キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス 単語

キングジョージシックスアンドクイーンエリザベスステークス

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キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス(King George VI & Queen Elizabeth Stakes)は、イギリスバークシャー州に所在するアスコット競馬場で行われる競馬の競走(GI)。125ポンドという英国内最高クラスの賞金が出る[1]イギリスの大レースで、ヨーロッパ全体でもトップクラスの競走である。

距離は11ハロン211ヤード(約2406m)[2]で、欧州の2400m級のレースの中では凱旋門賞英ダービーと並ぶトップクラスレースであり、また7月末に行われるため3歳と古の初対戦がトピックとなることも多い。しばしば「キングジョージ[3]ないし「KGVI & QES」と略されることが多い。

概要

第二次世界大戦が終わった1946年9月アスコット競馬場キングジョージ6世ステークス(2マイル3200m)が創設された。このレースは3歳戦で、英愛ダービーフランスパリ大賞典を勝ったが出走し、3歳王者を決める戦いと呼ぶに相応しいメンバーが集まっていたのだが、同時に1週間しか日程が違わない凱旋門賞の取り合いを起こすことになり、日程変更を申し入れたが断られたフランス側は、1949年凱旋門賞の賞金を当時の世界最高額である3000フランに増額するという手段に出た。

これに対抗する賞金を出せないイギリス側は、凱旋門賞を取り合うのを断念。アスコット競馬場の管理を請け負っていたジョンクロカーブルティールという人物の発案により、1951年から開催時期をに変更し、1948年から同時期に行われていた12ハロン戦のクイーンエリザベスステークスと統合することとした。これが現在キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスの始まりである。競走名は(前身の2競走も含め)エリザベス2世の両で、時の国王だったジョージ6世とその妻であるエリザベス王太后に由来する。

1951年は、ちょうどロンドン万国博覧会から100周年の年で、を挙げてイギリス祭が行われていた。そのため第1回のみ競走名は「キングジョージVI世&クイーンエリザベスフェスティバルオブブリテンステークス」として行われ、第2回から現在の名称となっている。

なお、1972年からダイヤモンド会社のデビアス社がスポンサーとなっており、1975年からエリザベス女王の承認のもと競走名が「キングジョージVI世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス」に変更されたが、デビアス社は2006年限りでスポンサーから撤退したため、2007年以降は再び「ダイヤモンド」が外されている。2009年からはブックメーカーベットフェア、2014年からはカタールの投資会社QIPCOがスポンサーとなっている。

特筆すべきレースや記録・できごと

歴代優勝馬

日本語読みの前の「*」は競走・繁殖を問わず日本に輸入されたことのある(=JRAないしJAIRSの公式日本語表記が存在する)太字大百科に個別記事のある。回数にリンクが付いている回はニコニコに個別動画あり。

回数
(開催年)
優勝
(日本語読み)

日本調教 着順
(参戦したときのみ)
性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師(調教)
第1回
(1951年)
Supreme Court
(シュプリームコート)
3 2:29.66 E.エリオット E.ウィリアムズ()
第2回
(1952年)
Tulyar
(タルヤー)
3 2:33.20 C.スマーク M.マーシュ()
第3回
(1953年)
Pinza
(ピンザ)
3 2:33.60 G.リチャーズ N.バーティー()
第4回
(1954年)
Aureole
(オリオール)
4 2:44.00 M.スミス C.ボイド=ロックフォート()
第5回
(1955年)
Vimy
(*ヴィミー)
3 2:33.76 R.ポワンスレ A.ヘッド()
第6回
(1956年)
Ribot
(リボー)
4 2:40.24 E.カミーチ U.ペンコ()
第7回
(1957年)
Montaval
(*モンタヴァル)
4 2:41.02 E.パルメ G.ブリッジランド()
第8回
(1958年)
Ballymoss
(バリーモス)
4 2:36.33 A.ブリースリー M.V.オブライエン()
第9回
(1959年)
Alcide
(アルサイド)
4 2:31.39 W.カー C.ボイドロックフォート()
第10回
(1960年)
Aggressor
(アグレッサー)
5 2:35.21 J.リンドリ J.ゴスデン()
第11回
(1961年)
Right Royal
(ライトロイヤル)
3 2:40.34 R.ポワンスレ E.ポレ()
第12回
(1962年)
Match
(マッチ)
4 2:32.02 Y.サンマルタン F.マテ()
第13回
(1963年)
Ragusa
(ラグーサ)
3 2:33.80 G.ブーグル P.プレンダーガスト()
第14回
(1964年)
Nasram
(ナスラム)
4 2:33.15 W.パイアーズ E.フェローズ()
第15回
(1965年)
Meadow Court
(メドウコート)
3 2:33.27 L.ピゴット P.プレンダーガスト()
第16回
(1966年)
Aunt Edith
(アーントエディス)
4 2:35.06 L.ピゴット N.マーレス()
第17回
(1967年)
Busted
(バステッド)
4 2:33.64 G.ムーア N.マーレス()
第18回
(1968年)
Royal Palace
(ロイヤルパレス)
4 2:32.22 S.バーレイ N.マーレス()
第19回
(1969年)
Park Top
(パークトップ)

スピードシンボリ 5着
5 2:32.46 L.ピゴット B.カッツェム()
第20回
(1970年)
Nijinsky
(ニジンスキー)
3 2:36.16 L.ピゴット M.V.オブライエン()
第21回
(1971年)
Mill Reef
(ミルリーフ)
3 2:32.56 G.ルイス I.ボールディング()
第22回exit_nicovideo
(1972年)
Brigadier Gerard
(ブリガディアジェラード)
4 2:32.91 J.マーサー W.ハーン()
第23回
(1973年)
Dahlia
(ダリア)
3 2:30.43 W.パイアーズ M.ジルベール()
第24回
(1974年)
Dahlia
(ダリア)
4 2:33.03 L.ピゴット M.ジルベール()
第25回
(1975年)
Grundy
(*グランディ)
3 2:26.98 P.エデリー P.ウォールウィン()
第26回
(1976年)
Pawneese
(ポウニーズ)
3 2:29.36 Y.サンマルタン A.ペンナ()
第27回
(1977年)
The Minstrel
(ザミンストレル)
3 2:30.48 L.ピゴット M.V.オブライエン()
第28回
(1978年)
Ile de Bourbon
(*イルブルボン)
3 2:30.53 J.リード R.F.ホートン()
第29回
(1979年)
Troy
(トロイ)
3 2:33.75 W.カーソン W.ハーン()
第30回
(1980年)
Ela-Mana-Mou
(エラマナムー)
4 2:36.39 W.カーソン W.ハーン()
第31回
(1981年)
Shergar
(シャーガー)
3 2:35.40 W.スウィンバーン M.スタウト()
第32回
(1982年)
Kalaglow
(カラグロウ)
4 2:31.88 G.スターキー G.ハーウッド()
第33回
(1983年)
Time Charter
(タイムチャーター)
4 2:30.79 J.マーサー H.キャンディ()
第34回
(1984年)
Teenoso
(ティーノソ)
4 2:27.95 L.ピゴット G.ラッグ()
第35回
(1985年)
Petoski
(ペトスキ)

シリウスシンボリ 8着
3 2:27.61 W.カーソン W.ハーン()
第36回exit_nicovideo
(1986年)
Dancing Brave
(*ダンシングブレーヴ)
3 2:29.49 P.エデリー G.ハーウッド()
第37回
(1987年)
Reference Point
(リファレンスポイント)
3 2:34.63 S.コーゼン H.セシル()
第38回exit_nicovideo
(1988年)
Mtoto
(ムトト)
5 2:37.33 M.ロバーツ A.スチュアート()
第39回
(1989年)
Nashwan
(ナシュワン)
3 2:32.27 W.カーソン W.ハーン()
第40回
(1990年)
Belmez
(*ベルメッツ)
3 2:30.76 M.キネーン H.セシル()
第41回
(1991年)
Generous
(*ジェネラス)
3 2:28.99 A.ムンロ P.コール()
第42回
(1992年)
St. Jovite
(セントジョヴァイト)
3 2:30.85 S.クレイン J.ボルジャー()
第43回
(1993年)
Opera House
(*オペラハウス)
5 2:33.94 M.ロバーツ M.スタウト()
第44回exit_nicovideo
(1994年)
King's Theatre
(キングシアター)
3 2:28.92 M.キネーン H.セシル()
第45回
(1995年)
Lammtarra
(*ラムタラ)
3 2:31.01 L.デットーリ S.ビン・スルール(UAE)
第46回
(1996年)
Pentire
(*ペンタイア)
4 2:28.11 M.ヒル G.ラッグ()
第47回
(1997年)
Swain
(スウイン)
5 2:36.45 J.リード S.ビン・スルール(UAE)
第48回
(1998年)
Swain
(スウイン)
6 2:29.06 L.デットーリ S.ビン・スルール(UAE)
第49回
(1999年)
Daylami
(デイラミ)
5 2:29.35 L.デットーリ S.ビン・スルール(UAE)
第50回exit_nicovideo
(2000年)
Montjeu
(*モンジュー)

エアシャカール 5着
4 2:29.98 M.キネーン J.ハモンド()
第51回
(2001年)
Galileo
(ガリレオ)
3 2:27.71 M.キネーン A.P.オブライエン()
第52回
(2002年)
Golan
(*ゴーラン)
4 2:29.70 K.ファロン M.スタウト()
第53回exit_nicovideo
(2003年)
Alamshar
(*アラムシャー)
3 2:33.26 J.ムルタ J.オックス()
第54回
(2004年)
Doyen
(ドワイエン)
4 2:33.18 L.デットーリ S.ビン・スルール(UAE)
第55回exit_nicovideo
(2005年)
Azamour
(アザムール)
4 2:28.26 M.キネーン J.オックス()
第56回exit_nicovideo
(2006年)
Hurricane Run
(ハリケーンラン)

ハーツクライ 3着
4 2:30.29 C.スミヨン A.ファーブル()
第57回exit_nicovideo
(2007年)
Dylan Thomas
(*ディラントーマス)
4 2:31.11 J.ムルタ A.P.オブライエン()
第58回exit_nicovideo
(2008年)
Duke of Marmalade
(デュークオブマーマレード)
4 2:27.91 J.ムルタ A.P.オブライエン()
第59回exit_nicovideo
(2009年)
Conduit
(*コンデュイット)
4 2:28.73 R.ムーア M.スタウト()
第60回exit_nicovideo
(2010年)
Harbinger
(*ハービンジャー)
4 2:26.78 O.ペリエ M.スタウト()
第61回
(2011年)
Nathaniel
(ナサニエル)
3 2:35.07 W.ビュイック J.ゴスデン()
第62回exit_nicovideo
(2012年)
Danedream
(*デインドリーム)

ディープブリランテ 8着
4 2:31.62 A.シュタル P.シールゲン()
第63回exit_nicovideo
(2013年)
Novellist
(*ノヴェリスト)
4 2:24.60
(R)
J.ムルタ A.ヴェーラー()
第64回exit_nicovideo
(2014年)
Taghrooda
(タグルーダ)
3 2:28.13 P.ハナガン J.ゴスデン()
第65回
(2015年)
Postponed
(ポストポンド)
4 2:31.25 A.アッゼニ L.クマーニ()
第66回
(2016年)
Highland Reel
(*ハイランドリール)
4 2:28.97 R.ムーア A.P.オブライエン()
第67回exit_nicovideo
(2017年)
Enable
(エネイブル)
3 2:36.22 L.デットーリ J.ゴスデン()
第68回exit_nicovideo
(2018年)
Poet's Word
(ポエッツワード)
5 2:25.84 J.ドイル M.スタウト()
第69回exit_nicovideo
(2019年)
Enable
(エネイブル)

シュヴァルグラン 6着
5 2:32.42 L.デットーリ J.ゴスデン()
第70回exit_nicovideo
(2020年)
Enable
(エネイブル)
6 2:28.92 L.デットーリ J.ゴスデン()
第71回exit_nicovideo
(2021年)
Adayar
(アダイヤー)
3 2:26.54 W.ビュイック C.アップルビー()
第72回exit_nicovideo
(2022年)
Pyledriver
(パイルドライヴァー)
5 2:29.49 P.J.マクドナルド W.ミューア&C.グラシック()
第73回
(2023年)
Hukum
(フクム)
6 2:33.97 J.クローリー O.バローズ()
第74回
(2024年)
Goliath
(ゴリアット)
セ4 2:27:43 C.スミヨン F.グラファール()

関連静画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *2018年時点では、150ポンドの賞金が出る英ダービー130ポンドのチャンピオンステークスに次ぐ3位。
  2. *2016年まで12ハロンだったが、2017年に測量がし直された結果、距離表記が変更された(実際に走る距離は変わっていない)。
  3. *同じ時期にグッドウッド競馬場5ハロン(約1005m)で開催されるキングジョージステークスというGⅡレースもあるが、日本ではこれまで出走したもおらずマイナーなのでまず混同されない。なお、こちらのキングジョージジョージ6世であるジョージ5世に由来する。
  4. *レース後に装所に戻ってきた両は故障したのようにフラフラになっていたと伝わる。*グランディはこのレースの後に1戦したが4着に敗れ引退バスティノも調教中の故障でこのレースを最後に引退している。
  5. *アスコットコラムで "the big four" や "a quartet of brilliant older horses" などの言葉で称えられた四強。
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