ザ・ハングマンとは、朝日放送(現・ABC)と松竹芸能の共同制作で1980年11月14日~1981年11月6日までテレビ朝日系列で放送された『ハングマンシリーズ』の第1作である。全51話。
なお、第15話までは『ザ・ハングマン 燃える事件簿』というタイトルだった。
OPナレーション
- 第1~25話
ザ・ハングマン
法の追及を巧みにかわす悪党達に
怒りの制裁を加え、社会的に死に至らしめる死刑執行人である
顔を変え、指紋を消し、戸籍を抹消した人間達
命の代償は、莫大な収入と、限りない孤独だけである
ザ・ハングマン!
- 第26~51話
日本人の行方不明者、現在7万8千人
身元の分からない死者の数、2万8千人
俺達も、その中に含まれる
顔を変え、指紋を消し、戸籍を抹消して死人となった
俺達の得た物、年俸4千万円
失った物、人並みの幸せ
しかし許せぬ悪を見る時、熱い血が全身を駆け巡り
悪に挑む時、胸の鼓動は高まる
俺達、生ける死人の名前は、”ザ・ハングマン”
概要
何らかの事情により偽装死亡し、顔を整形手術で変え、さらに指紋を消した「ハングマン」と呼ばれるグループが、法律の網を逃れてやりたい放題の悪党に社会的制裁を加えるという物語。
製作総指揮は必殺シリーズプロデューサーの山内久司氏であり、『ザ・ハングマン』は現代版必殺シリーズとも言われているが、組織の頂点に「ゴッド」と呼ばれる人物がおり、そのゴッドの指示のもとハングマン達が行動を開始するという点こそ必殺シリーズと同じでも、ハングマンシリーズでは悪人を直接殺さずに、公衆の面前(もしくはテレビ放送)で悪人に罪を公表させて悪人の社会的地位を殺すという相違点がある。
なお、この第1作ではメンバー全員が警察関係者であり、メンバーの入れ替わりが多い作品でもある。
メンバー全員が「死人」であるためか、作戦会議の時にはメンバーの前にはそれぞれの位牌が置かれることがあった。
第26話よりデジコン役として名高達郎(現・名高達男)が出演、以後、名高は計5作品に出演しハングマンシリーズの顔になっていく。
ちなみに2012年11月21日放送の『マツコ&有吉の怒り新党』の「新・3大◯◯調査会」というコーナーでは、「新・3大ザ・ハングマンのあっけにとられるお仕置き」と称して、第37話、第17話、第13話のハンギングシーンが紹介されていた。
登場人物
メンバー
順番はオープニングで登場する順番としている。
- ブラック(演:林隆三)
- 初期リーダーでハングマン第6号。本名は都築俊也。
元は優秀な刑事だったが、最愛の妹がひき逃げ事故で植物状態となり、その事件の犯人を捕まえようとしたものの、犯人が大物政治家でしかも偽装工作で手が出せなくなったため、妹の治療費を出す代わりにハングマンになるという条件に乗って、賭場に乗り込まれて怒ったヤクザに「撃ち殺され(るという偽装)死亡」し、ハングマンとなった。黒塗りのワゴンを使用していることからこのコードネームが付いている。
真面目なのが長所だが、真面目すぎて融通が利かないという短所もある。
第25話で植物状態だった妹が臓器密売組織に殺され、ゴッドの通告を無視してそれに関わった医者を殺したことでハングマンを追放され、さらにその組織の罠にかかって爆死した。 - パン(演:植木等)
- ハングマン第3号。本名は辻雄太郎。
元は「落としの雄さん」と言われた人情肌の老齢の刑事。受刑者の家族に肩入れしすぎて多額の借金をし、返済ができなくなったため、家族がパン屋を開店させる資金を得るための条件を引き受け、「火山に身投げして死亡(するという偽装工作)」をしてハングマンとなった。コードネームもそれが由来である。ハングマンになってからも、時たま変装して名前を変えて実家のパン屋へ足を運んだことがある(しかしルール上、名乗ってはいない)。
本作以外の作品にも登場しているが、「パン」というコードネームは本作のみである。 - ベニー(演:あべ静江)
- ハングマン第4号。本名は浅見令子。
本庁に勤務していた婦人警官で、恋人もいたが、その恋人が事件を起こしたあげくに逃亡先の別荘で自殺したために後を追って自殺しようとしたものの、その場に居合わせたゴッドに説得されたために「恋人と心中して死亡(したという偽装工作)」でハングマンとなった。整形前の顔には大きなあざがあってそれを気にしていたが、整形後はそのあざも無くなっているため、鏡を見てうっとりする場面もあった。
第13話で知り合いの華道の師匠を助けようとして殉職してしたため、ハングマンの殉職第1号となった。 - タミー(演:夏樹陽子)
- ハングマン第8号。本名は桑野多美子。
ベニーの後任として第14話より登場した、捜査第三課でスリを担当していた刑事。「スリに刺されて死亡(という偽装工作)」してハングマンとなった。ハングマンになったきっかけはブラックとほぼ同じ。
『ザ・ハングマンⅤ』第9話(スペシャル版)にもゲスト出演している。 - バイク(演:加瀬慎一)
- ハングマン第2号。本名は堂門吾郎。
元は城東暑にいた優秀な刑事だったが、血の気が多すぎるために常に問題も起こしていた。強盗犯を捕らえようとして発砲したが一般市民に当たってしまって拳銃の使用を禁止され、その後、ゴッドに誘われて「銀行強盗に撃たれて死亡(という偽装工作)」してハングマンとなった。捜査時にオートバイを使用していることからこのコードネームがついた。第25話で罠ともしらず向かっていったブラックを止めようとして、ブラックもろとも爆死した。 - デジコン(演:名高達郎)
- ハングマン第9号。本名は加納良次。
第26話より登場したブラック&バイクの後任。第25話でブラック&バイクが死亡したために人数が4人と少なくなり、ゴッドが戦力補充するためにスカウトし、「崖から落ちて事故死(という偽装工作)」してハングマンとなった。メンバーで唯一、整形前と整形後の顔が全く違う。警察関係者ではあるが、刑事・婦警だった他のメンバーと違い、デジコンは科学捜査研究所の所属で、コンピュータを使った分析を得意とすることからこのコードネームが付いた。
なお、本作のメンバーのうち、デジコンだけが続編以外の作品には一切登場していない。 - ドラゴン(演:ディオン・ラム)
- ハングマン第1号。本名は竜清康。
香港警察の刑事だったが、麻薬組織を捜査中に国籍を失い、そこをゴッドに誘われてハングマンとなった。その後、あれこれ手を使ってメンバー探しに奔走した。格闘技の達人だが、日本語をあまり話せないという欠点がある。
中の人の都合もあって、第8話でドラゴンが怪我をしたということにしてために一時離脱して日本を離れるが、第22話で帰国する。帰国後は性格がちょっと軽くなったようであり、戦闘時にはブルース・リーのように「アチョー!」と言うようにもなってしまった。なお、第47話で悪人と一緒に爆死してしまう。 - ジャガー(演:ジャガー・ゴースン)
- ハングマン第7号。本名は豹李進。
第8~21話に登場。ドラゴンと同じ香港警察の刑事で、ある事件で一般市民を誤射で死亡させたために罷免され、その後は用心棒まがいのことをしていた。ドラゴンの代理としてやってきたが、ドラゴンと同じで日本語は不得手。
第22話には香港へ帰国した。 - マイト(演:黒沢年男(現・黒沢年雄))
- ハングマン第5号で、ブラック死亡後のリーダー。本名は日下部孝介。
自分の妻子を殺されて以来、悪を異常に憎んでおり、やりすぎた行動が問題となって捜査を外された刑事。とある事件で解雇され、「暴力団に(偽装)殺害されて」ハングマンとなった。いつもダイナマイトを持ち歩いており、悪人の自白に使っていることが多いことから、このコードネームが付いている。ハングマンになった後は「女好き」で自分の事を「僕ちゃん」と言ったりするなど真逆の性格になったようである。
なお、本作と続編以外にも、『ザ・ハングマンⅤ』第9話と『ザ・ハングマン6』第7話(ともに2時間スペシャル)にゲスト出演し、健在振りをアピールしている。
ゴッド
- ゴッド(演:山村聰)
- ハングマン組織の長。本名は神島泰三。
正体不明の人物だが、元々は国家に関わる重要なポジションにいたらしい。冷静沈着で非情なようだが、ベニーやドラゴンが死んだ時は悲しんでいたようである。
本作最終回で一旦ハングマンを解散するが、続編で再びメンバーを集めてハングマン組織を再開した。
オープニングでの紹介
- ブラック→パン→ベニー→ドラゴン→バイク→マイト(第1~8話)
- ブラック→パン→ベニー→ジャガー→バイク→マイト(第9~13話)
- ブラック→パン→タミー→ジャガー→バイク→マイト(第14~15話)
- ブラック→パン→タミー→ジャガー→バイク→マイト(第16~21話)
※登場順は3.と同じだが、タイトルから「燃える事件簿」が無くなったため、あえて記載。 - ブラック→パン→タミー→ドラゴン→バイク→マイト(第22~25話)
- マイト→デジコン→タミー→ドラゴン→パン(第26~最終回)
主題歌
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関連項目
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