三輪長官(みわちょうかん)とは、アニメ『闘将ダイモス』の登場人物である。CV:大木民夫。フルネームは三輪防人(みわ・さきもり)
国連地球防衛軍の長官で太平洋本部の司令官を務めており、主人公・竜崎一矢たちが所属するガードダイモビックにも度々介入して、まるで上官のように振舞う。45歳。
その性格は自己中心的かつ自己保身的で、民間人を守る軍人、それも長官という立場にも拘わらず、戦いの役に立たないからと民間人を「ベッドをふさいで無駄飯を食うだけ」「犬にも劣る」などと言い放ち、作戦や自己保身のためには見捨てることも一切気にしない。一方で、自分個人の功績と保身を優先するために戦いを無意味に長期化させるという非常識な行動も平然と行う。
作品中盤以降、敵対するバーム星人の中から穏健な和平派が現れるが、そのリーダーを「バーム星人だから」という理由で即射殺するなど全く大局が見えておらず、人間としても軍人としても司令官としても無能そのもので、何故長官という立場まで出世できたのか疑問符が付くほどである。しかし地球人の反バーム星感情もあって、国連から「国連エール勲章」なるものを与えられるなど一定の支持は得られていたようだ。
最終盤には遂にその悪行の数々が公になって司令官の座を剥奪されるが、独断で軍を動かして大損害を出し部下からの信用も完全に失った挙句、無抵抗のバーム星人を射殺したことで一矢の怒りを完全に買い、空手技でボッコボコにされて瀕死の重傷を負ったところに逮捕状を出され、物語の舞台から退場した。
スーパーロボット大戦シリーズでは「敵より邪魔な味方」の代表格で、原作では死んでいないのに戦死するという逆スパロボ補正がかかるのがお約束となっている。
先鋭的な軍国主義思想の持ち主で、事あるごとに放送禁止用語の「非国民」を連呼する。上述の通り非戦闘員を見下しており、民間人を戦闘に巻き込むことも全くためらわない。バーム星サイドにおける癌は黒幕たるオルバン大元帥だが、地球人側の癌はこの三輪長官と言える。
ヒロインのエリカや主人公の一矢たちが戦い以外の戦争終結を模索する中、三輪はある回では「ダイモス到着まで待てば70万人の犠牲が出るが、今すぐ避難勧告を出して水爆を撃てば半数は助かる(=残り半数は水爆に巻き込む or 見殺しにして敵に殺される)」「どうせ放っておいても敵に殺されるのだから仕方ない」などと言って水爆を発射しようとするなど、完全に軍人失格な行動をしている。こうした行動に対して長浜監督からは「戦うことしかできなかった哀れな人だった」と言われている。終盤で国連の大国の力を借りて一矢を監禁するが、小国の活動やバームに和平派が存在する事実が明らかになったことで信用を失い、逆に司令官の座を剥奪される。にも拘わらず勝手にダイモス抜きで軍を動かし、海底基地へ無謀な突撃作戦を行って大損害を出す。概要の通り、最後は空手の達人である一矢に全身という全身を殴られ、あわや死にかねない重傷を負ったところを逮捕され、番組から退場させられた(一矢の親友・夕月京志郎が、一矢を人殺しにさせない為に彼を止めた。決して三輪に同情したわけではない)。
『ダイモス』は残念ながら打ち切り作品と言われており終盤は非常に速足になっているのだが、本来の予定におけるエンディングでは、一矢とエリカがリヒテル(本作のライバルキャラでエリカの兄)の遺影を抱き、セレモニーで皆に見送られながら火星のテラフォーミングへ出発しようとしている陰で、ボロボロの浮浪者と化し精神崩壊した三輪がおもちゃの銃を振り回しながら「ばん、ばん! ばーむちぇいじんはころせ! ばーむちぇいじんはみなごろしだ!」と呟くが、群衆の誰も彼がかつての軍トップたる三輪長官だと気づくこともなく物語が終わるはずだったらしい。
スーパーロボット大戦シリーズでは敵よりも邪魔な味方という厄介なポジションを完全に確立しており、原作で死亡するキャラが条件次第で生き残るのが魅力のスパロボにおいて、原作で死亡していないのにスパロボ補正で基本的に死亡するという斜め上の扱いを受けている。ダイモス参戦時に三輪長官がどれくらい暴れるのか悪い方向に期待するプレイヤーも多いだろう。原作で生き残っているので、ダイモスの原作ストーリーが終了している作品でも平然と登場できるのもポイント(そして死ぬ)。Zガンダムのジャミトフ・ハイマン(ティターンズ)やガンダムSEEDのムルタ・アズラエル(ブルーコスモス)といった過激派の思想に染まって一緒に悪い意味で大活躍する。例えばガンダム試作2号機の配備について「異星人には南極条約はあてはまらないから核を撃っても問題ない」と述べるなどとやりたい放題を尽くし、ブライト艦長の胃を痛めてくれる。また、敵から味方に寝返った人物を疑ってかかるのも風物詩。とはいえジャミトフやアズラエルが過激すぎて、彼らの行動にドン引きしてしまう事もある。自分の歪んだ正義を主張するキャラなので、五飛などからは蛇蝎の如く嫌われている。
『ダイモス』が参戦した作品は意外と少なく、2022年現在では「第4次」「第2次α」「第3次α」「A」「MX」の5作品しかないのだが、スパロボプレイヤーの中での三輪長官の存在感は強いと思われる。原作通り死なずに逮捕されたのは「A」「第2次α」のみ。
初登場の「第4次」ではまだ割とマトモな発言もしているが、やっぱり過激な発言が目立つ。前半ではプレイヤー部隊に同行しており、たびたび問題発言をしてブライトを悩ませる。ロンド・ベル(プレイヤー部隊)とティターンズが決別するとダカールでダブデに乗って登場し、撃破すると戦死する。記念すべきスパロボ史上初の原作で死ななかったのにスパロボで死んだキャラクターとなった。
「A」でもたびたび通信で無理難題を出す。加入したシロー・アマダとアイナ・サハリンをスパイと疑ったりといつも通りの言動。本作の一矢はドモン・カッシュと互角の実力を持った空手の達人として描かれており、キレた一矢は的確に三輪の急所を打ちまくってガンダムWのメンバーを感心させている。一矢が止められた後はゼクス・マーキスが逮捕状を持ってきて退場させられる。
「第2次α」では行方不明になった岡長官に代わって指揮官になるが、エリカとリリーナ・ドーリアンを殺そうとしたために一矢とヒイロにボコボコにされ、地下に潜伏して三輪の罪を調査していた岡長官が逮捕状を持ってくる。続編の「第3次α」でしぶとく復権するが、ジェネシスの火に焼かれてやっぱり戦死するため、αシリーズでも結局生き残れない。
「MX」では原作終了後のため既に過去の人扱いで「三輪長官がいなければバームとの戦争はもっと早く終わった」などと言われていた。が、終盤にゼーレの手下となって何の前触れもなく突如復活、一般兵が操縦するギルガザムネに同乗して襲ってくる。エヴァンゲリオンやラーゼフォンの物語がラストに近づいて世界そのものが危なくなっている状況で、唐突に私怨で攻撃してくるという本当にどうしようもない存在になってしまった。撃破すると操縦していた兵士が死亡し、脱出できず戦死する。
ある意味、地球側のどんな悪役組織にも違和感なく収まることが出来て、どんな常識はずれな行動も平然と行ってくれるという非常に便利なキャラクターで、ぶっちゃけダイモスより目立っている事もあるくらいである。ダイモス参戦時に今度は何をしてくれるのか悪い意味で期待するプレイヤーも多いだろう。
その性格から『超獣機神ダンクーガ』の獣戦機隊とは度々衝突しており、「三輪長官って何のキャラだっけ?」「ダンクーガだろ?」などといったジョークが生まれ、その影響か「三輪長官」でググるとサジェストに真っ先に『ダンクーガ』が出てくるほどである。ちなみにαシリーズで唯一「第2次α」だけ『ダンクーガ』が参戦していないのは、三輪長官によってアフリカに左遷されていたからという設定になっている。
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最終更新:2024/12/12(木) 08:00
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