ウィンクス(Winx)とは、2011年生まれの豪州の元競走馬である。
2023年現在、国際G1勝利数の世界記録保持馬。連勝の豪州記録保持馬でもある。
獲得賞金26,451,174豪ドルはゴールデンシックスティ(2023年)に抜かれるまで世界1位であった。
なお、南半球のオーストラリアでは8月~翌年7月が1シーズンである。13/14年シーズンの場合2013年8月~2014年7月で年間開催が一周するということになる。
父Street Cry、母Vegas Showgirl、母父Al Akbarという血統。父はアイルランド産の米国馬で2002年のドバイWC勝ち馬。種牡馬としてもケンタッキーダービー馬*ストリートセンスや女傑Zenyattaを輩出し活躍した。シャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けしており、ウィンクスはその中の1頭である。母や母父もオセアニア産馬で、見慣れない名前の種牡馬が並んでいる。セールでは23万ドルだったらしいので血統的にはそんなに良くはないのかもしれない。
13/14年シーズンも終わりが近づいた2014年6月に初出走。このシーズンは2連勝で終えると、14/15年シーズン初戦の重賞も勝利し無傷の3連勝を挙げるが、その後は7戦1勝と安定はしながらも勝ち味に遅く、オーストラリアンオークスも2着に敗れてしまう(ちなみにこの時の鞍上は日本でもおなじみのジョアン・モレイラ)。しかし仕切り直してG3を勝ち、続くG1クイーンズランドオークスでG1初勝利を挙げこのシーズンを終える。
そして、冬が明けた15/16年シーズンからがとんでもなかった。初戦の重賞を勝つと、2戦目のG1エプソムハンデキャップをあっさり勝利。オーストラリアの中距離王決定戦であるコックスプレートに出走し、アイルランドから遠征してきた強豪Highland Reelらを蹴散らし圧勝。年が明けてからもG2勝利をステップにG13連勝。このシーズンを7戦全勝で終える。当然年度代表馬である。
16/17年シーズンも勢いは止まらず、初戦のG2勝利からG1を2連勝してコックスプレートに出走。このレースではなんと2着に8馬身差をつける圧勝劇を見せる。2017年に入ってからもG2を経てG13連勝(このG13戦で2着に合計14馬身半差つけた。バケモノか)。このシーズンは8戦全勝。13/14年シーズンからの連勝を17に伸ばす。当然年度代表馬である。
17/18シーズン、Black Caviarが持つG115勝、26連勝の豪州記録の更新という期待を背負いながらも快進撃。序盤のG22戦は思いがけず厳しい競馬となったが、どうにか勝ち切り19連勝。G1を2つ勝ち(2戦目は6馬身半差)21連勝に記録を伸ばし、三度コックスプレートに出走。今度は2着馬に半馬身差まで粘られたがこれを振り切り、レコードタイムで3連覇を達成。Black Caviarの持つG115勝の豪州記録に並ぶ。これで22連勝である。
明けた2018年、毎年休み明け初戦に使っていたG2アポロSを主戦騎手のH・ボウマンの騎乗停止で回避するというアクシデントはあったが、代わって初戦となったG1チッピングノートンSを7馬身差で圧勝しG116勝目。あっさりと豪州記録を更新し23連勝。続くG1ジョージ・ライダーSも完勝しG117勝目。John Henryが持っていた国際GI勝利の世界記録を更新し24連勝。イギリス遠征は輸送などを考えて取りやめたが、シーズン最終戦となったG1クイーンエリザベスSも3馬身余りの差をつけて完勝。Black Caviarが持つ25連勝に並んでこのシーズンを終える。当然年度代表馬である。
18/19年シーズンはG1ウィンクスステークスから始動。このレースは前年までウォーウィックSというG2だったのだが、前年までこのレースを連覇していたウィンクスの活躍を記念して、この年から改称しG1に昇格していたのである。ウィンクスはこのレースも2馬身差で勝利し26連勝。自らの名の付いたレースでBlack Caviarの連勝記録を塗り替えた。
続くG1ジョージ・メインSも4馬身差で勝ち3連覇。G1ターンブルSも差し切り連覇すると、大一番のコックスプレートは大外から余裕綽々の差し切りでレース史上初の4連覇を達成。
2019年初戦のアポロSは出走馬8頭中6頭が同厩というレースになり、色々言われたがレースは当然の如く差し切り30連勝を達成。G1チッピングノートンSも軽く仕掛けただけであっさり勝利。障害G122勝を挙げたHurricane Flyを上回り、障害も含めたG1最多勝記録となる23勝目を挙げた。G1ジョージ・ライダーSもいとも簡単に勝利しG124勝目。これで32連勝である……。
続くG1クイーンエリザベスSが引退レースと決まった。このレースには日本から重賞馬クルーガーが連闘で出走、ウィンクスと日本馬の対決が実現(力不足と言ってやるな)。しかしウィンクスはいつものように大外から別次元の末脚でぶち抜き、完璧に立ち回ったクルーガーを1馬身半置き去りにし連覇達成。G125勝、33連勝の大記録を打ち立て、獲得賞金の世界記録も更新する有終の美。ランドウィック競馬場の大歓声を一身に浴び、快晴の空に「immortal(不滅)」の文字が描かれる中ターフを後にした。
毎度毎度後方からの追い込みで時々大丈夫かと思うようなレースもしたが、最後にはまとめて差し切ってしまう末脚が武器。しかも追い込み馬なのに重馬場が大得意で、8馬身差で勝った2016年コックスプレートは稍重、不良馬場で行われた2017年のG1ジョージライダーS(G111勝目)は7馬身あまりの差をつけている。距離も1400m~2000mくらいまでは守備範囲という万能ぶり。無敗で海外でも勝ったBlack Caviarとは一概に比較できないが、豪州史上最強馬の筆頭候補の1頭であることは間違いない。
2020年10月13日、出生直後に初仔が死亡したことが発表された。[1]
2014/15年シーズン 10戦4勝(G11勝)
G1:クイーンズランドオークス
G2:フューチュリアスS、ファーラップS
G3:サンシャインコーストギニー
2015/16年シーズン 7戦7勝(G15勝)
G1:エプソムH、コックスプレート、チッピングノートンS、ジョージライダーS、ドンカスターマイル
G2:テオマークスS、アポロS
2016/17年シーズン 8戦8勝(G16勝)
G1:ジョージメインS、コーフィールドS、コックスプレート(連覇)、チッピングノートンS(連覇)、ジョージライダーS(連覇)、クイーンエリザベスS
G2:ウォーウィックS、アポロS(連覇)
2017/18年シーズン 8戦8勝(G16勝)
G1:ジョージメインS(連覇)、ターンブルS、コックスプレート(3連覇)、チッピングノートンS(3連覇)、ジョージライダーS(3連覇)、クイーンエリザベスS(連覇)
G2:ウォーウィックS(連覇)、チェルムスフォードS
2018/19年シーズン 8戦8勝(G17勝)
G1:ウィンクスS(3連覇※ウォーウィックSと通算)、ジョージメインS(3連覇)、ターンブルS(連覇)、コックスプレート(4連覇)、チッピングノートンS(4連覇)、ジョージライダーS(4連覇)、クイーンエリザベスS(3連覇)
Street Cry 1998 黒鹿毛 |
Machiavellian 1987 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Coup de Folie | Halo | ||
Raise the Standard | |||
Helen Street 1982 鹿毛 |
Troy | Petingo | |
La Milo | |||
Waterway | Riverman | ||
Boulevard | |||
*ベガスショーガール Vegas Showgirl 2002 鹿毛 FNo.5-b |
Al Akbar 1990 鹿毛 |
Success Express | Hold Your Peace |
Au Printemps | |||
Gala Night | Blakeney | ||
Debutante | |||
Vegas Magic 1985 鹿毛 |
Voodoo Rhythm | Northern Dancer | |
Obeah | |||
Vegas Street | Sovereign Edition | ||
Vegas | |||
競走馬の4代血統表 |
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最終更新:2024/11/29(金) 18:00
最終更新:2024/11/29(金) 18:00
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