OFUSE 単語

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OFUSEオフセ)とは、クリエイターに対してお布施することができるウェブサービスである。運営企業は「株式会社Sozi」。

メインとなるサービス「OFUSEレター」は、一言でいうと「投げ銭付きファンレターサービス

概要

ただ感動した、楽しかった、何か感じるものがあった、そんな気持ちを手紙に込めて送りたい。ついでにお金もねじ込みたい。そんなあなたに!

公式ツイートexitより

ありがとう」の気持ちとともに、クリエイターに有料でファンレターを送ることができるウェブサービスである。そして、支払った料金の大半がファンレターの送り先のクリエイターに還元される。

ファンレター」というと大げさにも聞こえるが、文字数は非常に少なくてもよく、極端に言えば1文字でもよい。

株式会社Sozi運営している。同社はかつては「株式会社Ofuse」だったが、2019年4月に「株式会社Sozi」に社名変更した[1]

2018年3月25日β版としてスタートし、その約5か後の2018年9月4日に本格的にサービスを開始。そして2019年2月25日に大規模アップデートとともに正式版がスタートした。さらに2020年4月25日リニューアルを行い、その際にサービス名が「Ofuseからすべて大文字の「OFUSE」に改められた。

2021年10月27日にも再度リニューアルが行われ、従来の投げ銭サービスに「OFUSEレター」という名称が付けられた上で、その他にpixivFANBOXやpatreonみたいな定額制応援サービスメンバーシップ」や、OFUSE内に投稿された作品に対して投げ銭付きのコメントを送ることができる「OFUSEコメント」などのサブサービスも開始された。

βサービス開始直後はTwitterアカウントの連携が必要だったためTwitterユーザーのみを対としたウェブサービスだったが、その後GoogleFacebookアカウントも使用可なように機が拡された。さらに2020年リニューアル時に「ログインしでもファンレターを送ることは可」という、さらに気軽に利用できる仕組みに変更された。

ちなみにこの場合の「クリエイター」の範囲は広く、公式サイトexitの「よくあるご質問exit」内では、「どんな人がOFUSEでクリエイター登録可ですか?」という質問に対して

OFUSEでは、「クリエイター」を明確には定義しておりません。OFUSEで応援したいと思ってくれる方がか一人でもいれば、どなたでもクリエイターとしてOFUSEにご登録いただけます。

と回答している。

よって「面ツイートをしている人」など、あまり「クリエイター」と表現されることがない人々も含む[2]

さらに、この回答では続いて

またOFUSEは、制作物に対してではなく制作者個人に応援感謝の気持ちを伝えるサービスですので、一次創作者でなくともご登録いただけます。

とも表明されており、「創作物そのものへの対価ではない」という前提を掲げることで著作権の問題を回避している。そのため、パロディ同人誌制作者やコスプレイヤーなどの二次創作者、あるいは仕事として制作していて作品自体の著作権を有していないアニメーターなどもOFUSEを受け取ることができる。

OFUSE運営も認めるこのサービスの弱点は、そもそもクリエイター側が登録していないとOFUSEを送ることができないこと。そのため運営公式Twitterで、ファンからクリエイターに「OFUSE登録してほしい」とをあげることを推奨している。

問題はですね!推しがこれに登録してくれないとOfuseできないんですよ!!!なので推しの方がいらっしゃいましたら登録してもらいましょう!お前が好きだー!の気持ちをぶつけさせてくれ!!!

公式ツイートexitより

クリエイターさんがOfuse箱を「設置したよ」というのはハードルが高いかもしれません。なのでファンの方からをあげましょう!をかければ「頼まれたから」と大義名分ができますので!設置しやすいかと!設置してあるのを見たら「かに頼まれたんだな」と思えば全てが平和です

公式ツイートexitより

とはいえ、ファンが憧れのクリエイターに話しかけるのは少し敷居が高い。

その問題をうけてか、2019年2月25日の正式版スタートからは、OFUSE公式に「お布施したいけどOFUSEに登録していないクリエイター」を知らせると、OFUSE公式が代わりにそのクリエイターに「OFUSEアカウントを作りませんか?」と代わりにコンタクトを取ってくれる……というサービスも開始した。

こういった運営の促しが功を奏しているのか、サービス開始のその年のうちに登録クリエイター1000人をえた[3]。その中にはプロ漫画家小説家アニメーターが居るかと思えば、ニコニコ動画への動画投稿者ゲーム実況MMDゆっくり解説動画VOICEROID実況プレイ動画……などジャンルは多様)や「小説家になろう」への小説投稿者が居たり、その他にも非常に幅広い。

なお、公式は問い合わせ用メールアドレス公式Twitterなどで意見や要望や不具合報告などを募っており、寄せられたそれら意見・要望への回答や不具合修正なども積極的に行っている。地な改善活動を続けているようだ。ちなみに、エラーや不具合などはメールで送るより公式TwitterへのDMで送る方が、エンジニアに直結するためめに対応できるとのこと[4]

「OFUSEレター」の仕組み

  1. ファンが1文字2円(絵文字4円)でファンレター文字数を買う。
  2. 購入した文字数制限の中でファンレターを書いて、クリエイターに送る。
  3. クリエイターファンレターが届く。
  4. さらに、ファンが支払ったお金のうち、手数料10%消費税込み)を引いた90%クリエイターに振り込まれる。

という仕組みになっている。

2021年11月時点で、ファンが1回に支払うことが可な金額は100円1万1000円。よって、ファンレターの最大文字数は5500文字絵文字を使用しない場合)ということになる。

(※βサービス開始から、購入可文字総数は変化している。また支払った額からクリエイターの手に渡るまでに差し引かれる割合も、以前は17%強だったが2021年10月リニューアルからは10%に改善される[5]など、こちらも変化している。最新の情報公式のFAQ・お問い合わせページexitなどを確認されたい。)

なお、支払った金額分の文字数を使い切らなくてはいけないわけではない。つまり、例えば1万1000円支払って「」の一文字のみのファンレターを送ることもできる。

また、文章を考えるよりも気軽に送れる「スタンプ」を選択することもできる。こちらのスタンプは550円以上であれば金額に関わらず1つ送れるようだ。例えば5500円使う場合、5500円スタンプを1つ送ることもできるし、550円で1つのスタンプを送ることを10回繰り返すこともできる。

OFUSEタイムライン表示

2020年11月からは、OFUSEレターを送られた時にリアルタイムタイムライン表示する小さなウィンドウ「OFUSEタイムライン」が新機として登場した。

YouTubeスーパーチャットウィンドウのようなもので、これを画面内に配置しておくことでOFUSEレターリアルタイムに表示されていく、というもの。

ライブ配信などにおいて使ってもらうことを想定しているようだ。

決済に関して

ファン文字数を購入する(=OFUSEする)ときは、メールアドレスクレジットカード/デビットカード情報を入力して決済する。または、iOS / Androidスマートフォン/タブレット端末からのアクセスApple Pay / Google Payに対応していれば、シンプルにそれらApple Pay / Google Payから決済することもできる。

対応クレジットカード/デビットカード会社は、2020年5月25日現在時点でJCBVISAMastercardAMERICAN EXPRESSDiners ClubDISCOVERの6社[6]サービス開始当初はJCBは対応していなかったが、2020年5月23日に利用可となったことが告知された[7]

なお、ローソンの「Loppi」やファミリーマートの「Famiポート」などのコンビニ端末で購入でき、さらにインターネット上でも購入できるexitネット専用VisaプリペイドカードVプリカ」も、Visaクレジットカード扱いで使用できる[8]

この決済システムには大手決済サービス会社「Stripe」exitシステムを利用している[9]。決済という重要部分であるため、手数料を払ってでも信頼性の高い外部企業に委託しているようだ。

クリエイター登録に関して

一方「クリエイター登録」を行う場合では、名前/生年日/住所を登録し、運転免許などの本人確認書類の画像(スマートフォンカメラで撮した画像で可)をアップロードし、受け取り用の銀行口座も登録する必要がある。

この部分の敷居が高いとして、ユーザー登録はしたもののクリエイター登録には二の足を踏む、という人も居るようだ。

かしこういった顧客本人確認手続き(Know Your Customerの略でKYCと呼称される)は、成り済ましやマネーロンダリングを防ぐため金融サービスを行う上ではサービス提供者が必ず行うべきとされているものであり[10]、「ユーザーから敬遠されそうな要素でも、安全や法令遵守のために必要な手続きは省略しない」という堅実な姿勢を示すものではある。

また公式より、これら入力された個人情報についてはなるべくOfuseでは保持しないような作りにしている、とのアナウンスもされている[11]

ちなみに、海外在住の人物でもクリエイター登録自体は可であるという。ただしクリエイター登録時に日本国内の住所および日本国内の銀行口座の登録が必要になるということで、「今は海外に住んではいるが日本にも生活拠点がある」ような人物以外の登録は難があるようだ[12]

クリエイター登録と銀行口座登録を終えた後、クリエイターniconicoTwitterアカウントプロフィールや作品ページに、自分のOFUSEページへのリンクる。それを見たファンのうち「OFUSEしたい」と思った人がOFUSEする……という流れになる。

このOFUSEページへのリンクは各種のURLQRコード化するウェブサービスQRコード化しておくこともできるので、例えば「演奏会や創作イベントなどで、投げ銭の受け皿としてQRコードを大きく印刷した掲示を置いておく」といった使い方もできるだろう。

クラウドファンディングなどとの違い

Kickstarter」「Makuake」のようなクラウドファンディングサイトと異なるところは、「作品の完成を期待して支援する」といった要素が意図的に排除されている点。

で、なんでクラウドファンディングじゃないのかというと、個人的な意見なんですけど、「お返し」、大変じゃないですか?そんなことしなくていいから安心して作品作ってくれって思いません??私は思います。いえ、そういうのも大事だとは思うんですけれども・・・

公式ツイートexitより

こういった観点から、OFUSEレターされたことに対してクリエイター側からのリアクションはほとんどできない仕組みになっている。

Ofuseしたんだからもっと○○しろよ、みたいな使い方は違うと思っています。なので、Ofuseでは、Ofuseされたことに対するリアクションはできないようになっています。なぜなら「Ofuseしようと思った」時点で、「すでに何かを受け取っている」という認識だからです。

公式ツイートexitより

Ofuseという名前は「見返りをめずに感謝の気持ちを伝えること」という意味でつけさせてもらいました。実際に使われる言葉としても、してもらったことに対する対価ではなく、あくまでも感謝の気持ちで包むそうです。だからおおっぴらに値段が決まってないんですね。

公式ツイートexitより

βサービス開始当初は、Ofuseされたファンレターに対する返信さえもできない仕様だった。しかし「返信がしたい」という要望が寄せられたのか、2019年2月25日の正式版スタートからは返信をすることも可となった。

かしこれはあくまで「返信すること『もできる』」という機であって、返信することが推奨されたりはしていない。

また、「pixiv FANBOX」「Patreon」「Fantia」「Enty」のような課金コンテンツラットフォーム/パトロンサイトとも一変わったサービスであったが、2021年10月27日リニューアルからこれまでのメインサービス「OFUSEレター」とは別に開始された新サービスメンバーシップ」は、これらによく似た定額課金制のサービスとなっている。

niconicoとのかかわり

関係。

しかし公式Twitter中の人niconicoユーザーでもあるようで、niconico投げ銭が付いていない事に対するフラストレーションもこのサービスを立ち上げた原動力の一つになっていたようだ。

ニコニコ投げ銭はいつ実装されるのだろうなぁと思いはや何年経ったでしょう・・・

公式ツイートexitより

ニコニコ投げ銭付いてたら銭投げまくりたい人沢山いるんですよね・・・なのでOfuse登録して欲しいんですよ・・・銭を投げつけさせてください・・・この想いよ届け・・・

公式ツイートexitより

ここをたまたま読んだniconicoの利用者の方々も、OFUSEに登録してユーザーページとか動画説明文とかに自分のOFUSEページへのリンクを書くと、この公式Twitter中の人のような気持ちを持っていたかが喜んでくれるかもしれない。

信頼性、法的妥当性

運営企業の信頼性

お金が関わるサービスでもあることから、サービスを開始する前から公式には「これ詐欺?」という反応がたくさん返ってきたという[13]

しかし運営企業株式会社Sozi(当時は、社名変更前の株式会社Ofuse)は東京都が起業支援事業として運営している「アクセラレーションプログラム」の2017年に募集された第5期にて、計105件の応募の中から選ばれた9件の一つとして採択され[14]、「青山スタートアップアクセラレーションセンター」の利用を許可されている[15]

少なくとも「2017年東京都が書類審した限りでは詐欺ではなかった」ということでもあり、ある程度信頼してもよいようだ。

サービスの法的妥当性

また、かつて「Osushi」という類似サービスにて法的な問題点が浮上してサービス内容を変更せざるを得なかった事例があったことを踏まえて、「Osushiの二の舞になるのではないか」という懸念のもあがったようだ。

その「Osushi」は当初は「お金を送金する」というサービス形態であったが、問題点が摘されたために開始直後にサービスを一旦休止。その後「ポイントを送り、送られた側はそのポイントを使用して商品と交換する」という形態に変更することを余儀なくされた。

これは「Osushi」の当初のサービス内容が「資金決済法」上の「資金移動業」にあたるものだったためではないかと言われている[16]。「資金移動業者」は内閣総理大臣への登録が必要であり、本人確認措置(上記「決済やクリエイター登録に関して」の節で触れた「KYC」)も必須である。「Osushi」にはこのKYCの仕組みがかった。

一方、「Osushi」と違ってこのOFUSEはあくまで「ファンレターを送るために文字数を購入してもらうサービス」であり、その購入代金をファンレターの送り先にも還元するという形式をとっているため、「送金」にはあたらないという一工夫をしている。またお金を受け取るクリエイターへのKYCもしっかりと行わせることでマネーロンダリングや成り済まし等の悪用への対策も講じている。そのため、「Osushi」で起きた問題の二の舞は避けられるようだ。

OFUSEの公式Twitterでは、弁護士と相談して法律的な諸々で問題ないように整備しているとのアナウンスもされている[17]

また、消費者庁ウェブサイト内で開されている資料[18]によれば、2018年株式会社Ofuseの代表者が「第31回インターネット消費者取引連絡会」という消費者庁催の会合に出席しており、その会合において「Ofuseのサービスについて、資金決済法上の資金移動業には該当しないのか。」という質問に対して「本件については金融庁にも確認済みであるが、本サービスにかかる費用はファンレターのための文字を買う対価であり、文字を買ってもらうことで当社の売り上げとなり、その売り上げの一部をクリエイターに還元する仕組みであるため、資金移動業には該当しない。」と解答しているようだ。

関連項目

関連リンク

公式

その他

脚注

  1. *株式会社Soziの情報|国税庁法人番号公表サイトexitより
  2. *公式ツイートexit
  3. *Ofuse-投げ銭付きファンレターサービス | Startup Timesexitより
  4. *公式ツイートexitより
  5. *公式ツイートexitより
  6. *公式サイト「よくあるご質問」exit内、「利用できる決済方法を教えてください」という質問への回答より。
  7. *公式ツイートexitより
  8. *公式ツイートexitより
  9. *ファンとクリエーターをつないでお布施できるWebサービス『Ofuse』 | Step By Stepexitより
  10. *「KYC ".go.jp"」でGoogle検索exit
  11. *公式ツイートexitより
  12. *公式FAQ「海外在住ですがクリエイター登録をすることは可能ですか? 」exitより
  13. *公式ツイートexitより
  14. *第5期アクセラレーションプログラムが始動|東京都exit
  15. *受講者の紹介|青山スタートアップアクセラレーションセンターexitより
  16. *「Osushi」騒動にみる個人間送金・割り勘サービスの法律【paymo・Kyashとの比較】 | IT企業のインターネット法務、法律に強い弁護士|中野秀俊exitより
  17. *公式ツイートexitより
  18. *第31回インターネット消費者取引連絡会 議事要旨[PDF:297KB]exit
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