『The Last of Us』 (ザ ラスト オブ アス)とは、ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売中のPlayStation 3専用ソフトである。ジャンルはサバイバルアクション。開発はアンチャーテッドと同じノーティドッグが担当する。
2014年8月21日にPS4で「The Last of Us Remastered」が発売予定。全てのダウンロードコンテンツが収録され、映像はPS4に最適化され、よりリアルなものとなる。
概要
『クラッシュ・バンディクー』シリーズ、『ジャック×ダクスター』シリーズ、『アンチャーテッド』シリーズを手がけたアメリカのノーティドッグが開発するアクションゲーム。ノーティドッグ制ゲームとしては初のCERO:Z指定。
サウンドは映画『Brokeback Mountain』と『Babel』でオスカー作曲賞に2度輝いたGustavo Santaolalla氏が担当している。
アンチャーテッドシリーズ同様、三人称視点で進行するアクションアドベンチャーゲーム。舞台となる世界は、謎の菌類が蔓延したことで人類の大半が死滅し文明も滅びた過酷な状況にあり、プレイヤーは中年男性ジョエルを操作し、限られた資源(素材や弾薬)を集めながら、人ではなくなった“感染者”や、かろうじてパンデミックを生き残りながらも他者の命を奪って生活している"生存者"達と闘いつつ、少女エリーを連れてアメリカを旅していく。
開発元のDruckmann氏曰く、本作は「ホラーゲームと言うよりラブストーリー(恋愛ではなく親子の愛)かもしれない」とのこと。
海外の発売日より約三週間後の2013年7月3日時点で全世界340万本の出荷本数(DL版販売本数含む)を記録。これは2013年のPS3ソフト最多セールスであり、同時に同機種の新規IPにおける史上最速ペースのセールスとなった。
数々のメディアのレビューで高得点を獲得した非常に評価の高いゲームである。また、同年にGTAVという超大作ゲームがあったにもかかわらず、ゲーム史上最多のゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY)を獲得した。
複数のDLCが発表されている。シングルキャンペーン向けDLCも含まれており、これはノーティドッグ作品としては初。※下で解説
ストーリー
原因不明の病原菌に蝕まれた感染者に脅える人々。
感染の拡大を防ぐため、軍によって強制的に隔離されたかつての大都市は、荒廃の一途を辿っていた。
20年経った現在も状況は進展せず、物資を巡る生存者同士の争いが続く。
病原菌に有効な抗体もなく、感染の被害は止まる所を知らない。
強権的な軍に抑圧された生活を強いられる中、多く者は自らの命を守るために
信条や道徳、誇りを捨てて手を汚す道を選んだ。
病原菌のパンデミックで全てを奪われ、己のためだけに行動する事で、
この荒みきった世界を生き抜いてきた男、ジョエル・ミラー。
ブラックマーケットでの取引を生業としている彼は、とある仕事でエリーという十四歳の少女と行動を共にする事になる。
絶望しかない世界で、ジョエルとエリーの長い旅路が今、始まろうとしていた。
登場人物
主人公
ジョエル - 声:Troy Baker 日本語吹替:山寺宏一
冷酷な中年男性。過去にパンデミックから脱出する際、娘のサラを軍に殺された過去を持つ。
生きるためなら手段を選ばない非情な性格の持ち主。
世界崩壊後は隔離地域のブラックマーケットで密輸を行って生計を立てている。
いわゆるアンチヒーロータイプのキャラクター。エリーとは旅を通じて、信頼関係を築いていくことになる。
エリー - 声:Ashley Johnson 日本語吹替: 潘めぐみ
軍が統治する都市で育った14歳の少女。
年齢の割には大人びた性格であり、
世界崩壊後に生まれているため、崩壊前の世界を知らない。
なお、日本語版の取扱説明書にはそれぞれ"ジョエル・ミラー"、"エリー・ウィリアムズ"と表記されているが、こちらはSCEJがローカライズの際に独自に付けたフルネームであり、ノーティドッグは関与していない非公式設定となっている。そのため英語版には2人のフルネームは記載されていない。
(SECJは過去にもアンチャーテッドの主人公、ネイサン・ドレイクをネイト・ドレイクと記載してた前科あり。)
勢力
軍
隔離地域を統治している武装兵。ルールを破った者や、感染した者は直ちに処刑する。
「配給カード」と引き替えに食糧の配給も行っている。
武力をもって隔離地域の治安を維持している組織。
マーリーンという女性をリーダーとした軍への抵抗組織。
隔離地域へ禁輸品を持ち込んで戦力を蓄えていたが、軍との抗争で壊滅的な打撃を受ける。
隔離地域から見捨てられた生存者の集団。
グループ意識が強く、生き残るために常に物資を探している。
自分たちの縄張りを侵す者や、物資を奪いに来た者は容赦なく殺害する。
謎の病原菌に感染した元人間。感染の度合いによって外見と行動パターンが異なり、
感染初期段階は「ランナー」、頭部が変形した第二段階は「ストーカー」、
頭部が原形を留めていない第三段階は「クリッカー」と呼ばれている。
人間が感染者に噛まれる事で菌に感染。徐々に正気を失っていき、概ね二日でインフェクテッドに変異してしまう。
マルチプレイ
概要
プレイヤーはファイアフライかハンターのどちらかの勢力を選択し、戦闘を通じて物資を集めて自分のチームを拡大しつつ、12週間を生き延びる事が目標。
なお一度選んだ勢力は12週生き延びるか、人口が0になってゲームオーバーになるまで変更は出来ない。
ルール
「物資争奪戦」と「生き残り戦」の二つのルールから選択する。いずれも4vs4のチーム戦である。
対戦が終了し、チームの決着が付くと1日経過と見なされる。(12週間生存=84ラウンド生き抜く事になる)
物資争奪戦
死亡しても一定時間後に復活が出来る。ただし、1チーム全体での復活回数が20回までと決められている。
相手チームを全滅させるか、タイムアップ時に残りの復活回数の多い方が勝利。
生き残り戦
ラウンド制で、死亡した場合はラウンド中の復活はない。
相手チームを全滅させるか、タイムアップ時の残人数が多いとラウンドを取った事になり、4ラウンド先取で勝利となる。
人口
自分が所属するコミュニティのメンバー数であり、これを増やしていく事でアイテムのアンロックなどが発生する。
(他のプレイヤーとチームを組んでいる、と言うわけではなくマルチプレイモード用のパラメータである)
戦闘の総獲得スコア(部品)に応じて物資を得る事が出来、物資で自分のコミュニティにいる人間を養っていく事になる。
多くの物資を稼ぐと自然と人口が増えていくが、人口に応じて養うのに必要な物資数が増える。
物資が不足するとメンバーは徐々に飢餓状態や病気となり、やがて死んで人口が減っていく。
全滅してしまうとゲームオーバー。チームを全滅させずに12週間を生き抜く事が目的である。
ゲームプレイ
ほぼシングルプレイと同様の操作。マップ中には工具箱に入った資源があり、これを各々回収してアイテムを工作しつつ、敵チームのメンバーを殲滅していく事になる。
なお資源はチームで分け合うのではなくプレイヤーごとに取得できるため、資源回収で遠慮する必要は無い。
操作においてシングルプレイと異なる点は以下の通り。
- 周りの音を探知する"聞き耳"の使用頻度・時間に制限がある。
- 敵に照準を合わせた状態でR3を押下するとマーキング(スポット)が出来る。
- L3を押下すると、キャラクターカスタマイズで選択したジェスチャーを行う
その他にダウンした敵にとどめを刺す・ダウンした味方を蘇生する、工作画面/Respawn待ち画面から「ストア画面」を開き、戦闘中に獲得した部品を消費して装備のアップグレードが出来る、といったマルチプレイ用の要素がある。
(体力が無くなったプレイヤーはダウン状態となり、即死亡とはならないため、蘇生や追撃によるとどめ等の要素がある)
なお工作で作成できるアイテムはシングルプレイと同様だが、一部アイテムは必要素材が変更されている。
カスタマイズ
外見のカスタマイズの他に、武器やスキル(装備していると特殊な効果が得られる)のカスタマイズがある。
戦闘に影響する武器・スキルは装備ポイントが設定されており、合計装備ポイントの上限に抵触しないように
メインウェポン、サブウェポン、スキル、ストアで追加購入できる「購入専用武器」の選択を行う。
イベント
チームの生存期間がある程度進むとイベント(事件)が発生。
任意の条件を選択後、一定期間経つとイベントが終了。条件の達成度合いに応じて人口が変動する。
ドラマ版
2023年1月より、アメリカのケーブルテレビ局HBOにより配信中。
ドラマに合わせてある程度の改変(大学でのジョエルの負傷、サムとヘンリーが追われる理由など)や補完(ビルとフランクとの馴れ初め、カンザスティが荒れている原因)こそあれど、ゲームのワンシーンがフラッシュバックするほどの高い原作再現度だけでなく、ポストアポカリプス系ドラマとしても高いクオリティを誇っている。
日本語吹き替え版も、ゲーム版を担当した山寺宏一や潘めぐみといったメインキャストの多くが続投している。
関連動画
E3のプレイ動画と同じロケーションのプレイシーン。
中盤以降の他の生存者との戦い方が違うバージョンで、新しい敵のリアクションが確認できる。
追加ストーリー「Left Behind ‐残されたもの-」
ノーティドッグ初となるシングルモードの追加コンテンツが、日本では2014年2月14日から1500円(税抜)で配信中。エリーが親友のライリー(声:田村睦心)とともにボストンの軍事寄宿学校に通っていた時の物語。特典として出演者インタビューの日本語字幕版など複数の映像コンテンツも付いてくる。
開発の経緯:ジャック×ダクスターとの関係
ノーティドッグは「アンチャーテッド」の開発が一段落したタイミングでPS3の「ジャック×ダクスター」の最新作の開発を開始。しかし3ヶ月ほど開発したものの、ゲームのコンセプトや内容といったものが同作の世界観に合わないと判断し、新作ではなく新規のタイトルとしてそのゲームを開発することに方針を変えた。そして発売されたのが「ラストオブアス」である。
ラストオブアスの開発者インタビューでジャック×ダクスターの新作が今後ノーティドッグで作られるかという質問に、上記のPS3のプロジェクトを進めていた開発者は「そうなるといいですね。私でない誰かが作るかも」と答えている。
ゲーム内でジャック、ダグスターの人形が子供部屋にあったり、おもちゃ屋さんにはボードゲームがあったりするなどカメオ出演もしている。
関連項目
外部リンク
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