ミゲル・セルベートとは (ケーキヤサンとは) [単語記事]

──なら、ケーキを焼いてあげるよ
歓迎のしるしにね

ミゲル・セルベート（Migul Serveto）は、アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の登場人物。

※曖昧さ回避※

『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』のミゲルは「ナナイ・ミゲル」
『機動戦士Vガンダム』のミゲルは「ミューラ・ミゲル」
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のミゲルは「ミゲル・ガイア」
『機動戦士ガンダムSEED』のミゲルは「ミゲル・アイマン」
ガンダムってなんでこんなにミゲル多いの……

概要

養成機関「フラナガン・スクール」の出身で、エグザベ・オリベとは同期。詳細は語られていないが、エグザベ同様ミゲルも戦災孤児であり、恐らくは年齢もエグザベと近い23歳前後と思われる。現在は月面・グラナダ基地に配属されており、当然ながらキシリア・ザビの派閥に属している。

エグザベと同じく「その辺の一般男性」的な、まずまず整った顔立ちの男。ちょっと逆立った黒い前髪と、茶色の瞳が特徴。軍服は強襲揚陸艦「ソドン」のクルーや、シムス・アル・バハロフなどの旧系統とは違い、エグザベやコモリ・ハーコートと同じアーバンジャケットを着用している。

一人称は「僕」。これもエグザベと同じ。

料理が得意。作中ではケーキを作っている。

同伴出勤かい？少尉殿
久しぶり！

物語が後半戦に入り、イズマ・コロニーから月面へ舞台を移す第8話から登場。グラナダに久々に帰ってきたエグザベを温かく出迎え、彼が連れてきたパイロット候補生の「少女」にも優しく接する、気のいいお兄さんである。

ミゲルとエグザベを含め、スクールの同期は4人組だったが、エグザベがMS・GQuuuuuuXのパイロットに選抜された後、MS・GFreDのテストパイロットに選ばれた残りの2人（名前不明）は、次々と心臓発作を起こして急死してしまった。このためかはわからないが、ミゲルは非役のままだったようだ。

同期達がパイロットに選ばれるたびに、ミゲルはケーキを焼いて振舞っている。エグザベにとっては、今は亡き同期達と、宿舎でケーキを囲んでつついた送別会の思い出は、忘れ得ぬ記憶となっている。ミゲルは3人目のパイロットとなった「少女」にもケーキを振舞うことを約束し、エグザベも微かに笑みを浮かべるのだった。

ジオンの最新MSの制式パイロットが同期から選ばれるなんて、
孤児だった自分たちにとっては夢みたいな話だ
だからさ、君も僕らの仲間だよ

しかし、その夜──

ここから先は重大なネタバレ成分を多分に含んでいます。
ここから下は自己責任で突っ走ってください。

テストが始まればこんな風には合えなくなる
なんとしても今日中にと思ってね

エグザベから宿舎まで送られた「少女」ニャアンは、GFreD ハンガーで別れたばかりのミゲルから急に呼び出しを受け、とんぼ返りする。なんとミゲルは即座にケーキを作っており、GFreD ハンガーでニャアンに振舞ってくれるのだった。

GFreDの足元に広げられたテーブルセット。ニャアンの分だけ用意された小皿。冷静に考えれば極めて不自然な構図だが……。
あまりに早く3人目が見つかってしまったため、取り繕うことが出来なかったのだ。

……これ食べたら、私の心臓も止まりますか？
エグザベ少尉は、あなたのこと信頼しているのに

GFreDが造られた「本当の目的」を知れば、
誰だってこうするだろう

──協力するように指示してきたのは総帥の諜報部だけど、
2人を殺したのは僕の意志だから……
大切な仲間を「ディアブロ」にするわけにはいかない
いいやつらだった。そんな2人の優しい心を僕は、守ったんだ

どうやらミゲルはGFreDに隠された危険性と、キシリアの危うい目的を阻止するため、毒入りケーキのコック修羅に身を墜としたようだ。ニャアンに拳銃を突きつけ、しかし彼女が呼び寄せておいたエグザベに気を取られたミゲルは、テーブルセットをひっくり返して逃走するニャアンを必死に追う。

スクール出身とはいえ、僕は凡人だ……
だから凡人でも人類のためにできることをする
これで君も「ディアブロ」にならなくて済む
人間の心を守ってあげるよ

──だが、2人の横のGFreDが動き出した。

馬鹿な!?
サイコ・スーツも無しに、サイコミュを動かせるわけがない！
とっくに「ディアブロ」になっていたのかッ!!

銃を向けるミゲルを前に、変色するニャアンの瞳と、宙を舞うGFreDのビット。そこから放たれた光線が、ミゲルの肉体を蒸発させた……。

以上、第8話Bパート『月に堕ちる』がミゲル・セルベート少尉の出番の全て。つまりはシイコ・スガイやドゥー・ムラサメと同じ枠のキャラ。
その登場から退場までの流れるような……というか爆速のスピード感、ニャアンに毒ケーキを食べさせるための超強引な場面転換、そしてガンダムシリーズで死亡率が妙に高い（セルベートを入れて80%）ミゲルの名に恥じぬ活躍っぷり(?)として、ちょっとしたネタ扱いをされている兄さんである。果ては『鬼滅の刃』に登場した瞬殺キャラ・サイコロステーキ先輩を捩って「毒ケーキ先輩」と呼ぶガノタも出てくる始末。そりゃニャアンにとっては先輩だけど……。
なお、ミゲルに毒薬を流していたアサーヴ中尉も、同じ話でキシリアに粛清され、たった2話で退場している。

SNSでは場面の切り取りで「エグザベはミゲルのケーキを食べたことが無い＝だから毒殺を免れていた」と考察している人や、そこから話を膨らませて「エグザベの胃袋が頑丈過ぎて毒が効かなかった」というネタを造っている人もいる。
実際にはエグザベはちゃんとケーキを食べている。ミゲルはエグザベ送別会で普通のケーキを振る舞って信頼と胃袋を掴んだた後に、2人の同期に個別に毒ケーキを食べさせている（ことをミゲル本人が語っている）。　

八代拓は『ガンダムビルドダイバーズ』のシバ・ツカサ以来、2度目のガンダム名有りキャラ出演。
ミゲルのケーキは、画像から判断する限りではパウンドケーキか、イタリアのパネトーネ（パネットーネ）あたりだろうか。ベリーを混ぜ込んだ、飾らない素朴な見た目が食欲をそそる（筈なのだが、作中では明度が暗いカットばかりなのであんまりおいしそうに見えないのが……）。同じ回で登場したキシリア手製のアップルパイとは、振舞われた構図も含めて、一種の対比になっている。