池井戸潤

池井戸潤（いけいど じゅん）とは、日本の小説家。

概要

1963年生まれ、岐阜県出身。慶応大学卒業後、三菱銀行に勤務。その後金融コンサルタント業に転向し、小説家デビュー前からビジネス書を多数書いていた。

1998年、銀行勤務の経験を活かした銀行ミステリー『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー（同時受賞は福井晴敏『Twelve Y.O.』）。その後も銀行や金融業界を舞台にしたミステリーを多く執筆し、「金融ミステリー」というジャンルをひとりで開拓する。

2006年、三菱自動車のトラック脱輪事故とリコール隠しを題材にした『空飛ぶタイヤ』が第136回直木賞候補、第28回吉川英治文学新人賞候補になるなど高い評価を集め、この作品で読者層を大きく広げブレイクした。

2010年、ゼネコンの談合問題を扱った『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を受賞。2011年、『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞。2013年には《半沢直樹シリーズ》が『半沢直樹』のタイトルでドラマ化され、最終回は40%を超えて平成の民放ドラマ最高となる記録づくめの高視聴率をマーク、「倍返しだ！」が流行語になった。

初期は前述の通り金融ミステリー小説を中心に書いていたが、《半沢直樹シリーズ》の第1巻『オレたちバブル入行組』（2004年）以降は、主に会社で奮闘するサラリーマンや技術者を描いた企業小説（勧善懲悪・浪花節系）の作品が多くなっており、普段は経済小説を読まないような層からも支持を得ている。

前述の『半沢直樹』のほか、
『果つる底なき』（2000年、フジテレビ系）
『空飛ぶタイヤ』（2009年、WOWOW）
『鉄の骨』（2010年、NHK）
『下町ロケット』（2011年、WOWOW）
『七つの会議』（2013年、NHK）
『不祥事』『銀行総務特命』（2014年、『花咲舞が黙ってない』のタイトルで日本テレビ系）
『ルーズヴェルト・ゲーム』（2014年、TBS系）
『株価暴落』（2014年、WOWOW）
『ようこそ、わが家へ』（2015年、フジテレビ系）
『民王』（2015年、テレビ朝日系）
がドラマ化されている。殊に『半沢直樹』以降は作品のドラマ化が相次いでいる。

作品リスト

◆は半沢直樹シリーズ。

1. 果つる底なき （1998年、講談社→2001年、講談社文庫）
2. M1 （2000年、講談社）　→　架空通貨 （2003年、講談社文庫、改題）
3. 銀行狐 （2001年、講談社→2004年、講談社文庫）
4. 銀行総務特命 （2002年、講談社→2005年、講談社文庫→2011年、講談社文庫（新装版））
5. MIST （2002年、双葉社→2005年、双葉文庫）
6. 仇敵 （2003年、実業之日本社→2006年、講談社文庫）
7. BT'63 （2003年、朝日新聞出版→2006年、講談社文庫）
8. 最終退行 （2004年、小学館→2007年、小学館文庫）
9. 株価暴落 （2004年、文藝春秋→2007年、文春文庫）
10. 金融探偵 （2004年、徳間書店→2007年、徳間文庫）
11. 不祥事 （2004年、実業之日本社→2007年、講談社文庫→2011年、講談社文庫（新装版））
12. オレたちバブル入行組 （2004年、文藝春秋→2007年、文春文庫） ◆
13. 銀行仕置人 （2005年、双葉社→2008年、双葉文庫）
14. シャイロックの子供たち （2006年、文藝春秋→2008年、文春文庫）
15. 空飛ぶタイヤ （2006年、実業之日本社→2008年、ジェイ・ノベル→2009年、講談社文庫（上下巻））
16. オレたち花のバブル組 （2008年、文藝春秋→2010年、文春文庫） ◆
17. 鉄の骨 （2009年、講談社→2011年、講談社文庫）
18. 民王 （2010年、ポプラ社→2013年、文春文庫）
19. 下町ロケット （2010年、小学館→2013年、小学館文庫）
20. かばん屋の相続 （2011年、文春文庫）
21. ルーズヴェルト・ゲーム （2012年、講談社→2014年、講談社文庫）
22. ロスジェネの逆襲 （2012年、ダイヤモンド社） ◆
23. 七つの会議 （2012年、日本経済新聞出版社）
24. ようこそ、わが家へ （2013年、小学館文庫）
25. 銀翼のイカロス （2014年、ダイヤモンド社） ◆

関連動画

関連生放送

関連商品

半沢直樹シリーズ

その他

関連項目

• 小説家の一覧
• 半沢直樹
• 江戸川乱歩賞
• 直木賞 / 吉川英治文学新人賞