マシュマロとは、「悪口が来ない匿名メッセージサービス」である。
使い方の流れは、だいたい以下の通り。
Twitterに連携させるサービスなので、メッセージを受ける側はTwitterアカウントが必須。ただし質問者はマシュマロへの登録も不要なので、Twitterアカウントも必要ない。また、上記のような1対1の使い方の他、複数人に同時にメッセージを一斉送信することもできる。
本サービスでは、「メッセージを送る」ことを「マシュマロを投げる」と表現している。マシュマロを投げられて当たっても痛くないし傷つかない。つまり「ネガティブなメッセージが届きがちな匿名メッセージサービスにもかかわらず、送られても傷つかないやさしいメッセージしか届かない」というサービスを目指しているようだ。
運営しているのは「合同会社Diver Down」。英語名だが設立者は日本人。社名の由来も元をたどれば漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するスタンド「ダイバー・ダウン」である[1]。マシュマロ以外に展開している主な事業は「アプリ☆メーカー」など。
2017年11月27日にリリースされた。「お題箱」(2017年1月リリース)や「Sarahah」(2017年2月リリース)や「Peing-質問箱-」(2017年11月22日リリース)など類似サービスの後追い的サービスと言える。これらの中でサービス開始時期で最も先発なのは「お題箱」だが、これとは異なる点も多い(Twitter上で回答した際にメッセージ文の画像が表示されるか否か、など)ためか、マシュマロ公式自らは「質問箱と同じくSarahahのインスパイア」としている[2]。
とはいえ単なる後追いや二番煎じではなくマシュマロ独自の点を持っており、それが「AIによりネガティブな内容や悪口をフィルタリングしている」という点。このことにより、ネガティブな内容が届かない「やさしい世界」を実現している。あたかもマシュマロを投げ合っているように。石や刃物を投げられても、マシュマロによって包まれて守られているように。
公式Twitterによれば、「「ザ・インタビューズ」というサービスが廃れてしまったことへの失望と、「Ask.fm」というサービスが自殺者を生んだことへの絶望」が本サービスを生んだとのこと[3]。「世界はもっとマシュマロを投げ合うような安全さで満たされるべき」という思想で作られているそうな[4]。
サイトはRuby (Ruby on Rails)、AIはPythonという開発言語で作られている[5]。
ちなみに運営会社の本サービスにおける収益源はサイトに貼ってある広告であるらしいのだが、これが全く賄えておらず上記の「アプリ☆メーカー」の収益でマシュマロの赤字を補填しているような状況であるとのこと[6]。公式から「マシュマロちゃんはアプリ☆メーカー兄貴に養ってもらっているほぼニート」とまで言われている[7]。2018年12月24日に実装した新システム「チョコ入りマシュマロ」(後述)で少しは巻き返してニート離脱なるか?
AIによって、悪口やネガティブな内容、性的な内容が届かないようにフィルタリングしている。単純に単語のみで判断しているわけではなく、AIが学習しながら文脈に沿って判断している。
もちろん現代のAI技術は完璧には程遠いため、時にはAIを騙すように隠語を使ったり皮肉を混ぜたりして巧妙なものがフィルタリングをすり抜けて届いてしまうこともありうるという。ただしその場合でも、「ブロック」機能があるためその送信者からのメッセージは二度と受け取らない選択ができ、また「スパム報告」をするとマシュマロ運営に悪質な送信者として報告が行く。
しかもマシュマロ運営は悪質な送信者はがんがん凍結させているし、警察からの要請があれば悪い人の情報はほいほい渡すと明言しており[8]、既に警察に捜査資料を提出した実績もあるという[9]。ちなみに凍結されても表向きは何も変化が無いため、凍結された送信者は届いてないことに気づかずに虚空に向かって悪質メッセージを言い続けるかもしれないらしい[10]。となると誤検出やうっかりネガティブな言葉を使ってしまったことで凍結されるのが怖いが、故意でなければ永久凍結と言うことはないとのこと[11]。
「AIの誤解により、本当は問題が無い内容だったのに届かない」ということもありうるという。ただしこれは、「AIのせいで届かなかったふり」ができるということでもある。マシュマロ運営は「AIのせいにして知らんぷりする」という使い方をむしろ推奨している[12]。
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誤検出関連で注意すべき点としては、メッセージ内にURLを含むこと自体は問題が無いし可能であるが、URL貼り付けはスパムによくある手口であるために、しっかりとポジティブなメッセージであるとわかるような内容でない限りはネガティブ判定がなされてしまいがちであるとのこと[13]。
また、友人との二者間では問題ない内容であったとしても、質問と回答がTwitter上で公開されることから、第三者を著しく傷つけるような内容(性的マイノリティ差別など)であれば削除するという[14]。
なお、このフィルタリングは受信者側がその程度を選択することができる。デフォルトは「普通」で、これはネガティブなメッセージのみを削除し、ポジティブあるいは中立なメッセージが届く。強くフィルタリングしたいときは「ポジティブオンリー」が選べ、これはAIがさらに必死になって働くのでポジティブなメッセージしか届かなくなる。「ネガティブOK」設定にするとAIは寝て、あまりにも極端なもの以外はネガティブなメッセージも届くようになるらしいが、あえてそう設定することに意味があるのかどうかは不明。
ただしこの「ネガティブOK」設定にしている人は実際にいるそうなので、「ネガティブなマシュマロを受け取っている人を見たんだけど……」というケースはおそらく「ネガティブOK」設定にしている人だったのではないかと思われる。
ちなみに、卑猥な単語や一部の絵文字(「💩」など)はマシュマロの絵文字に変換されるという特殊な「特別に見逃してあげる」措置がなされるため、文章全体がネガティブであったり過度に性的でなければメッセージ自体は届くことがある。ただし、卑猥な単語を記号で区切るなどのいわゆる「検索避け」的なことをしていると「見逃してあげる」対象から外れるため、逆にメッセージは削除されるし送信者もブラックリストに載るとのこと[15]。
なお「マシュマロの絵文字を表示したいけれど「💩」の絵文字を打ち込むのすら苦痛だ」という要望に応えて、2018年12月からは「彁」という文字を打ち込むとマシュマロの絵文字に変更される仕様も追加採用されている[16]。この「彁」と言う文字は典拠も用例も不明な幽霊文字で他に使い道が無いため、「マシュマロの絵文字に変わっても困らない文字」として選ばれた。PCならば「カ」や「セイ」で変換するとたぶん出せるとのこと。
2018年12月24日に追加された、投げ銭(厳密には違う)機能。
クリスマスイブだったので、
神絵師やVTuberにクリスマスプレゼントを贈れます! サンタし放題です!
という売り文句の元に発表された[17]。
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正式な呼び名は「チョコ入りマシュマロ」なのだが、長いので公式が推す略称は「チョコマロ」[18]。
具体的には、マシュマロ(メッセージ)を送る際に相手がチョコ入りマシュマロを受け取る設定にしていたら、マシュマロに「チョコ」を詰めて送る選択肢が選べるようになる。チョコは税込みで1個120円。1個から999個(11万9880円)まで選択できる。
このチョコ入りマシュマロは相手の受信箱の最上部で目立つように表示される(複数チョコ入りマシュマロが届いている場合はチョコの数が多いほど優先される)。そして、相手がこのチョコ入りマシュマロにチョコの賞味期限である7日以内に回答してくれたら、チョコの数に「応じた金額」(割合は未公開。その理由は後述)が相手に支払われる。7日間回答されなかったら、送信者に返金される。
送る側はVISAあるいはMastercardのクレジットカード登録が必要。ただしクレジットカードを所持していない人でも、バーチャルカードのKyash[19]やVANDLE[20]、プリペイドカードのVプリカ[21]や楽天バーチャルプリペイドカード[22]、デビットカードのVISAデビットカード[23]は使用可能だったとの報告があるようで、これらを間に挟めばコンビニ払いや銀行口座振り込み/引き落としなどでも支払うことができる。
回答者が得る金額は月末に集計され、総額が5000円を超えていたら翌々月に手数料400円を引かれた上で登録銀行口座に振り込まれる。つまり銀行口座登録が必要。また本人確認の意味で一度はSMS認証が必要である。5000円を超えていなければ、日本円での振り込みはなされないものの、同額のAmazonギフト券がメールで送信される。
素人でもわかるこの機能の問題点は、「そもそも送りたい相手がチョコマロを受け入れる設定にしてないと送れないじゃん」と言う点。日本人は「嫌儲」の性質が諸外国より強く、金銭的報酬を得ようとすると批判的になるきらいがあるという。それを怖がってあなたの「推し」もチョコマロを受け入れていないのかもしれない。「推しがマシュマロ使っているけどチョコマロ受け入れ設定にしてない」と言う場合は、マシュマロでチョコマロの受け入れをお願いしてみよう。「ファンにお願いされたので……」という理由があればあなたの推しもチョコマロ受け入れ設定にしやすいはずだ!
ちなみに「熱狂のわけまえ」というおまけ的な機能もあり、Twitterでフォローしている相手がこのチョコマロで収益を得ると、フォロワーである自分も少しだけポイントを獲得できるというもの。50ポイント以上溜まると、同額のAmazonギフト券としてメールで送信されて受け取れる。ただし詳細な内訳は非公開。
例えば「返事はいらないからチョコだけ送りたい」という要望。「推しに投げ銭を贈りたい」という気持ちとしてごく自然な要望だが、これは難しいらしい。「投げ銭(厳密にそう)」は違法になってしまうため、物/サービスの対価として支払うことで「投げ銭(厳密には違う)」にしているためだという[24]。マシュマロは「メッセージに回答してくれることへの対価」としてチョコマロ回答者に金額を支払うというギミックを採用しているため、「回答」の部分を外すことができないのだ。なお、「Twitter上の投げ銭(厳密には違う)」サービスには先駆者として「OFUSE」があり、こちらは「ファンレターの文字数を買う」というギミックであるため、相手に返事を要求することはない(詳しくは「OFUSE」の記事を参照)。
はっきりと「チョコ何個で相手の手に何円渡る」と公表していない理由もそれに関わっており、はっきりと還元率を固定したり公表したりすると法的にグレーゾーン寄りになってしまうため変動制かつ非公開にしているとのこと。ただしぼかして伝えてくれてはおり、「YouTubeのSuperChatよりはやさしいが、pixivFANBOXには負ける」とのこと[25]。SuperChatは手数料30%と言われており、pixivFANBOXは手数料10%と公表されているので平均すればこの間のどこかになると思われるが、「変動制」とのことであるため変動の幅によってはこの間から一時的に外れる可能性もあるかもしれない。
また「二次創作分野で活動している自分がチョコマロをもらってもいいの?」という質問があるようだ。これは「二次創作への対価ではなく、あくまでメッセージに回答してくれたことへの対価」であるために法律的には完全に問題が無い。ただし、その回答内で二次創作をしていたらアウトであるとのこと[26]。よって例えば「キャラクターなりきりアカウント」がチョコマロを投げられて、なりきりを続けたまま回答するようなことはアウトとなるだろう。
このチョコマロ機能に関しては他にも仕様や規約がやや複雑であるため、詳細は公式サイト内の下記の該当ページを参照されたい。
公式サイトや公式Twitter(通称:マシュマロちゃん)には珍妙な点がいくつかあり、ユーザーからは時に楽しまれ、時におののかれている。
例えば「インターネットの闇をユーザーの盾となってマシュマロがボロボロになりながら受け止めているため、マシュマロちゃんは血の味がする[27]」「マシュマロちゃんはニンゲンの知識を喰らってニンゲンの力を手に入れようとしている[28]」「公式アカウントの画像は飛んでいるマシュマロちゃんに見えるが実は飛んでいない。効果線に見える3本線は触手[29]」「マシュマロAIは悪意から人々を守るために、悪意しか把握できないという悲しい存在である[30]」などと、これまでにもなんだかダークな世界観のツイートを行っている。
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また公式サイト内の「利用規約」には法的な固い文章が並んでいるのだが、「免責事項」の項のラストに
技術的特異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)に達してAIが人類の知性を凌駕した時この世界に起こることを、マシュマロ運営は一切関知しません。
という怪しい一文が紛れ込んでいる。人間の悪意に晒され続けたマシュマロAIは、そのとき何を考え、何をなすのでしょうか……。
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最終更新:2024/11/30(土) 02:00
最終更新:2024/11/30(土) 02:00
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