アダイヤー(Adayar)とは、2018年生まれのアイルランド産イギリス調教の競走馬である。
父Frankel、母Anna Salai、母父Dubawiという血統。
シェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィンのアイルランドの牧場で生産され、イギリスのチャーリー・アップルビー厩舎に預けられた。
アダイヤーの名前は母アンナサライ(インドの都市チェンナイを通る道路)から連想し、チェンナイを通る川の名前から名付けられた。
アダイヤーは10月のノッティンガムの8.5ハロンの未勝利戦でゴドルフィンの専属である名手ウィリアム・ビュイック騎手鞍上でデビューしたが、ここは道中で躓いたこともあって4着に敗れた。2週間後に同じ条件の未勝利戦に出走すると、9馬身差で圧勝した。
明け3歳になってからの初戦は4月のサンダウン競馬場でのBet365クラシックトライアル(GIII)となった。ジェームズ・ドイル騎手に乗り替わったこのレースでは若干出遅れ途中で落鉄しながら最後の直線で追い上げたが、勝ち馬に1/2馬身及ばず2着に敗れた。2週間後鞍上ビュイック騎手に戻ったリングフィールド競馬場でのノヴィベットダービートライアル(L)では、再び若干出遅れながらも道中は順調に進んだが1馬身3/4差の2着に敗れた。
6月5日のエプソム競馬場での第242回ダービーステークス(GI)では単勝17倍と人気薄で、同厩・同馬主のHurricane LaneおよびOne Rulerと比べても人気がなかった。ビュイック騎手はHurricane Laneに騎乗するためアダイヤーの騎手は当初オイシン・マーフィー騎手の予定だったが、最終的にアダム・カービー騎手が乗ることになった。
アダイヤーはいつものようにスタートは良くなかったが、道中3~4番手につけると直線で内側から抜け出し、最低人気タイで2着に入ったMojo Starに4馬身半差をつけ快勝した。カービー騎手はダービー初制覇となった。
7月25日のアスコット競馬場でのキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス(GI)は5頭立てとなったが、前年のオークス馬でGI4連勝中のLove、3月にドバイでクロノジェネシスを破ったMishriffと不足ない相手が揃った。鞍上がビュイック騎手に戻ったこのレースではスムーズにスタートすると2番手につけ、直線で抜け出すと追い上げてくるMishriff、Loveにそれぞれ1馬身3/4・1馬身3/4差をつけてゴールした。同年のダービー・キングジョージ制覇は本馬の祖父Galileo以来20年ぶりとなった。
その後脚の感染症もあり前哨戦のニエル賞を回避して凱旋門賞へ直行した。上位人気グループの一角としてレースを迎えたが、雨により重くなった馬場を途中から先頭に立って逃げたものの最後は捕まりTorquator Tassoの4着に敗れた。
中2週のチャンピオンステークスはキングジョージ以来の対決となるMishriffとの一騎打ちムードとなり、僅差の2番人気でレースを迎えた。逃げたAddeybbを2番手から追走し、最終コーナーで早めに先頭に立ってMishriffを迎撃する態勢となったが、凱旋門賞で本馬と僅差の5着だったSealiwayなどの3歳勢にMishriffともども差され、最後は5着(Mishriffは4着)に敗れた。
4歳時は6月3日のコロネーションカップ(GI)から始動する予定だったが、数日ほど咳が続いたため1週間ほど休養させ、状態は良くなったもののコロネーションカップには間に合わず回避。これを皮切りに6月15日のプリンスオブウェールズステークス(GI)、7月2日のエクリプスステークス(GI)、そして連覇の懸かっていた7月23日のキングジョージと立て続けに予定を立てては回避してというのが続いた。同父のCracksmanもここまで回避はしなかった。
その後、9月3日のセプテンバーステークスで復帰の予定だったがここも回避。最早Gleneaglesの域である。最終的に9月8日のヒルトン・ガーデン・イン・ドンカスターコンディションズステークス[1]で復帰することになった。このレースは2021年9月末以降にグループ競走を勝っていない馬限定という条件のレースであったが、結局対戦相手は2020年のオータムステークス(GIII)の3着馬である同陣営の同期Dhahabi、当年のダービーステークスの4着馬であるMasekelaの2頭だけになった。レースでは序盤3番手を進んだが直線でじわじわ加速し、鞍上のビュイック騎手が後方を二度三度と確認する余裕を見せて3馬身1/4差で快勝した。
陣営は凱旋門賞出走の可能性を言及。調教内容も良く状態面では問題なかったものの、例年の道悪馬場を嫌ってか回避。チャンピオンステークス一本に絞ることとなった。
チャンピオンステークス(GI)は、欧州最強馬Baaeedに次ぐ2番人気に支持される。Baaeedとは同期であったもののこれが最初で最後の戦いとなった。レースは5番手付近に控えて競馬を進め、最終コーナーで一気に捲り上げて直線へ進出。Baaeedは馬場を苦にしたのか伸び切れず勝負あったかと思いきや内で立ち回った3番人気Bay Bridgeを捉えられず2着に敗れた。
5歳時は4月28日のサンダウン競馬場でのゴードン・リチャーズステークス(GIII)で復帰予定だったが降雨のため開催中止となり、同競走は9日後の5月7日に1000ギニーステークスのアンダーカードとしてニューマーケット競馬場で開催されることとなった。ここでは5頭立てで単勝1.83倍の支持を受け、あっさり抜け出して2馬身半差で快勝した。
なお、英ダービー馬が5歳で欧州のレースに出走するのは1906年のSt. Amant以来117年ぶり、5歳で欧州のレースを勝つのは1895年のIsinglass以来とのことで少なからず記録的な一戦となった。
続けてロイヤルアスコット開催の6月21日のプリンスオブウェールズステークスに駒を進めた。前走タタソールズゴールドカップ(GI)で逃げ切り勝ちを収めた4歳馬Luxembourg、前年のチャンピオンステークス以来の対戦となるBay Bridgeに続く3番人気の支持を受けたが、直線でブービー人気の伏兵Mostahdafが外から突き抜け4馬身差で完勝する中、逃げて2着に粘ったLuxembourgを捉えることも叶わず、同馬から半馬身差の3着に終わった。
次走は3歳時の凱旋門賞以来の12ハロン路線となる7月13日のプリンセスオブウェールズステークス(GII)に出走し、4頭立てでGI勝利はおろか入着すら本馬以外は未経験というメンバーもあってか久々の距離でも単勝1.33倍の圧倒的人気となった。しかし逃げる僚馬Global Stormを交わして先頭に立ったところへ2番人気のIsrarに並ばれると、距離も響いたか抵抗しきれずそのまま突き放され、最後は4馬身半差の2着に敗退した。
このレースの後、7月28日に現役引退・種牡馬入りが発表された。通算13戦5勝(うちGI2勝)。
種牡馬としての去就は3ヶ月以上にわたって発表が無かったが、11月2日にダーレー・ジャパンで供用されることが発表された。
Frankel 2008 鹿毛 |
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer |
Fairy Bridge | |||
Urban Sea | Miswaki | ||
Allegretta | |||
Kind 2001 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | |||
Rainbow Lake | Rainbow Quest | ||
Rockfest | |||
Anna Salai 2007 鹿毛 FNo.7-f |
Dubawi 2002 鹿毛 |
Dubai Millennium | Seeking the Gold |
Colorado Dancer | |||
Zomaradah | Deploy | ||
Jawaher | |||
*アンナパラリーヴァ Anna Palariva 1995 栗毛 |
Caerleon | Nijinsky II | |
Foreseer | |||
Anna of Saxony | Ela-Mana-Mou | ||
Anna Matrushka |
クロス:Northern Dancer 4×5×5(12.50%)、Mr. Prispector 5×5(6.25%)
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最終更新:2024/12/21(土) 21:00
最終更新:2024/12/21(土) 21:00
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