三津田信三(みつだ しんぞう)とは、日本の推理作家、ホラー作家である。
同朋舎での編集者業を経て(同朋舎での同僚に作家の柴田よしきがいる)、2001年に三津田信三自身が語り手となるメタフィクションホラー『ホラー作家の棲む家』で講談社ノベルスから作家デビュー。
2006年に刊行した刀城言耶シリーズの第1作『厭魅の如き憑くもの』が本格ミステリプロパーの間で高い評価を集め、それ以降はコンスタントに作品を発表、特に刀城言耶シリーズはミステリ界隈で新刊が出るごとに高い評価を集め、各種ランキングの上位常連になっている。2010年、『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞を受賞。
本格ミステリとホラーを融合させた作風がその最大の特徴。代表作である刀城言耶シリーズは、戦後すぐの時代、田舎の閉鎖的な共同体を舞台に、おどろおどろしい伝承を背景にした連続殺人が起こる――と書けばまるっきり横溝正史だが、三津田信三作品では合理的に説明のつく本格ミステリ的な謎と、合理的に説明のつかない怪異が平然と共存し、怪異と思われた現象が合理的に解決されることもあれば、合理的に謎を解いた先に得体の知れない怪異が姿を現すということもある。最後まで読まないと本格ミステリとして落ちるのかホラーとして落ちるのか解らないというのが刀城言耶シリーズの最大の特徴である。また探偵役である刀城言耶の、次々と推理を提示してはそれを自ら否定していくという、名探偵らしからぬ七転八倒の解決パートも読みどころ。
刀城言耶シリーズ以外の作品は基本的にはホラー。死相学探偵シリーズはややライトなミステリ寄り。作家三部作はのちの刀城言耶シリーズに通じる本格ミステリ×ホラーの色が強く、ややホラー寄りである。
怪奇小説やホラー映画への深い造詣は作品にもしばしば反映される。奈良県杏羅(あんら)町や神々櫛(かがぐし)村のような地名や一部の登場人物などがシリーズをまたいで登場するため、ほぼ全作品が同一世界観の中にあるとも言えるのも特徴。
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最終更新:2025/12/15(月) 22:00
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