ゲインズバラとは (ゲインズバラとは) [単語記事]

ゲインズバラ(Gainsborough)とは、1915年生まれのイギリスの競走馬である。「ゲインズボロー」と表記されることもある。

概要

父Bayardoはセントレジャーステークス、チャンピオンステークスなど25戦22連勝を挙げた。
母 Rosedropはオークスステークスなど11戦4勝。

これだけならかなりの良血に見える。
しかしこの血統は母系代々馬体が小さくて当時はあまり評判は良くなかったのだ。実際曾祖母のRos alysは未勝利に終わり、祖母のRosalineも不出走で終わっている。

そういった血統背景で生まれたゲインズバラも成馬になってからも15.3ハンドと小柄であった。

ゲインズバラはダグラス夫人の元で生産されセリに出されたが、期待の価格に達せず主取りとなった。
ゲインズバラという名前は画家のトマス・ゲインズバラから名付けられたのではなく、ダグラス夫人が鉄道地図を眺めていて気に入った駅名から名付けられた。

ゲインズバラは「マントンの魔法使い」と呼ばれていた名調教師、アレック・テイラー氏に預けられた。テイラー氏はゲインズバラが2歳のときにGay Crusaderで三冠を達成している。

ゲインズバラはGay Crusaderがダービーを勝利した開催日の最終レースに出走し、4着に敗れた。また、2週間後のレースでも3着に敗れた。
ゲインズバラが初勝利を挙げたのは9月のオータムSで、2馬身差であった。

3歳になってからの初戦は5ハロンのセヴェラルSだったが、5着に敗れた。
その2週間後の2000ギニーステークスではきっちり仕上げてきていて、ピカピカの馬体であったという。そのため3番人気にまで押し上げられていた。レースではSomme Kissと並走していたが直線で1馬身1/2抜け出し勝利した。

戦下によりニューマーケットで代替されて行われたダービーステークスでも万全の仕上がりとなり、1番人気に支持された。レースでは後方からのスタートになったが次第に馬なりの状態で上がっていき、直線で同厩舎のBlinkを1馬身1/2交わして勝利した。なお、テイラー厩舎は2日後のオークスでもMy Dearで勝利した。また、馬主のダグラス夫人は初の女性ダービー馬オーナーとなった。

ゲインズバラは当時の古馬最強戦の1つ、アスコット・ゴールドカップに出走し、戦時中ということもあってわずか3頭のレースになったがPlanetを見ながらレースを進め、これを直線で1/2馬身交わして勝利した。

ゲインズバラは三冠最終戦セントレジャーステークス(このレースも戦下のためニューマーケットで「セプテンバーステークス」として代替開催)に出走すると、同厩舎のオークス馬My Dearを3馬身離してゴールし、三冠馬となった。

その後ジョッキークラブSに出走し、同厩舎のPrince Chimayの2着に敗れた。

ゲインズバラは種牡馬になってからも2度のリーディングサイアーになるなど活躍し、ダグラス夫人が87歳で死去した後の4年後に31歳で老衰のため死亡した。
ゲインズバラが生まれ、そして種牡馬として繋養されていたハーウッド牧場はゲインズバラ牧場と名前を変えて、今ではアラブ首長国連邦のマクトゥーム殿下の牧場の1つとなったが、今でもゲインズバラはその地で眠っている。

余談

ゲインズバラは大人しくて繊細な馬で、そのためテイラー氏は大レース以外では目一杯に仕上げなかったという。多くの敗戦はこのためともいわれている。
ゲインズバラの調教師「マントンの魔法使い」アレック・テイラー氏は馬以外に関心を示さず、生涯独身を貫いた「魔法使い」だと言われている。
主戦騎手のチャイルド氏は戦下のため兵役していたが、ゲインズバラに騎乗をするときは休暇を貰えた。

血統表

Bayardo 1906　鹿毛	Bay Ronald 1893　鹿毛	Hampton	Lord Cl if den
			Lady Lang den
		Black Duchess	Gal lia rd
			Black Corrie
	Gal ic ia 1898　黒鹿毛	Galopin	Vedette
			Flying Duchess
		Isoletta	Isonomy
			Lade Munc aster
Rosedrop 1907　栗毛 FNo.2-n	St. Frusq uin 1893　黒鹿毛	St. Simon	Galopin
			St. Angela
		Isabel	Pleb eian
			Parma
	Rosaline 1901　黒鹿毛	Trenton	Musket
			Fr ai lty
		Ros alys	Bend Or
			Rosa May