にアプリ版とのつながりも見えてきたのだった。
さらにガイドブックの３巻が発売されると、特集ページにより明確な形で「フレンズ世代交代説」が示されることになった。

ただし、「漫画、アプリ、アニメの世界がすべてつながっている」と仮定すると矛盾が生じる箇所もある。
またプロジェクトの公式としても完全にすべての世界の歴史が地続きであるとは明確に発表していない。
何が正しいと決め付けるのではなく、フレンズ世代交代説はあくまで考察を盛り上げる一要素であることを心にとどめておこう。

アニメにおけるフレンズ世代交代説

• アニメにおいては舞台であるジャパリパークを第一話から一貫して「かばんちゃんを除きヒトは一人もいないが、ヒトが残した文明の遺物が各所にみられる場所」としてを描いている。
• 第４話ではツチノコによって「例の異変」と呼ばれる事件によりパークは閉鎖されたことが示される。また、かばんに会うまでヒトは絶滅していたと思っていた。
• 第７話では博士と助手によって、ある日を境にヒトはパークからいなくなったことが語られる。
• 第８話ではアニメに登場するPPPが「ペンギンアイドルユニットとして３代目」であることが語られ、初めて明確にフレンズが世代交代していることが示される。
  
  • なお「初代は４人、２代目は３人、そして３代目であるPPPが５人」とのことである。
  • 参考までにアプリ版のペンギンアイドルPIPは４人。漫画版PPPも作中には4人が登場するが、単行本では扉絵にプリンセスも描き加えられている。
• 第９話では、時折ボスから発せられる声の主が「ミライ」という人物であることが分かる。
  • またミライと行動をともにしていた者の存在が示される。
• 第１０話では、ボスから投影された映像によって「ミライと行動をともにしていた者が、サーバルとよく似たフレンズである」ことが発覚する。
  
  • 主人公サーバルはこの映像に見覚えがなく、「同じフレンズ」が同時に生まれることもあるとかばんに説明した。
  • 主人公サーバルは映像を見て、自分でもよくわからない涙を流した。
  • なおこの映像のサーバルは、主人公であるサーバルとは少し目のデザインが異なり、CVは野中藍さんが務めている。参考までにアプリ版のサーバルのCVは野中藍さんであった。
  • 映像の中でミライは、このままでは自分たちスタッフが完全退去しなければならないことを報告した。
• また同じく１０話にタイリクオオカミは嘘とも本当とも付かない話をサーバルたちに聞かせるが、この話のいくつかはアプリ版のストーリーを想起させるものとなっている。（例：フレンズ型セルリアン→セーバルを想起）
• 第１２話では、観覧車の中の映像によって結局ミライたちはパークを退去したことが明らかになる。
  
  • また１話でセルリアンに襲われたと思われる「アードウルフ」が動物の姿で登場した。
    
    なおアニメ版ミライのCVは、アプリ版のCVと同様の内田彩さんである。

ガイドブック３巻

５月２６日発売のガイドブック３巻に「フレンズ『世代交代』に関して」と題して１ページの特集が掲載された。まずイラストと矢印によって以下のことが示された。

• 漫画版のフライ先生が描いたサーバルが第１世代
  • 第１世代の後、「セルリアンが大発生『女王事件』」が起こる
• 「女王事件」の後、アプリ版の吉崎観音先生が描いたサーバルが第２世代
  • 第２世代の後、「例の異変」が発生
• 「例の異変」の後、アニメ版のたつき監督が描いたサーバルが第？世代

ただし注意として、ガイドブックにはそれぞれの世代のサーバルが「漫画のサーバル、アプリのサーバル、アニメのサーバル」と明記されているわけではない。
また博士と助手の会話によって以下のことが示された。

• セルリアンや事故などでフレンズの姿は失われる
  • その時にフレンズになった時点まで寿命はまき戻る
  • そのため記憶も残らない
• 同じ個体が再びフレンズになることはない
• 同種別個体が生まれる確率は多胎児が生まれる確率に近い

ただしこれも、あくまで博士と助手が知っている範囲で話していることであり絶対ではない。
本人たちも「例の異変」以降のことしか知り得ないと言っている。

そして博士たちが「同種別個体が生まれる確率は多胎児が生まれる確率に近い」「別のちほーに行けば自分と同じ種に出会えるかも」と会話している後ろに、よく見ると薄く新たなデザインのフレンズが描かれている。
吉崎先生のツイートよりこのフレンズが「エクストラ版サーバル」なのだと類推できる。

その他

こちらのインタビューで、けものフレンズプロジェクトの梶井プロデューサーとヤオヨロズの福原プロデューサーがこのように話している一幕がある。

福原：関わってる自分が言うのもおかしいですが、『けものフレンズ』って、なんか変わったツクリの作品ですよね。ゲームのときの「サンドスター」は空から降ってきたんですよね？　でもアニメは火山から出てきてる。

梶井：うん。あれは火山から出てきている理由があるんです。きちんと説明したら、きっとわかってもらえると思います。なかなかシビレる内容で、特にゲームやってた人には……。

考察ポイント

結局、それぞれの世界は歴史的につながっているのか

完全な地続き説、似ている世界説、異なる世界線説、まったくの別世界説…、さまざまな説が提唱されている。
確実なところは現時点でははっきりしない。
ただ各メディア間になんらかのつながりがあることが示されているだけである。
各人の好きなように考察してみよう。

ミライ

ミライという名前のキャラクターは３作品すべてに登場している。
しかし漫画版ではベテラン、アプリ版では新米という扱いになっており、漫画→アプリ→アニメであるならば、順番が逆にも思える。
そもそも漫画版やアプリ版では、ミライはほとんどの場面で「ガイドさん」としか呼ばれない。

ペンギンアイドルグループ

作中で「初代は４人、２代目は３人」と語られているが、４人グループのPIPがいたのは第２世代であり、順番が逆にも思える。
もしかしたら、ここでいう初代とは第２世代をさしていて、アニメ世代（PPP）との間にもう一つペンギンアイドルがいたのかもしれない。
また、5人グループとしてのPPPは、PIPへのプリンセスのスカウトに伴って誕生したともされている（参考ツイート）。

なお後発作品のけものフレンズ3では、PIPがほんのわずかな間だが3人になってしまう場面がある。その直後に5人になり、更にその後にPPPに改名する。

サーバルちゃんの涙の理由

アニメ１０話でサーバルがボスの写した映像を見てなぜか涙がでた理由もよく考察されている。
一説には前世代の記憶が本人の無意識の中に残っているのではないかとされている。
なお２０１７年６月２６日実施のアニメ版けものフレンズの一挙配信ではたつき監督が要所要所でコメントしていたが、このシーンにおいて「なんかこのあたりをすごい色々考えて色々手をうちましたが、ほとんど忘れてる・・・」と発言しており、真相は藪の中である・・・。

女王事件

アプリにおいて第２世代のサーバルたちが女王事件を解決しているため事件の起こった順番が逆に思える。
ただし矢印が示している箇所が女王事件の「発生（開始点）」ならば順番は間違っていない。
あるいはもしかしたら、女王事件を無事解決して第２世代のサーバルたちが平和を謳歌したが、その後「例の異変」が起こってキョウシュウエリアから撤退したという意味かも知れない。

なお後発作品のけものフレンズ3ではネクソン版での出来事を女王事件と呼んでいるが、その一方でセントラルが女王に襲撃されて第1世代のサーバルたちが消えてしまったことをほのめかす描写がある。

例の異変

ヒトがアニメサーバルたちの住むキョウシュウエリアから撤退した事件とは何か。
女王事件とは別のできごとのようだ。
ミライが残したメッセージから、巨大セルリアンや、四神、火山が関係するのかもしれない。

第？世代

アニメ版とされる世代は、第？世代であり、第２世代からどのくらい時間が経過したかが謎になっている（けものフレンズわーるどによると2000年）。
サンドスターには物体の腐食や劣化を抑制する効果があるとされているが、それを考慮しても劣化が進んでいるように見える施設もある。
また長い時間が経過していた場合、キョウシュウエリア外、またはパーク外に人類は生存しているのかも謎である。

エクストラ版サーバル

漫画、アプリ、アニメの三人のサーバルとは服はほぼ共通だが（しかし細部は結構違う）、顔のデザインが大きく異なっている。
耳が外向き、髪の独特な模様など、よりリアルなサーバルキャットに近い。
博士と助手の会話の裏側に意味深に描かれているので、このサーバルは世代交代による別時代のサーバルではなく、「別のちほーにいる同種別個体」なのかもしれない。

けものフレンズ3

ネクソン版の出来事を女王事件と呼ばれているほか、もっと前には漫画版の世代がいたが今はもういないことをほのめかす描写が特にシーズン2の5章に多かった。

• カコミスルはパークができる前にフレンズ化したが、当時はサンドスター濃度が不安定だったので短期間で動物に戻ってしまった。今のカコミスルは別人。
• それより前にアオツラカツオドリのフレンズが確認されたが、同じ理由で動物に戻ったと推測されている。
• クジャクが観光大使としてパークの宣伝をしていたというソンゴクウの発言に対して、それは今のクジャクではないとナナが訂正している。
• ブラックサーバルは記憶がおぼろな動物だったときに触れ合っていた前の世代のフレンズを話題に出すことがある。また女王事件の際にフレンズが消えていったのを目撃していたらしい。

関連動画

関連チャンネル

関連項目

• けものフレンズプロジェクト
  • けものフレンズ -ようこそジャパリパークへ!-
  • アプリ版けものフレンズ
  • けものフレンズ
• けものフレンズの関連項目一覧
• けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック
• ジャパリパーク
• サンドスター
• サーバル(けものフレンズ)
• ミライ(けものフレンズ)
• PPP(ペパプ)
• セルリアン(けものフレンズ)