漆黒の騎士とは (シッコクノキシとは) [単語記事]

漆黒の騎士とは、任天堂のゲーム『ファイアーエムブレム蒼炎の軌跡』と続編『ファイアーエムブレム暁の女神』に登場するキャラクター。担当声優はどちらも間島淳司。

ファンからの通称は「しっこく」。『ファイアーエムブレム覚醒』や『スマブラシリーズ』などにもゲスト出演している。

概要

その名のとおり漆黒の鎧を身にまとった謎の騎士。
蒼炎ではデイン王国【四駿】の一人として登場しアイクに倒される（ゲームでは戦闘結果次第）。暁ではミカヤを護るために現れ、終盤に正体が明かされる。アイクにとっては父の仇であり、超えるべき目標である。

軍人として職務を全うする一方で、静かに強敵を求め戦い続ける武人としての気質を併せ持ち、『蒼炎』～『暁』にかけてアイクの人格形成にも少なからず関わった存在でもある。

クラスは蒼炎ではジェネラル。
暁では専用クラスの漆黒の騎士[ダークナイト]。

蒼炎・暁共にその強さは折り紙つきであり、

FE シリーズでも屈指のパラメーターを持つボスユニット
専用武器のエタルドは間接攻撃が可能な上に耐久無限
蒼炎では女神の加護でラグネル以外の武器が通用しない
「月光」や「見切り」など強力な戦闘用スキルを持つ

等の要素からFE シリーズ最強のアーマー系と言われている。

だが漆黒の騎士が有名なのは強敵であることに加え、蒼炎で【しっこくハウス】というネタを提供したからであろう。
詳細は該当記事参照。

暁では第一部の終盤限定だが味方ユニットとして使用可能。該当章で敵側に漆黒の騎士へダメージを与えられるユニットは皆無のため、思う存分無双させることができる。が、既にレベルはカンストしており、やり過ぎると経験値泥棒になりかねないためご注意を。(また彼が最初に無双できるマップは【しっこくの森】としてネタにされている)

前作の屈指のパラメーターに衰えを見せないどころか奥義の「月光」が普通と異なる仕様（力3倍→5倍）に強化されている。実用性はないが槍も装備できるため、戦闘アニメを見たいならあえて槍を装備させるのも一興。敵としては鎧に付与されていた「女神の加護」消失により、ラグネルよりハンマー（アーマー特効）で攻撃する方が楽だったりする。ラグネルだろJK…。親父の形見のウルヴァンで挑むのも感慨深いが、クラスチェンジ後にアイクの斧の武器レベルをSSまで上げないと装備できないため注意。

なお暁では特定の条件を満たすと、アイクの幼少時の記憶イベントが解放されるが、その発生条件にも漆黒の騎士が関わっている。

漆黒の騎士の正体

※シナリオのネタバレを含む。

その正体はベグニオン帝国総司令官、ゼルギウス。

『蒼炎』発売当初から正体の考察はファンの間で行われていたが、ゼルギウス自身は『蒼炎』では影の薄いキャラクターであったため、『暁』で正体が露見した時に衝撃を受けたプレイヤーも少なからずいた。

ベオクとラグズの混血「印付き」として出生したため普通の人間より老化が遅く、世間から異端視される存在であった彼は、孤独の苦しみから逃れるためデイン王国に士官の道を選ぶ。そこで、アイクの父グレイルと出会い彼に師事し剣を学ぶ。しかし軍内でも、周囲に「印付き」であることが露見するのは時間の問題だと悟った彼は軍を除隊。除隊前に出会ったベグニオンの宰相、セフェランの元へ身を寄せる。セフェランもまた自分と似た境遇であることを知ったゼルギウスは、やがて彼に心を開き腹心の部下として生涯を捧げることになる。

なお、彼の象徴ともいえる女神の加護を受けた漆黒の鎧と神剣は、セフェランから譲り受けたものと推察されている。神剣2振りの内ラグネルは師であるグレイルとの決闘時に彼に拾わせたが、グレイルはそれを拒否。後にアイクの手に渡る。鎧の方は正体を隠すためだけでなく、「印付き」として普通の人間より成長が遅いことを周囲に悟らせない意味合いも兼ねている。（漆黒の鎧を着る以前もゼルギウスは軍内で常に鎧を着用し年齢を知られないようにしていた。）

BGM

漆黒の騎士との戦闘時は専用曲の『Against the Dark Knight』（蒼炎）、『宿命ありき』（暁）が使用されており、こちらの人気も高い。漆黒の騎士の圧倒的な強さと底知れない不気味さが上手く表現されており、彼の印象付けに一役買っている。しっこくハウスで絶望を味わったプレイヤーたちからはトラウマ BGMとしても知られている。

『X』以降のスマブラシリーズにも毎回収録されており、数あるファイアーエムブレム BGMの中でも知名度の高い一曲といえる。

参考

蒼炎のラスボス（第一形態）とのステータス比較。

	HP	力	魔力	技	速さ	幸運	守備	魔防	スキル
漆黒の騎士	60	30	17	30	27	11	*30+5	22	月光、回復
アシュナード	60	35	16	27	27	0	35	26	回復、恐怖

*固定武器（エタルド）による+5補正

見ればわかるが、ラスボスと遜色ないステータスの持ち主である。
さらに決闘はターン数・味方ユニットが制限された時限イベント。
ラスボスが攻撃用スキルを持っていないため、人によっては漆黒の騎士の方が強いという人もいる。
なお、アイクはしっこくに一対一の決闘を申し込んだ。身の程（ry

台詞

なぜかネタにされている台詞が多い。以下その代表例。

身の程をわきまえよ　（暁・第一部9章。敵将軍ジェルドとの戦闘会話）
かなり、やる。　（蒼炎・港町トハ攻略後ライとのイベント戦。句読点による妙なリズム感）
この剣を使われよ　（蒼炎・グレイルとの決戦ムービー。ボイス付き）

ヒーローズでの性能

ヒーローズでは2017年 9月のイベント・戦禍の連戦の報酬で実装。

原作同様エタルドをもち、遠距離からの攻撃にも反撃する。高めの守備と「金剛の構え」により物理耐久として使いやすく、「救援の行路」によって移動力の低さをカバーしている。重装の割に速さが高めなのもポイント。
そして本作初の専用の奥義「黒の月光」を持つ。汎用の月光とカウント数が同じながらも、敵の守備/魔防を80%軽減して攻撃と月光の上位互換でより効果が強力になっている。

弱点としては重装特有の魔防の低さ。特に、低レアリティ排出があり使用する人の多いラインハルト(ダイムサンダ)は不利属性＋魔法の2回連続攻撃のためまず耐えられない。あと重装特効武器にも注意。

なお、ヒーローズにおいても

一部の大英雄戦でスキルを少し継承すれば漆黒以外一切戦闘無しでルナティックをクリアでき、英雄値稼ぎに使われる。
2018年 1月から１プレイヤーが１回だけ購入できる「初心者応援パック（480円）」の販売が開始されたが、その内容が「オーブ12個」「スタミナ回復薬12個」「光の加護12個」と「漆黒の騎士（星5）1体」。案の定、「480円で買える男」だの「しっこくパック」だの言われる。
ネタ台詞として有名だった「身の程をわきまえよ」「かなり、やる」が初ボイス化。
後に中の人がほぼ上位互換で実装される。

など、その性能もさることながらネタ方向で話題になった。

スマブラシリーズへの出演

『スマブラX』にフィギュアで登場、専用曲も収録される。次作の『スマブラ3DS/WiiU』ではDLCにMii コスチューム用で彼の衣装が登場。頭身こそ低いが、鎧もエタルドもクオリティが高く、Miiの顔が完全に隠れるタイプの衣装なのでキャラ再現をしやすい逸品。是非、漆黒の騎士をスマブラに大・参・戦！！させてアイクと夢の対決をしよう。

『スマブラSPECIAL』ではアシストフィギュアとして大乱闘に登場することになった。ゆっくりと歩いて相手ファイターに近寄りエタルドで斬撃を浴びせてくる。重装備にも関わらず華麗なジャンプや宙返りをする姿は一見の価値あり。大きく間合いを取って一安心と思いきやワープしてくるというおまけ付。
間島氏のボイスも付いており、登場時の台詞は「では、参る」退場時には「身の程をわきまえよ」。今作でのアシストフィギュアの仕様上、攻撃を加えて倒すこともでき、そのときは「身体が動かん……」と珍しく気弱なセリフも聞ける。……のだが、前述のとおり近づけば超強力な斬撃を繰り出してくる上に耐久力も高く、総合的な機動力もそこまで低いわけではないので、アシストフィギュアの中でも難敵。他のアシストフィギュアとカチ合うと、相手の方を一方的に吹っ飛ばしてしまうこともままある。

スピリッツ（アドベンチャーモードなどでファイターに力を貸すキャラクター）としても登場する。
ある人物とのバトルのお題がしっこくコスチュームのMiiファイターとの乱闘になっていて、入手後にその人物のスピリットをレベル99まで上げ「超化」することで漆黒の騎士が爆誕する。

漆黒の騎士のスピリッツとしての性能はLEGEND（いわゆるウルトラレア級）のアタッカー。防御力アップ（大）、攻撃力アップ（小）の代わりに動きが鈍くなる効果の「アーマーナイト」スキルを持っている。アーマーナイトは漆黒の騎士の他に戦艦ハルバードのスキルとなっている。漆黒の騎士で戦艦ハルバードを装備するとアーマーナイトが二重にかかることになる。

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　　　　|┃ヽ___／／::::::!｜ 'l|ト､ヽ:::::/:::::::;'　!　 !::::::::::::: 　　次のスマブラには出演してみせるぞ！
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余談

海外版の彼はDark KnightではなくBlack Knightという名称であり、曲名も異なる。（意味を考えると「闇騎士」というより「黒騎士」で合っているといえば合っているが…）
カプコンのデビルメイクライ１に、ネロ・アンジェロ（バージル）がボスとして登場するMiss ion4の名前が「漆黒の騎士」だが、当然ながら本項目の人物とは全く関係ない。