DESIRE背徳の螺旋とは (デザイアハイトクノラセンとは) [単語記事]

DESIRE背徳の螺旋とは、シーズウェアから発売されたSF アドベンチャーゲームである。

概要

後に『EVE burst error』や『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』を手がけることになるゲームデザイナー、シナリオライターの菅野ひろゆきが企画、シナリオ、プログラミングを行った作品。

南洋の孤島に建設された巨大研究施設「デザイア」を舞台にそこに秘められた恐るべき陰謀、秘密を探る本格的SF ADVである。

「マルチサイトシステム」と銘打たれた、二人の主人公の全く違った視点から物語に多角的に迫り、複雑に絡み合った謎を読み解いていく画期的なマルチシナリオを初めて搭載した作品（セガサターン版からは「アルバート編」をクリアしてからではないと、「マコト編」はプレイ出来ないように変更された）。

サウンドも秀逸で作曲は「FM音源の魔術師」と呼ばれた天才、梅本竜（故人）が担当した。PC-98版のキャラクターデザイナーは、宮下昌也（ペンネーム「やさまたしやみ」）。

タイムリープによって繰り返される悲哀に満ちたラブストーリーは感動系、泣きゲーの始祖とも評され後世の作品に多大な影響を与えた。

しかし物語の片方の主人公のマコト編は、菅野の不本意ながら会社の方針によって不自然に性的にインモラルな内容となっており、当時ユーザーからは両極端な評価がされた。NTR物の走りとも呼ばれている…。

非R18版では更に不自然な設定に改変されている。その為にマコト編を遊んでズッコケるプレイヤーも居るとは思うが、これも本作のひとつの味であろうか…。

最後に明かされる真のヒロインの秘められた思いと衝撃の真相には強烈な心理的ダメージを追い、
社会復帰が難しいレベルの深い悲しみに永く囚われたユーザーも多かったであろう…。

と色々と金字塔だった恐るべき神ゲーである。

本作とEVE burst error、YU-NOで『菅野三部作』とも呼ばれている。

1994年 7月22日に18禁オリジナル PC-98版が発売。その後、キャラクターデザイン、グラフィックを一新、声優による音声の追加がされたセガサターン版、PS2版が発売された。ムービーの原画はアニメーターの金田伊功が担当した。

当時のゲームのアニメーションムービーとしては破格のクオリティーだったが、本編のストーリーとの関連性は薄い。Windowsには新エピソードが追加された『DES IR 完全版』が発売されたが、それらの制作には菅野は一切関わっていない。

菅野の死後、作品の発表から20年以上経った2017年 4月27日、EIDiaからリマスター版、
『DESIRE rema ster.ver』がWindows/PS4/PSVitaで発売され、後に18禁バージョン『DESIRE rema ster A.ver』が発売。

サターン版の原画とムービーを高解像度にリマスターして鮮やかに彩色し直し、SS版からのキャラクターデザイナーの田島直による新作原画も追加され、ヒント機能の搭載などの改良が行われビジュアル、サウンド、操作性も現代の作品に劣らないクオリティに蘇った。

ストーリー

人はどこから来てどこへ行くの……。
この悠久の螺旋から助け出してくれるのは、誰？
私を助け出してくれるあの人は……。

南海の孤島にそびえる外界から隔離された研究所『デザイア』。
そこでの研究は一切が謎のベールに包まれて、
外部からは一切窺い知ることも出来ない状態だった。

まったく別々の視点からデザイアの謎に迫って行く
『アルバート』と『マコト』。デザイアの真の姿とは一体？

DESIRE remaster.ver公式サイト、WORLD/STORYから引用。