アルコール(英語: alcohol)とは、炭化水素に水酸基(化学式 -OH)がついた化学物質の事である。
概要
アルコールという語はアラビア語アル=クフル(الكحل al-kuHl)、つまり中近東や北アフリカの女性が化粧に使用した輝安鉱(硫化アンチモン(III))の黒い粉末に由来するとされる。語源は古代エジプト語まで遡り、クレオパトラの目元を黒く彩ったのもこれだとか。
あるいは別のアラビア語アル=グール(الغول al-ghuul)に由来するという説もある。これは食屍鬼を示す英語グール(ghoul)やペルセウス座の変光星アルゴル(Algol)の語源でもあり「食屍鬼、悪霊、悪魔、精霊、鬼、災厄、酒類」を指す。酒類というのはコーランにおいて酒は「良い面よりも悪い面の方が多い『悪魔』の仕業」とされているのに基づく。
いずれにせよヨーロッパには「(細かい粉末状の)抽出物」を示す錬金術の述語としてスペイン経由でもたらされ、とりわけ酒類から抽出したエチルアルコール(エタノール、酒精)を指した。そこからエチルアルコールを含む酒類自体もアルコールと呼ぶようになり、これが一般にも広く普及していった。
ニコニコ動画でも「アルコール」と言った場合はほぼ100%に近いくらいお酒の代名詞として使われている。「アルコールを飲み過ぎた」「アルコールが抜けない」「アルコール中毒」などと言った場合は完全にお酒の事を指していると思って間違いない。
化学分野でのアルコールとは、「炭化水素の水素原子を水酸基に置き換えた物質の総称」である。アルコール類は飲料の他にも、食品、燃料、消毒液、化粧品などにもいろいろ使われている。
主なアルコール類
- メタノール(メチルアルコール) - 燃料やフェノール樹脂、酢酸、ホルマリンの生成に使用。飲むと危険。
- エタノール(エチルアルコール)
- エチレングリコール - 車のラジエーター用の不凍液として使われる
- グリセリン(グリセロール) - 体内で脂肪を分解して生成される
そのほか、炭素数が6以上のものを高級アルコールといい、洗剤などの界面活性剤として使われる。
なお、ベンゼン環に直接水酸基(化学式 -OH)がついた化学物質はフェノール類と呼ばれ、アルコールとは呼ばれない。水素イオンが電離して弱酸性を示すなど、アルコールと異なる特徴的な性質を示すためである。芳香族でもベンゼン環に直接水酸基がついていなければアルコールに含まれる(ベンジルアルコールなど)。
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