ゴティックメード(GOTHICMADE)とは、永野護の漫画「ファイブスター物語」及び劇場用アニメ映画「花の詩女ゴティックメード」に登場する巨大ロボット兵器である。略称はGTM。
「ファイブスター物語」においては、作中ロボットの名称およびデザインが「花の詩女」制作の際の長期休載後、ニュータイプ2013年5月号からの連載再開時に世界設定が大きく一新され、それまで登場していた巨大ロボット兵器である「モーターヘッド」が「ゴティックメード」へ変更されたという経緯がある。
そのため、それまで登場していたモーターヘッドについては同じ位置に対応するゴティックメードが新たなデザインとして登場するようになっている。
登場する作品の詳細については、それぞれ「ファイブスター物語」および「花の詩女ゴティックメード」の記事参照。
概要
ハーモイド・システムと呼ばれる劇中世界では広く普及している半永久機関を動力とする全高およそ25メートル程の人型兵器。モーターヘッド時代に比べると一回り以上身長が高くなっている。
その他にも本編の主な舞台である星団歴の以前のAD世紀の時代に誕生したといった歴史的経緯や「騎士(ヘッドライナー、ウォーキャスター)」と呼ばれる驚異的な身体能力を持つ超人が乗り込むことによって真価を発揮する事などの基本的設定もほぼ変わらず、モーターヘッド時代におけるマシンメサイア等の設定も一部統合された形となる。
戦闘方法は主にエレクトロ・マグニフィケーテッド・カーソル・ガット・ブロウ(通称ガット・ブロウ)と呼ばれる剣と銃が一体化したような武装を用いた近接戦闘で、自己修復能力と光学兵器をほぼ無効にする上に、物理的攻撃に対しても完璧と言っても良いほどの強度を持つヘリオス装甲に包まれている事から、ガット・ブロウを用いた高速戦闘により、相手の関節や打撃の衝撃によってパイロットの損傷を狙う戦法を基本とする。また、戦闘の際にはガット・ブロウなどによる射撃攻撃を併用することも少なくない。
GTMの主な特徴
- スイング関節
- 長い首とZ字に折れ曲がった様な腕、小さく細い胴体に対して巨大な手足という、ぱっと見でも分かる人間とは違った異様な体型で、全身がスイング関節と呼ばれるレール型の関節が配置されている。モーターやギアなどは全くないシンプルな作りで、電磁的にくっついてるような状態らしい。一般的な軸型関節に対して関節の急減速・急停止にも対応する事を意識したとのこと。体型についても四肢の可動範囲を意識し、作者曰く「書くのに時間のかかる面倒臭いロボットを何とか簡略化しようとして考えた」のだが、生来の凝り性が発揮されたためか「かえってごまかしがきかなく」なり、そのくせ相変わらず半透明装甲をフル採用したため「地獄のような作画作業」になるなど、実際の手間は数倍に跳ね上がってしまったようである。
- フレーム構造
- 二本の背骨のみを「フレーム」とし、その他は動力や関節、そして装甲の塊でもって本体を構成しており、そしてそれ自体が外装になっているため、いわゆるよくある内部骨格としてのフレームは存在しない。かつて作者がムーバブルフレーム等の設定を提案した過去を考えると、何とも思い切った物である。
- 半透明装甲
- モーターヘッド時代にはL.E.D.ミラージュなど一部にのみ途中から採用していた半透明装甲だが、とうとう基本的に全機種で標準で使われている設定となった。そんなに好きか。しかも完全透明からそれぞれ色や透明度が違うものがあったり、色が変わる装甲まであるなどもはや宝石店のような万全の態勢である。
- エンジン音
- 「花の詩女」の映像によって得られたある意味最大の恩恵であるのが何重にも重なったエンジンの起動音や駆動音。IHIジェットサービスに協力してもらったり、声優さん達の悲鳴を沢山収録したりして製作された物で、読者に対してある程度の音の共通イメージが提供された形になった。
- ワケのわからない出力
- モーターヘッドの出力は多少の差はあれどもおよそ2兆馬力だったが。ゴティックメードは大体3京馬力。L.E.D.ミラージュに当たるGTMツァラトウストラ・アプターブリンガーの出力は推定1000京馬力以上である。本当にワケがわからない。
代表的GTM
映画「花の詩女 ゴティックメード」の作中には、ドナウ帝国の「ディー・カイゼリン」や「メロウラ」その他に「ボルドックス」「マークII」「マークIII」といったGTMが登場したが、ドナウ帝国の「ガイスト」や、聖都ハ・リの「バーガ・ハリ」等、作中に登場しなかったGTMの存在が示唆されていた。
それらについては連載再開後の設定改変に伴って徐々に登場し、設定が公開され続けている。
- マグナパレス
- ご存知このファイブスター物語の主役GTM。MH「デスティニー・ミラージュ」…つまり「ナイト・オブ・ゴールド」に当たる機体。この「ナイト・オブ・ゴールド」という通称は踏襲されている。もちろん主役であるアマテラスとラキシスが乗るのだが、それでは活躍がいつ描けるかわからない…!というメタ的理由もあってか16巻で剣聖ミキータ・オージェが対サタン戦で使用した。
- ディー・カイゼリン
- 「花の詩女」の主役GTM、ドナウ帝国第三皇子トリハロンの騎体。頭部や全体のシルエットが女性的で、”ドナウ帝国の氷の女王”・”氷の女皇帝”・”ガラスのカイゼリン”といった複数の異名を持ち、武器を嫌うベリンをして美しいと言わしめる外観をしている。MH「ジ・エンプレス」に当たり、後にドナウ帝国の紋章が遺る状態でアトール聖導王朝に譲渡。ファイブスター物語本編にて『アトールの騎士』ヤーボ・ビート→デプレッサー・ビートに継承されている。
- メロウラ
- 「花の詩女」にはチラッとだけ登場した青いGTM。MH「Vサイレン ネプチューン」に当たる機体。以後ドナウ帝国→ラント・フィルモア帝国に代々継承されており、ファイブスター物語『魔導大戦』時点での継承者は『ハイランダー』クリスティン・V
- ボルドックス
- 「花の詩女」にてテロリストがベリン暗殺のために使用した機体。ガーランド(開発者)はユーゴ・マウザーで、当時としては最新型の機体なので、ただのテロリストが持ち出せる機体ではなかった。
- ゲート・シオン・マークII
- どうみてもエルガイムMk-II。ティーガーフレームと呼ばれる独自フレームにより飛行形態への変形を可能としている。光学迷彩による隠密行動の他、バスターランチャーをも装備する。ファイブスター物語本編にてエルディアイ・ツバンツィヒと共にミラージュ騎士団入り(というか「あのお方」に強請られたというか・・・w)。第2部ではあのダバ・マイロードコーラス六世も使用するとか…やっぱりエルガイムMk-IIじゃねーか!
- マークIII・リッタージェット
- マークIIの発展型GTMで、同じく変形機能を持つ。MH「バング」に当たる機体。「破烈の人形」の呼び名もそのまま引き継いでいる。
- ダッカス
- MH「バッシュ・ザ・ブラックナイト」に当たる機体。連載再開直後に登場して話題となった。
- バーガ・ハリ
- 連載再開後に正式登場した、ミノグシア連合のGTM。MH「Aトール」に当たる機体。
- デムザンパラ
- MH「シュペルター」に当たる機体。14巻時点での現所有者による装甲の大改装が施されて見た目がかつてと全然違う物になったらしく、特にかつてを知るミラージュ騎士団からは大不評のようである。
- ボルドックス・ガーネット
- 映画の時代から長い年月を経て姿が様変わりしたボルドックス。MH「青騎士/紫苑鋼」に当たる機体。
- ラムアド
- MH「ブーレイ T233ボストーク」に当たる機体。
- グリット・ブリンガー
- MH「クロス・ミラージュ」に当たる機体。
- ツァラトウストラ・アプターブリンガー
- MH「L.E.D.ミラージュ」に当たる機体。最強。大体1000京馬力とかワケのわからない出力。必殺攻撃は余剰エネルギーの排熱フレーム・ランチャー。略称はツァラトラ。
- ツァラトウストラ・グローサー・デトネーター
- MH「ヤクト・ミラージュ」に当たる機体。
関連動画
関連項目
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