アンナ・錦ノ宮とは、下ネタという概念が存在しない退屈な世界の登場人物。本作における最大の被害者であり、最凶の獣である。
CV.松来未祐
世界曰く、概要は正義! ですわ
時岡学園高等部の2年生。生徒会長を務めており、華城綾女とは公私にわたる親友。主人公・奥間狸吉とは小学生時代に出会っている。
銀髪碧眼の超美少女で、おっとりとしたお嬢様口調が特徴。
PMという監視システムを導入する『公序良俗健全育成法』を成立させた国会議員の父と、全国に影響を持つPTA会長の母を持ち、卑猥な知識から一切切り離されて育った。それ故に無垢な面がある。
その天使のような笑顔は誰かを差別するということをせず、狸吉は勿論、綾女や月見草などにもその笑顔を惜しみなく向けている。狸吉はその清楚で健全で大和撫子を体現したかのようなアンナに憧れ、全国でも有数の風紀優良校である時岡学園に入学した。文武両道であり、お淑やかな外見や所作とは裏腹に柔道有段者。また、自身の正義に反するもの(主に卑猥なこと)に関しては一切の容赦がない。
しかし、その姿勢がむしろ生徒や保護者からの信頼を得ている、まさに非の打ち所のない完璧超人である。愛という名の正義を知るまでは……。
正しい行いを行ってさえいれば、人に愛され、受け入れてもらえるものでしょう?
しかし実際は、「卑猥とは、正義とは何か」を自分で考えて判断しているのではなく、両親や世間が決めてきた「卑猥は悪だから悪である」といったような、既に決められてきたことに従ってきたに過ぎない。また、卑猥に関する知識を一切持たないため、下腹部からの衝動(性欲)と愛情の区別がつかない。
今までは問題なかったが、アンナへのストーカー事件で狸吉がリトさん並みに押し倒した際に、“何か”が目覚めてしまう。高鳴る鼓動、下腹部から湧き上がる甘くて切ない熱、全身が火照ってどうすればいいのかわからない……。
アンナはこの衝動を“愛”と解釈した。全ての悲劇はそこから始まる。
なお、アンナは火照った(発情した)際に下腹部から体液が流れ出るが、これが愛液であるという知識を持たない(アンナに限らず、この世界の大部分の子供は愛液や精子が何かを知らない)ため、彼女はこれを『愛の蜜』と表現している。
「正しくあれば愛してもらえる=正しくなければ愛してもらえない」という価値観が根底にあり、更に「愛は絶対の正義」という思想から、愛の為なら何をやってもいいと考えている。
その“正しい行い”の一例を以下に抜粋する(アニメ化されていない内容についてはネタバレ反転)。
- 涎か愛の蜜を付けた「好きですレター」を数十、下手したら100通以上送りつける。
- 狸吉のアパートのベランダから狸吉の生活を覗く。
- 狸吉の部屋に入り込み、本人の許可なく性行為に及ぼうとする(アンナ本人は性行為の存在自体を知らず、無論この行為を卑猥なことだとは思っていない。あくまで愛を確かめ合う行為であると考えている。ならそのロープはどうして用意したんですかね…?)。
- 「愛してもらいたい→もっともっと正しくなければ」という想いから、卑猥の取り締まりを強化する(公私混同)。
- 愛の蜜入りのクッキーを狸吉に食べさせる。
なお、アニメ版ではクッキーが登場する前に「このあとのシーンにはショッキングな映像が含まれております。心臓の弱い方はご注意下さい。」という注意書きが流された。 - 親友である綾女に嫉妬し、首元に刃物(ハサミ)を突きつける。
- とにかく狸吉と2人きりになって愛を確かめ合いたい(ぶっちゃけて言えば、ぐちょぐちょのセクロスをしたい(という内容に捉えることができる)。狸吉の意思は一切無視である)。
- 狸吉の匂い付トランクスをくんかくんかする(育成法が施行されて以降、子供は表面的にはその意味が分かっておらず、下着を見ること・見られることに羞恥心を持たないのが一般的、という背景はある。なお、この件で人間離れした嗅覚を手に入れた模様)。
- 夏休みに狸吉を自室に鎖で監禁して愛の観察日記をつけることを目論む。
- 狸吉と久しぶりに出会って道端でバキュームフ○ラ(ズボン越し)する。
- それを見て悲鳴を上げたゆとりが狸吉を下の名前で呼んだだけで殺そうとする。
全ては愛故に、である。これらすべて、性知識がない年ごろの清楚で健全な女性がやってしまっているのである。
もう一度言う。アンナ先輩に性知識は皆無である。たとえ狸吉の反応を見て一瞬で(性的な)テクニックを上達させることが出来ても、性知識そのものはないのである。ひとえにそのハイスペックさのおかげせいである。
ちなみに嫉妬からの殺人ですらも、アンナ先輩曰く「狸吉への愛から来るもの」であり、故にすべて正しく、絶対の正義らしい。
狸吉たちはこれらを、アンナが卑猥の知識を一切持たないために起きている暴走と考えており、彼女を『公序良俗健全育成法』の被害者であると考えている。また、狸吉は知識のないアンナと一線を越えることは育成法の弊害に負けたと考えており、アンナからのアプローチの一切を避け続けているため、いつ貞操と命の危機が訪れてもおかしくない状況となる。
また、(特に性欲が暴走した時の)アンナの身体能力は人間離れしており、以下のような事をやってのけている。
- 縄につかまった男子高校生を腕力だけで軽々と引き上げ、また鉄の扉を吹っ飛ばして開ける(なお、これは愛に目覚める前、つまり非暴走時)。
- 一瞬で数メートルの距離を詰め、2人の人間を片手ずつ持ち上げる。
- 一瞬にしてハサミでフェンスの数箇所を切断、両腕を通せるだけの穴を開ける。
- 2階建ての家の屋根から飛び降りても平気。それどころかロープウェーのゴンドラから山中に落ちてもピンピンしてる。
- 銃(モデルガンだったが)を持った相手に一瞬で距離を詰め、弾き飛ばした銃が乗っているバスのフロントガラスを割った。
- バスから降りた瞬間、祭りの人混みの中の狸吉の匂いをかぎつける。
その他にも枚挙に暇がないが、その身体能力は作中殆どの人間から『化け物』扱いされている。その身体能力と正義感(あと偏りすぎた愛)から、作中最大の被害者ではあるものの、最凶の獣として恐れられている。
《SOX》を捕まえることができたのなら、わたくしはきっと、あの方にもっともっと愛してもらえるのでしょうね
《雪原の青》は狸吉が入学する前から生徒会長として捕まえようとしていたが、早乙女乙女曰く「とても楽しそうじゃろうが」とどこか遊び半分だったらしい。
一応、綾女自身が生徒会の人間で情報が筒抜けであり、アンナ自身が情報戦や絡め手に弱いため出し抜かれていたことを補足しておく。
しかし、狸吉への愛に目覚めて以降は「正しくあれば(もっと)愛してもらえる」という思想の元、日に日に取締りを強化し、卑猥の根絶に徹底的に容赦がなくなってくる。ちなみに、卑猥は絶対悪らしい。
《SOX》としての狸吉《センチメンタル・ボマー》に関しては、匂いや体つきでは本人と分かっているので無意識に身体が反応し、発情してしまう。しかし、狸吉が《SOX》である訳がないという思い込みから発情してしまったことを無かったことにするため、《センチメンタル・ボマー》としての狸吉は命を狙われている。
要は浮気相手を殺せば不貞はなかったことになるらしい。それが愛! それが正義!
《SOX》にとっては善導課や他の下ネタテロ組織より何より、アンナが最も恐ろしい存在である。死人が出かねないからね、仕方ないね。
関連動画……これが私と貴方が共に歩み育んだ愛の軌跡ですわね
私とあなたの中で、隠し事はいけませんわ…関連商品に全てが載ってますから
原作(ライトノベル)
2015年8月現在、9巻まで刊行。ニコニコ静画(電子書籍)でも配信中 → こちら (5, 6巻はこちら)
コミック
現在2巻まで刊行。8/10に第3巻発売予定。ニコニコ静画(電子書籍)でも配信中 → こちら
Blu-ray&DVD
どちらも全六巻予定
さあ、関連静画を……ありのままの私を受け入れて下さいまし……
ああ、これが関連項目ですのね!? この世で最も尊い項目ですのね!?
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