アーダンとは、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の前半(親世代)に出てくる味方キャラの一人である。
『聖戦の系譜』は当時のFE同人界隈を考慮したのかしないのか、登場キャラクターに美女や美男が多く、非常に耽美的な世界観を醸し出していた。それゆえにいかつい風貌のアーダンは浮いてしまい、こぞって弄り倒される事となる。特にアンソロでの扱いは極めて悪く、『鏡を見たら鏡が割れる』『恋愛相談をしたら水晶が割れた』等のネタがある。さらに酷いものになると『アーダンの子供は太る体質』『父親がアーダンだとわかると娘が占い屋のジジィに八つ当たりする』のようなネタがあり、今にして思えばとんでもない時代であった。もちろんそんな設定はゲームにはない。
「固い、強い、おそい!」という言葉に象徴される通り、物理防御が高く、魔法以外の相手ならばその経戦能力を如何なく発揮する。さらにジェネラルにさえなってしまえば(なるのが他のキャラと比べて険しい道のりではあるが)、剣A槍A斧B弓Bと3すくみにおいては優位に立ち、技の数値にこれでもかというほどのめいっぱいの不安が残るものの、打撃武器のちょっとしたスペシャリストになれる(3すくみを上手く生かし、優位に立てば命中に30%のボーナスが付く故)。
聞こえのいい様な事を言っているようだが、実際に前半で大盾を扱える唯一の味方ユニットなのである。
しかし『聖戦の系譜』というゲームはマップがだだっ広く、移動力5のアーダンではまともに行軍できないのである。これにイラついたプレイヤーが多く、遂に城から一歩も出さないままで前半を終えるケースも少なくない。そんな『もろい、よわい、おそい』アーダンなどザラである(むしろ活躍できる方が稀である)。「固い、強い、おそい!」の通り、成長率もHPや力、守備はガンガン伸びるのだが、やはり素早さが上がりにくく、回避力に難がある。実はそれ以上に技や運も上がりにくく、命中率や回避率といった『聖戦の系譜』で最重要視されるパラメーターが軒並み伸びないため、恐ろしく使い勝手が悪い。
さらに個人スキルも「待ち伏せ」のみと、あまりにも極端な成長率も含めてエリート持ちのいい男レックスらに惨敗してしまう(一応多様な武器継承が可能なので、完全な下位ではない)。とある攻略本では「女性とあまりくっつけてはいけないキャラ」とハッキリ書かれてしまっている。
また、彼の髪の毛は緑色である。『聖戦の系譜』ならびに『トラキア776』では緑色の髪はシレジア人の証とされる事も多いが、そんなこととは全く関係がない。むしろ同じ様な緑色の髪を持つヲルト、セシリア、サザと連なる、ファイアーエムブレムシリーズにおける緑髪のネタキャラの系譜の関係がささやかれているわけでも決してない。
このようにネタキャラ扱いされて何かと弄られがちな彼であるが、貴重な追撃リングを入手したり、ネックである技が上がるなど固有イベントも多く、また5章での恋人との会話ではちょっとした良い話になっていたりと、地味にスタッフに愛されている。また日本人の判官贔屓な国民気質もあり、時代が進むにつれて彼の持つ味が理解され、徐々に人気を得ていった。
しかし、数あるファイアーエムブレムキャラのAAに混じって『ドラゴンボール』のリクームのAAが置かれ、その説明に「アーダン」と書かれていたりもする。
そんな彼を、一部のユーザーは『アー様』と尊敬の念を込めて言う。ネタキャラとしてもガチキャラとしても彼は偉大なのである。
あるHPで「アーダン一人クリア」が企画され、独特な文章が人気を煽った。
「キモイが男前な顔だ」という作者の考えもあり、アーダンそのものの株も上がった。
(アイラを殺したり、引きこもりプレイしたり、レスキューしたり、仲間を囮にしたりなど)
また、ニコニコ動画内においては『ファイアーエムブレム feat.アーダン』という前半の敵のボス全員をアーダンで打ち倒す動画が登場し、脚光を浴びた。
物語序盤に「城の守りを誰に任せるか」という話になった時には真っ先に同僚から推薦されたり、主君のシグルド本人からも直々に「私からも頼む、城の守りを任せられるのはお前だけだ」と言われたりする辺り、そこそこ信頼されているようである。が、第2部終盤でオイフェに名前を忘れられている(逆に某漫画の森崎君のように、数合わせにされていた可能性も十分にある)。
コワモテな見かけによらず温厚で、自分の遅さに「アレクのように追撃が出来れば」と悩み、追撃リングを手に入れるイベントもあったりする(が、折角手に入れたリングも大抵別のキャラに使われる)。
好感度イベントでは外見ではなく、中身で判断する。
ファイアーエムブレムヒーローズでは、専用スキル「追撃リング」を引っ提げて登場。現在のところ、クリア報酬でのみ受け取れるが、そのイベント自体は終了しており、現在では入手手段が存在しない。使用武器は剣で、重装に分類される。剣で重装には、違う意味でネタとして有名な漆黒の騎士も存在するが、違うベクトルの性能をしているため、比較されることは少ない。
彼の特徴としては、そのステータス。重装どころか全キャラトップクラスのHPと守備を持っており、重装特効武器であっても耐える上、重装特効斧であるハンマーをノーダメにすることも可能なくらいに「固い」。そして、「追撃リング」。自分のHPが半分以上の時、確定で追撃できる。そこに、高めの攻撃と勇者の剣による自分から攻撃した場合に2回連続攻撃が組み合わさり、「自分から攻撃した場合に条件さえ整えば確定で4回攻撃」という他の重装にはまねできない火力と手数の両方で攻撃することに加え、高い守備が「守備の数値の一定割合をダメージに追加する奥義」とかみ合い、4回攻撃によって確実に発動させることで相手に大ダメージを与えられるくらいに「強い」。しかし、逆に全キャラワースト速さに加えて勇者の剣のデメリットである「速さ-5」によって、ほとんど全ての相手から追撃を喰らってしまうくらいに「遅い」。魔防も低いので、魔法なんかが飛んでくれば相性が有利であっても消し炭になることを想定した方がいい。
なお、重装限定のスキルだが、「自分から攻撃した場合だけ」と「自分に攻撃された場合だけ」にそれぞれ「絶対追撃」を行えるスキルがある。「追撃リング」との違いは、スキルによって追撃が発生して自分が攻撃した際の奥義カウントの進み方が早くなるというものであるが、「攻撃してもされても追撃可能」というのが追撃リングの特徴なので、スキルとしてはどれも相互互換となっている。聖印の「奥義の鼓動」を持たせて奥義カウントを少なくするのであれば「攻撃隊形」(自分から攻撃したとき絶対追撃かつ、自分の攻撃の奥義カウント変動量を+1)にして、逆に「遠距離反撃」を活かした盾役にするのであれば「迎撃隊形」(自身のHPが半分以上のときに攻撃された場合、絶対追撃かつ奥義カウント変動量を+1)といったようにカスタマイズするのも一考。
「遊星」の記事も参照。
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最終更新:2024/04/27(土) 22:00
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