CAmiDion とは、@きよし(Akiyoshi)が考案した、和音を簡単に弾ける電子楽器である。
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フリーのJavaアプレット/Javaアプリとして公開している MIDI Chord Helper を、作者自身の手によりハードウェア化した電子楽器である。MIDI Chord Helper Mobile ともいう。
MIDI Chord Helper をニコニコ技術部の勉強会(当時初参加の「あの楽器」ミーティング)で披露したあと、 その勢いで「MIDI Chord Helper ハードウェア化計画」と称してAVRマイコン(Arduinoまたはその互換機)と矩形波音源IC(YMZ294)をベースに、MIDI Chord Helper と同じようなボタン配列を持つ電子楽器として製作。それ以来、ニコニコ技術部の勉強会や Maker Faire などに出展するようになった。
以後、改良を重ねながら進化を続けている。最初の頃は初代機にニコニコで流行ったネタを仕込むなどの改良が多かったが(後述の「1号機の歴史」参照)、現在では小型化などの改良のために2号機、3号機…といった形で台数が増えている。 ソフトウェアの面でも、新たな波形の追加、アルペジエータ機能の搭載など、進化を続けている。
それまではユニバーサル基板で手作りしていたが、製品化やキット化に期待している人もいることから、2014年の春頃からはフリーのCADソフトを駆使したプリント基板化も作者の手により行われるようになった(「CAmiDion基本構成」参照)。プリント基板は10枚程度からの単位で注文するため、当然余るわけであるが、この余った分の頒布が開始されるようになった。すでに何人かがこの基板によりCAmiDionを動作させている。
現在この楽器は、作者の地元である横浜に近いところ(都内を含む)で電子工作などのイベントで展示されるほか、作者がこれを持参して不定期にはんだづけカフェに現れたり、ニコニコ超会議などのイベントに現れたりもする。そんな中、ニコニコ超会議2の1日目、超ボーマス横に確保されていたミニセッションコーナーで誰かが演奏しているところに作者が飛び入りで合奏、すんなり溶け込めたことで、作者は「技術部もいいけど、演奏してみた系にももっと顔を出すべきだな…」と悟りを開いてしまうことに。この流れで作者がミュージックバーでの楽器セッション(主にボカロセッション)に CAmiDion で参加するようにもなった。また、この楽器で作者がニコ生セッション♪に入って演奏することもある。
これは2号機(後述)で2層構造だった基板からアンプやバッテリーを省略し、1枚のプリント基板にまとめた SinglePCB モデルである。オーディオ出力、USBバスパワー(電源端子)、MIDI OUT/IN、オクターブスライダーまでもすべてプリント基板に実装したことにより、ごちゃごちゃした電線のハンダ付けを不要化することに成功。
2014/10/19版の基板が20枚用意され、Maker Faire Tokyo 2014 のちっちゃいものくらぶブースを通じて基板セット・基板単品の両方の形で頒布。さらにその後のイベントでも頒布され、ほぼ完売に至る。
2011年6月には、初代機(1号機)をより小型化したCAmiDion2号機が完成。2号機では音源ICを使わず、AVRマイコン自身に音を出させている。 その模様をまとめたのが下記の動画である。
2本目は電子工作コンテストに応募するために3分にまとめたもので、新たに加わった機能(ADSRエンベロープによる癒しの音色、ピッチベンド、モジュレーション)も紹介されている。
2本とも世界の新着動画「やってみた」で完走した(2011年6月14日、11月24日)。
2011年には新たに「アナログシンセ・ビルダーズ・サミット」「電子工作コンテスト」の各イベントにもエントリーした。
2012年4月14日に秋葉原UDXで行われたエレキジャック・フォーラムでもこの楽器の誕生のきっかけとその仕組みと称して作者による15分プレゼンが行われた。その後、作者がCAmiDion1号機と2号機を首からぶら下げて会場を歩き回ったりウダーとセッションするといったことも。今後も身につけられる楽器という利点を生かしたスタイルで披露されることが多くなりそうである。
2012年末頃になると小型の液晶表示がつくようになり、MIDI端子も内蔵しているという点で3号機や4号機よりも完成度の高いモデルとなった。2013年には老朽化してきたため、旧2号機のパーツを使いまわしつつ、5号機の知恵を生かしてケースやスピーカーなどを新しくした。こうして生まれ変わった新2号機が誕生し、Maker Faire Tokyo 2013 への出展、さらには旧電子工作コンテストの後継コンテストである Gugen への応募に至る。
その後は5号機と交互に作り変えながら、相互の改良点をフィードバックし合う形で改良が行われていく。 それまではユニバーサル基板に手作りしていたが、2014年の春にはKiCadで基板設計まで行うようになるなど、 ついに本気出す。その結果、プリント基板化に至る。
2012年7月完成。仕組みは2号機とほぼ同じだが、アンプとMIDIが外付けになり、本体が2号機よりも薄くなった。持ち運びに便利なよう、外付けアンプとMIDIアダプタが一つのポーチに収まるように作られている。この頃から液晶表示がつくようになった。なお、現在では単体でも音が出せるよう、アンプと小型スピーカーが埋め込まれている。
3号機をさらに小型化。オクターブ違いの同じ音階を重ねた「無限音階」(シェパードトーン)の波形によりオクターブ調整スライダーなしでも動作するようになった。MTM で配られた名札の袋を流用している。その後は小型のケースに入れ、オクターブ調整スライダーやスピーカーが増設された。この頃になるとアルペジエータ機能が追加され、押したコードのメロディが自動生成されるようになっていく。
これまでの知恵を生かし、2号機と同じ大きさのケースに入れる形で作成。コードボタンの基板を裏返しにして表面実装LEDと基板間コネクタを取り付けやすくしている。また、MIDIコネクタを傾けて詰めることで外部スピーカー端子を邪魔にならない場所へ移動できた。スピーカー出力も700mW→1200mWに上がっている。
以後、2号機と交互に、老朽化に伴うケース詰め替えが行われ、そのたびに改良が進んで、 液晶も基板に取り付けてよりスマートな形に改良された。
MIDI Chord Helper Mobile の名称は、「命名はしないのかい?」というコメントがあったことから、MTM05 (Make:Tokyo Meeting 05) への出展に合わせ、作者本人により「ソロで伴奏できてそろばんの暗算みたいにコード進行がわかる」としてSolobanChord と命名されたが、MTM05 終了後はもっといい名前を思いついたということで CAmiDion という名前に変わっている(タグ)。
C | D | i | |
Am | i | on |
これは「コード C と Am が縦に並んでいる」「MIDI 対応」「アコーディオン(accordion)のようなボタン配列」という意味と、ピアプロIDやホームページアドレスで使われている名前「kamide」+「音(おん)」という意味をかけている。C、Am、D はコード名と全く同じように音名を大文字で表記し、 それ以外は小文字で表記する。
とはいえ、2010年3月ごろに海外の複数のフリーソフトウェアディレクトリに相次いで登録された MIDI Chord Helper をモバイル化したという意味合いで、むしろ MIDI Chord Helper Mobile という呼び方も比較的わかりやすいのかも知れない。
数々の改造を繰り返しているうち、ニコニコ動画で流行した数々のネタが仕込まれていく(ノリだって、ネタだって...)。 作者本人は「あの楽器」に近づけようとしているつもり...だったが、気が付いたらこんな形になってしまったという。 むしろ、ELECTRIBEのような楽器になりそうな雰囲気すらあるが...。
そうなるまでの経緯を下記の動画で説明する。
MIDI Chord Helper 公開からちょうど5年後にあたる2009年5月、ニコニコ技術部も参加していた MTM03(Make:Tokyo Meeting 03)会場を作者が訪れ、そこで念願の USB 接続マイコン Arduino を入手。
Innocence のあのフレーズを鳴らすだけの簡単なスケッチで、初めての Arduino を楽しんでいた。
これをきっかけに「五度圏配列の和音キーボード」シリーズの動画が始まり、一気にハードウェア化への道へ進んでいく。
最初は基板むき出しで、Arduino との間を差し込み式ケーブルで結ぶ実験的なものだった。
このときすでに MIDI OUT 端子と LM386 アンプを備えていた。どこのご家庭にもあるスピーカーは、そのへんに転がっていたものを使用。
電源は、USB だけでなく、006P 9V の四角い電池も使えるようになっていた。
ニコニコ技術部などの飲み会やイベントに持ち込みやすいよう、アクリル板でケースを作って収納。 ジャンクのノートパソコンから外した小型スピーカーを装備するようになった。
さっそくダブルラリアットを弾いてみた。その後、単音にも対応し、わりばしおんな。を弾いてみたら 第百七感染者 になった。どことなくスペースハリアーっぽい気がしますが、それはきっと気のせいですw
フォトカプラなどの部品を買い足して MIDI IN、MIDI THRU 端子を増設、 外部の MIDI キーボードから鳴らすことができるようになった。
ここで、ニコニコ技術部の勉強会(2009年8月13日、川崎)に出展。作者による初めての電子工作による作品の展示であった。その後も改良は続く。
アンプとスピーカーのステレオ化、さらにオーディオ入力端子の追加が行われ、ポータブルmp3プレーヤーと接続して合奏するのにも便利なスピーカーアンプとして使えるようになった。
ファミマ入店音の流行に影響され、chiptune的な電子音の音色もぴったりだったことから、電源を入れたりリセットボタンを押したりしたときの起動音になった。
この頃、東工大の文化祭「工大祭」で行われた「ニコニコ技術文化祭」で展示(2日目のみ:2009年10月25日)。入り口付近でファミマ入店音を鳴らし、このネタを知る多くの訪問者を振り向かせた。
工大祭のテーマ「COLORFUL」にちなんで LED を色つきに入れ替えている。その際に多数の古い LED を熱で壊してしまっているが、ちょうど工大祭で展示している真っ最中に投稿された「リア充爆発しろ!」が破壊的なイメージにぴったりだったことから BGM として使われた。ここでタイムリーなネタに走ったためか、世界の新着動画11月1日分「やってみた」で完走、リア充爆発しろ!ランキング13位にもランクインした。
工大祭からわずか1ヵ月後、今度は同じ東工大で Make: Tokyo Meeting 04 が開催され(2009年11月22日~23日)、ここでもニコニコ技術部の一人として2日間とも展示。
さらにその後も改良は続く。
7セグメントLEDを追加し、数字を表示できるように大改造。 基板上にスペースが足りなくなったため、音源IC YMZ294 と4MHzオシレータを別基板に移動して小型化。
...が、その過程で音源IC が片方壊れてしまうというハプニングが。どうやら、+5V とサウンド出力の端子(隣り合っている)がハンダブリッジしてショートしたのが原因とみられる。幸い、アキバの近くで結婚式の二次会の予定があり、当日に秋月電子で新しいのを購入、現地(それも道端w)で装着して無事復活、そのまま二次会に持ち込んで楽しむことができた。
2010年1月11日には、モバイルDTM・音楽ガジェットイベント オトダスト3 (2010/01/16) への参加に向け、すべてのボタンにダイオードを装備し、同時押しに完全対応するという大改造も。
この動画では、マトリックスキーボードの説明を初音ミクに歌わせており、 和音の演奏が簡単にできるという特長を生かして作った伴奏に乗せたオリジナル曲まで作っている。
ネギ振り機能をようやく実装。Ievan Polkka を鳴らして7セグメントLEDではちゅねミクっぽいキャラがネギ振りするようになった。
乱数で自動作曲できる機能を追加。その正体は、アルペジエータである。
これを活用して、時報アレンジを色々なコード進行でアルペジオ演奏。
大型連休中に部屋を整理していたら、カバンの付属品として使っていた肩ベルトが出てきたので、ショルダーキーボードに改造。
前方にフタが開くと邪魔なので、蝶番の位置を前方から左側に移動するという、さらなる大改造を行う。 今までのようなグランドピアノのようなスタイルではなく、厚ぼったい本のようなスタイルで、マジックテープを使って開閉できるようになった。バリバリ...やめて!
初めて「ウェアラブル」な楽器となったことに伴い、作者本人が顔出しで実演している。
2010年5月22日~23日には、Make: Tokyo Meeting 05 (MTM05) が行われた(前回のちょうど半年後)。 このときはニコニコ技術部として参加する取りまとめ役がいなくなったことで、作者自身が個人的に「@きよし(Akiyoshi)」名義で出展している。ただ、多くのニコニコ技術部員が出展申し込み時にニコニコ技術部を指定することでタグのごとくまとめてもらうという形態を取ったことで、前回ニコニコ技術部で出展したときと同じような形で配置がまとまった。
前回は「ファミマ入店音」だったが、ここでは、隣の「和尚エレクトロニクス」で流れていた「吹 っ 切 れ た」(関連動画)に合わせてコード演奏して盛り上がっていた。
ウェアラブルな楽器になったため、身につけたまま色々なブースを訪れる形で、ニコニコ技術部だけの世界ではなく他の似たような(楽器系を中心とした)展示作品の作者と話をして楽しむことも盛んに行われた。
既存の Arduino を外して自分用の Arduino 互換機 (CAmiDino) を組み立て、楽器と一体化する形に変わった。 これに伴い、電池が単3 NiMH × 4本(= 4.8V)に変わり、持続時間が10倍以上になった。
2010年7月18日、川崎で行われた「2010ニコニコ技術部勉強会@首都圏」にも出展。左のまとめ動画では、作者本人がアドリブ演奏している光景がオープニングになっている。
2010年8月終わり頃には、リズム音発生機能も装備された(トランジスタ1石のツインT型発振回路で実現)。 ネギ振りとファミマ入店音が9月4日にブレイクした記念日に合わせて演奏シーンつきで上がっている。 ここまでくると、あの楽器というよりは、ファミマ入店音ブレイクのきっかけになったELECTRIBEに近づいたかのようにも見える。
7セグメントLEDの中でネギ振りをしていたはちゅねミクが、ついに外に飛び出し、指揮者となって現れた!
12作目でリズムパルスを出力できるようになったので、これを活用してリズムに合わせてVUメーター(ネギ)を振らせるという仕組み。 リズム音発生回路への影響を抑えつつ、かつ十分にメーターが振れるよう、トランジスタ1石+抵抗2本でドライブしている。
9月21日の「やってみた」世界の新着動画の初めのほうでピックアップされ、完走した(このシリーズの動画では2度目)。
このように、幾多の改良を経て今日に至り、今後も改良されていくものと思われる。
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最終更新:2024/09/21(土) 10:00
最終更新:2024/09/21(土) 10:00
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