至高の快楽を得る代わり
黒い女に骨まで焼かれるだろう
大壺に火が焚かれる限り
地獄の炎から逃れる術はない
残された刻を知りたくば
自らの爪に聞け
忌火起草(いまびきそう)とは、チュンソフトとセガによる
「セガ×チュンソフトプロジェクト」から発売されたゲームである。
概要
2007年10月にPS3でリリース。
2008年に新シナリオを追加した「忌火起草 解明編」がWiiでリリース。2012年、iOS版に移植されている。
チュンソフトの「サウンドノベル」シリーズの一つ。
第一作「弟切草」と名前が似ているが、直接の接点はない。名前が似たのは偶然とのこと。
システムは、選択肢を選びつつテキストを読み進めていくオーソドックスな仕様。
選択肢での直接的な分岐の他、それまでに選んだ選択肢の「傾向」による分岐がある。
最大の特徴は、主人公含む全登場人物の台詞がフルボイスであること。
字幕もない為、スピーカーを適切に配置すれば背後から声が聞こえる演出が入るなど、没入感が高い。
また登場人物は実写となっており、更に臨場感を高めている。
あらすじ
「ビジョンって薬知ってる? すげー盛り上がるぜ」
遊び感覚で「ビジョン」を手に入れた若者達は、次々に謎の焼死を遂げる。
その災いに巻き込まれてしまった主人公とヒロインは呪いから逃れるため、
すべての根源と思われる、朽ち果てたある屋敷へと向かう。
そこにあったのは、謎の花「忌火起草」に囲まれた、
幾世代にも渡り祟りの因果が渦巻く禍禍しい場所だった。
(公式サイトより)
全ての話をクリアし、ピンクの話を解放すると「金のしおり」が入手できるのは恒例。
ただし今回、ピンクの話の入手方法が特殊な仕様になっている。詳細は攻略サイトなどを参照。
赤の話:メインシナリオ。「ビジョン」に端を発する人体発火事件。
浅葱色の話:赤からの派生。謎の組織『奇跡の娘たちの会』が登場。
琥珀色の話:一途な恋がもたらす悲劇。死後の恋。
若葉色の話:成就した死後の恋の顛末。救いがある話と見せかけて……
瑠璃色の話:隠されていた真実が明らかになる。
紫の話:吸血鬼編。若干ギャグ寄り。
ピンクの話:い つ も の
隠しシナリオ:作品全体を根底から覆すような重大な事実が明らかになる。
登場人物
- 牧村 弘樹(まきむら ひろき) CV:林勇
- 本作の主人公。20歳の大学生。愛美に恋心を抱いているが、それを伝える勇気が出せないでいる。
大学では野草研究サークルに所属しているが、愛美がいたからというのがその理由。
- 早瀬 愛美(はやせ まなみ) CV:本名陽子
- 本作のヒロイン。弘樹と同じ大学に通う、可憐な美少女。成績も人柄も良く、人気者。
1年前に恋人が自分をかばって事故で死亡しており、そのトラウマからか影のある印象を受ける。
- 皆川 香織(みながわ かおり) CV:大前茜
- サークルのメンバー。ぽっちゃり体型のゴスロリファッションの少女。
マイペースかつ積極的で弘樹への好意を隠さないが、当の弘樹からは煩わしく思われている。
- 渡辺 正人(わたなべ まさと) CV:櫛田泰道
- サークルのメンバー。弘樹とは最も親しい友人。大家族出身の苦学生。
大柄な肥満体型。愛嬌があるがやや気が弱く、神経質な一面を持つ。
- 中森 健吾(なかもり けんご) CV:杉山大
- サークルのメンバー、かつお調子者のトラブルメーカー。大のオカルトマニア。
サークルに参加したのも当時ハマッていた呪術で使う薬草目当てだった。
- 和泉 飛鳥(いずみ あすか) CV:四宮豪
- サークルのメンバー。冷静で理知的な性格をしており、皆のまとめ役。
成績も優秀でリーダーシップを持つ努力家、かつイケメン。
和子とは高校時代からの付き合い。
- 松下 和子(まつした かずこ) CV:佐藤あかり
- サークルのメンバー。容姿端麗な美人。はっきり物を言う気の強さを見せる。
バイトでモデル活動を行う一方、自動車整備免許を持つなど意外な特技を持つ。
飛鳥とは恋人同士で、生まれてこのかた彼一筋。
- 間宮 京介(まみや きょうすけ)
- 1年前に、愛美を庇って交通事故で亡くなった恋人。
大手製薬会社に勤めていた。サークルのOBでもある。
- 亜美(あみ)
- 製薬会社・守矢堂の社長主人。物語の鍵を握る。
- 堀内(ほりうち)
- かつて亜美に仕えていた使用人。主人公達に古い因縁を語って聞かせる。
- 奇(あや)
- 江戸時代の薬問屋の娘。ある人物と恋に落ちた事から悲劇が始まる。
用語
- 忌火起草(いまびきそう)
- タイトルにもなっている薬草。山野に自生しており、黄色い小さな花をつける。
滋養強壮の薬効があるが、多量に摂取すると副作用の光増感作用によって皮膚炎が起きる。
花言葉は「悔恨(かいこん)」。
西洋で古くから使われてきた薬草・ヘンルーダ……そのものではなく、ヘンルーダをモデルにした架空の薬草。実在はしていないのでご安心ください。
開発メーカーが同じ「風来のシレン」の4~6において、同名のアイテムが存在する。使用すると強烈なバッドステータスをもたらす。
- ビジョン
- 最近、若者の間で流行っている錠剤のパーティードラッグ。心霊スポットで飲むと「キク」らしい。
主成分は忌火起草で、ビジョンそのものには幻覚作用はない、筈だったが……
- 今惹湯(いまびきとう)
- 守矢堂で作られていた薬。成分はビジョンと同じ。
服用すると気分が良くなる作用があったが、飲みすぎると……
関連動画
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関連チャンネル
関連項目
外部リンク