「毎度おなじみ流浪の番組、タモリ倶楽部でございます。」
タモリ倶楽部とは、テレビ朝日で金曜深夜24:20~24:50に放送されていた伝説の深夜番組である。
タモリ倶楽部の面白さ
タモリ倶楽部の面白さの特徴としてはお笑い芸人、歌手、俳優、音楽家、アイドル、タレント、漫画家、作家、文化人、スポーツ選手、事務所のマネージャーをはじめとしたジャンル問わないゲスト起用とその企画のために用意した専門性の高い一般人の起用が強みとなっている。
基本的にはタモリが興味を引くような企画内容であり、後年における番組ゲストの構成としては「タモリ(聞き役)、企画の内容に共感できるサイド(タモリサイド)、企画の内容に共感できないサイド、進行、解説役」が基本形となる。ただし、メンバーの人数によっては「タモリ、タモリサイド、共感できないサイド兼進行、解説役」という構成や「タモリ、進行兼タモリサイド」しかいない回もある。
マニアックな回(主に鉄道回)ではタモリやタモリサイドが暴走するのを共感できないサイドや進行が抑えるというパターンがあったり、呑みメインの回では全員が酒を呑んでしまい、進行がままならないため、タモリが事実上の進行役になったり、ロケ開始時では共感できないサイドが意外なところで共感し、タモリサイドに移ることも多く、「船の科学館」回で意外な場面で面白さに気付いたオードリー[1]や「鉄オタでも更にマニアックな鉄オタの回」では面白さに少し気付いたメイプル超合金のカズレーザー[2]、「元々は鉄オタではないが、マネージャーの教育」で鉄道の面白さに気付いた豊岡真澄など)も多く、これをきっかけに今後のメインゲストに呼ばれることも多い。一方でタモリ倶楽部の趣旨や流れを理解できなかったゲストには呼ばれないことも多い[3]。
タモリ倶楽部を始めとしたハウフルス制作の番組には佳夢音が音響として関わっており、特徴としては音遊びが有名である。例としては1位のものを紹介するときに犬の鳴き声である「ワン」と流すシンプルな駄洒落、一見関係なさそうな曲を駄洒落として流すことが多い。このためか、制作のハウフルス、音響の佳夢音、ナレーターの武田広氏はハウフルス制作番組の一つの名物として考えていた人も多く、後に武田氏がナレーター業を降板をしたことで落胆したファンも多かった。[4]
タモリ倶楽部あれこれ
- 1982年10月8日(関東地区)放送開始。記念すべき第1回は、当時担当していた「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)の生放送終了後のタモリの私生活の行動を追う…という体のモキュメンタリー企画「ドキュメンタリー劇場 現代の顔」というものであった。
- ほとんど変わっていない様に見える内容だが、番組中期以降に定着した「本編+空耳アワー」になったのは1992年頃の話である。途中空耳アワーの中断期間もある。更に晩年はコロナ渦の影響のためか「空耳アワー」を中止し、しばらくは「マッチングタモリ」というコーナーを展開させていた。
- 同時期に放送が始まった「笑っていいとも!」(フジテレビ)によって、これまでのタモリの芸人のカラーであるマニアック芸人という位置が変わってしまうことを恐れた所属事務所側がテレビ朝日と手を組んで始めたのが、「タモリ倶楽部」である。
- セクシーなパンティを履いた女性の尻が左右に揺れるOPでお馴染み。
テーマ曲はThe Royal Teensの「short shorts」。なんと1958年の曲。まさか彼らも日本の金曜深夜に半世紀以上前の自分たちの曲が毎週日本のテレビ番組で流れているなんて思いもしないだろう。 - 昔は深夜ということもあってエロネタやくだらないネタも多かったが、2000年以降からタモリ自身が「鉄道分岐マニア」を公表したためか「鉄道ネタ」が取り上げられ、鉄道ネタが増え名物企画の一つに定着した。
- 日本ブレイク工業の社歌をテレビで初めて取り上げヒットのきっかけを作ったのはこの番組である。
- 17年間もの間、ロケで使用したカメラ「Ikegami HL-V55」が故障し、番組で追悼式が行われた。(2009年10月16日放送)
- 2001年の地上デジタル放送開始以降も旧来のの長年4:3(標準画質)でしばらく制作されていた。
2008年にハイビジョン導入について協議した結果、テープを使い切ってから考えるという結論になり、完全地デジ化以降もアナログのままではないかと危惧されたが(というか制作のハウフルスは基本的に完全ハイビジョン化が遅めの傾向でもあった)、2010年7月9日に番組のハイビジョン化および新オープニングに生まれ変わった。タモリいわく、「番組予算が無いから、次に作り直すのは10年後」だそうだ。ちなみにオープニング制作のためにタモリがギャラを削ってくれと頼んだほどである。 - 2016年8月,6年ぶりにOPがリニューアルすることが発表された。2016年9月2日より変更予定。
- 鉄道回で一際目立った人として南田裕介と東出有輝がいる。南田はホリプロのマネージャーで東出はサンズエンタテインメントのマネージャーだった。どちらも鉄道に関する知識は博識であったが立場的に一般人の部類であったため、南田はホリプロ上層部から怒られたものの「豊岡真澄のマネージャーとしてタモリ倶楽部に豊岡と一緒に出演するなら南田の出演を許可する」という形で南田は再出演を果たす。しかし、南田は再出演する間に豊岡を無事鉄オタにさせて、南田は再出演を果たした。その後、豊岡は芸能界を引退したが、豊岡と南田の鉄オタぶりにホリプロの上層部も諦めたのか鉄道に関する番組では南田の出演を単独で出演が許可された。
東出はマネージャー時代にタモリ倶楽部で企画した案が通ったこともあり、この頃から鉄道事業関係者に売り込んだところ東京メトロ(旧営団地下鉄)が東出の経歴を考慮して中途採用したため、そのまま東出は事務所を退社となる。後に東京メトロの職員として、タモリ倶楽部に再出演している。
放送期間40年を越え、ついに番組終了へ
2023年2月22日、テレビ朝日より同年3月をもってのタモリ倶楽部の番組終了が発表。
番組終了について、テレビ朝日は「放送開始から40年という節目を迎え、番組としての役割は十分に果たしたということで、総合的に判断し3月末をもって終了することにいたしました」とコメントを発表している。
最終回となった2023年4月1日放送分(関東地区)でも特に最終回特番を組むこともなく通常の放送枠で放送。料理の達人として知られるタモリが作った創作レシピの中でネット上で誤って伝わっているものを訂正するという料理企画「タモリ流レシピを訂正しよう」という内容で特に最終回らしい内容でもなく、本編終了間際にタモリが「40年間本当にありがとうございました。皆様方の支持のおかげでここまで来ることができました。」と感謝の言葉を述べて40年半に渡る大長寿深夜番組の幕を閉じた。
ちなみに翌2024年3月には「ブラタモリ」(NHK)もレギュラー放送を終了しており、残るレギュラー番組は「ミュージックステーション」(テレビ朝日)のみとなった。この流れはタモリの終活への仕事の整理ではないかという憶測も週刊誌などで報じられたが真相は不明である。
関連動画
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関連項目
- タモリ -この番組のメインMC
- 空耳アワー -安斎肇はとにかくげらげら笑う
- 日本ブレイク工業 -社歌がこの番組で紹介されたのをきっかけにヒットする
- 武田広 -番組当初からナレーションを担当
- マーティ・フリードマン -空耳アワーなどにちょいちょい出てくるアメリカ人ギタリスト
- ブラタモリ -NHK版タモリ倶楽部とも言うべきポジションの類似番組
脚注
- *当初は船の科学館に対する興味はなかったものの東京湾の監視カメラの性能などに感心し、あまりの興味関心からタモリから逆に突っ込まれた。
- *当初は進行役として徹していたものの手作りの鉄道LED表示機には感心していた。
- *ただし、共感できないサイドでも次回に似たテーマでも呼ばれることはある。「東京03」の飯塚悟志は鉄道回で呼ばれることも多いが、鉄オタではないものの自分の立場を理解していたためかゲストとして何回か呼ばれることもある。
- *更に武田氏も鉄道ファンということでタモリ倶楽部で活き活きとしたナレーションも多く、更に大きな爪痕を残した。
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