バルディエルとは、新世紀エヴァンゲリオンに登場する使徒である。名前の由来はキリスト教における、霰を司る天使バラキエルから来ている。
概要
テレビ版では第13使徒、新劇場版では第9使徒、漫画版では第8使徒として出現。
使徒の中では珍しい寄生型の使徒で、寄生した宿主を支配下に置く。宿主の物質を変化させる能力を持つ他、宿主から更に別の生物へと寄生する事が出来る。テレビ版では一切姿が登場しなかったが、ゲーム『エヴァンゲリオン2』では赤い粘菌状のような姿をしていた。参号機に寄生していたが、トウジやネルフスタッフに洗い流されてしまった。
作中ではエヴァンゲリオン参号機に寄生、図らずも史上初のエヴァvsエヴァの構図となった。使徒共通の怪光線や特別な能力は一切持たないが、代わりに伸縮自在の腕と高い身体能力を武器とする。徒手空拳にも関わらず弐号機と零号機を打ち倒す辺り、かなりの実力者である。S2機関を搭載しているため、アンビリカルケーブル無しでも無制限に活動可能。
粘菌状では色々と都合が悪いため、ゲームやコラボでは参号機に寄生した姿で登場する。
劇中の活躍
第18話「命の選択を」にて登場。
起動実験のため、NERVアメリカ支部から長野県松代に向けて輸送されていたエヴァンゲリオン参号機に寄生。輸送機が積乱雲の中に突入する描写がある事から、雲の中に潜んでいたものと推測される。その後、起動信号を受けた時に突如覚醒。パイロットの鈴原トウジごと参号機を支配下に置き、暴走を始める。危険を察知したスタッフ側が回線を切断したものの動きは止まらず、大爆発が発生。松代の実験場は壊滅し、実験に立ち会っていたミサトとリツコも負傷した。
バルディエルに乗っ取られた参号機は、他の使徒同様に第三新東京市を目指して南下を開始。当初はパターンオレンジで使徒かどうか識別しかねていたが、ゲンドウによって参号機は破棄され目標は使徒と呼称されるように。参号機迎撃のため、零号機、弐号機、初号機が出動。野辺山付近で待ち伏せる形で参号機の来攻を待った。夕日を背にゆらりと歩みを進めるバルディエル。まず、油断していた弐号機の不意を突いて瞬く間に戦闘不能へと追いやった。次に零号機が待ち伏せていたが、零号機が動き出す前に跳躍。首根っこを掴んで地面に押し倒し、零号機の左腕部から寄生を試みる。だがゲンドウの素早い判断により左腕部が切断され、寄生に失敗する。だが既に戦闘能力を喪失していたため、バルディエルは零号機を後にする。あっと言う間にエヴァ2機が無力化され、残るは初号機のみとなった。
バルディエルは他のエヴァシリーズとは比較にならない程の跳躍力で飛び上がり、いきなり初号機を蹴り飛ばしてパレットライフルを叩き落とす。さらに物質を変化させて腕を数倍以上に伸ばし、初号機の首根っこを掴んで首を絞めた。初号機パイロットのシンジは参号機のパイロット(誰が乗っているかは知らない)を気遣って攻撃できず、戦闘はバルディエル優位に進む。初号機を山に押し倒し、力の限り首を絞める。絞殺の危機が迫ってもなおシンジは戦おうとせず、このまま勝負は決するかに見えた。
が、ゲンドウが初号機のコントロールをダミーシステムに変えた事で、戦況が一気に逆転。今度はバルディエル(参号機)が首を絞められ、互いに首を絞めあう生々しい格好となる。だがダミーシステムで動く初号機に首絞めは通用せず、とうとう頚骨を折られて活動停止に追い込まれた。動かなくなった参号機にすらダミーシステムは攻撃を止めず、無理矢理解体されて周囲を残骸と血で染めた。その光景はグロテスクの一語に尽き、あまりの惨状に伊吹マヤは顔を手で覆っていた。よく夕方から放映できたものだ。最後に初号機は参号機エントリープラグを手で圧砕、バルディエルは殲滅された。
しかしバルディエルの影響でミサトとリツコは負傷し、トウジは左足を失い、レイは修理が終わってない零号機でゼルエルに挑まざるを得なくなり、アスカはこの敗北から転落が始まり、シンジはダミープラグを巡ってゲンドウと対立し、一時的とはいえネルフを去るなど主要人物に影を落とした。
新劇場版では
エヴァンゲリヲン破にも登場。こちらは第9使徒と呼称されている。本作では青い粘液状となっており、冒されたエントリープラグが外部から確認できる。
経緯はアニメ版と大差無いが(ただし参号機パイロットがアスカになっている)、覚醒時にエントリープラグ内が赤く染まる描写が追加されている。弐号機と零号機の代わりに国連軍の戦車隊が出動し迎撃。参号機に砲撃を加えているが、ATフィールドに阻まれて全く効果は無かった。やがて初号機の前に立つと、凄まじい身体能力を見せ付けて山へと押し倒す。そして原作同様を首を締め上げる。初号機の抵抗により一時は首から手を離されるが、ここで参号機は両肩から更に2本の腕を出現させ、シンジの虚を突いて再び首を絞める。テレビ版の視聴者を驚かせるニクい演出である。だが、ダミープラグによって初号機の反撃が始まり、今度は参号機の首を絞められる。頚骨を折られた後は手も足も出ず…。
暴走する初号機によって力ずくで解体。首を折られてもなお若干抵抗したが、初号機の前では無力だった。解体シーンには新規カットが追加されており、食い千切られた腸が投げ飛ばされている。第9の使徒から流れ出た血で河川は真っ赤に染まっていった。破ではエントリープラグに寄生しているという設定であり、やりすぎ気味だったテレビ版の所業に説得力を持たせている。
エントリープラグをアニメ版では手で圧砕したが、新劇場版では噛み砕いた。その瞬間、アスカの悲鳴らしきものが聞こえるが一命を取り留めている。
ゲームでは
エヴァンゲリオン2
PS2及びPSP専用ソフト「新世紀エヴァンゲリオン2 -造られしセカイ-」では、特殊な使徒として登場。
(参号機のパイロットになった)トウジのATが40以下になると覚醒し、使徒化。乗っ取られた参号機と戦う事になる。バルディエル自体は強くないが、戦闘に突入すると参号機とトウジを失う事が確定するため、量産機戦を見据えている場合はなるべく避けたい。
さらにトウジシナリオだと、バルディエル化した時点でゲームオーバーになる。このため本シナリオでは迂闊にATを下げられず、差し詰めバルディエルは時限爆弾である。対策はATを高める事。60以上で参号機が洗われるイベントが発生し、バルディエルは洗い流されて殲滅される。全使徒中最も情けないやられ方である。以降は使徒化に悩む必要は無くなる。
バトルオーケストラでは
ストーリーモードの敵として登場。隠しキャラでもあり条件を満たせば使用可能になるが、その条件はストーリーモードHARDを参号機でクリアし、SHOPでバルディエルを購入。その状態で参号機を選択し、L1ボタンを押した状態で決定を押すとバルディエルになる…という複雑なもの。
全エヴァ中最大のリーチを誇るが、動きが鈍重という弱点も持つ。
新世紀エヴァンゲリオン(N64)
原作同様、13番目の使徒として登場。容量の都合で省かれた使徒が多い中、しっかり登場を果たした。本作ではプレイヤーキャラにする事は出来ない。
いきなりダミープラグを使用した所から始まり、初号機と殴りあう。何度も首を折られるが、何故か平然としている。撃破すると倒れこみ、そのまま殲滅となる。さすがに解体シーンまでは再現されなかった。
コラボ
にゃんこ大戦争
『アスカが乗ってるんだよ!』の敵として登場。第9使徒の名称なので、新劇場版基準である。
長射程かつ、広範囲のキャラの攻撃力を下げてくる厄介な敵。しかし遠距離攻撃しか出来ないため、内懐に飛び込むとダメージを受けなくなる。属性が使徒のため、使徒キラーを持つエヴァが有効。倒すと低確率でネコキリン初号機がドロップする。
モンスターストライク
『侵食、エヴァ参号機』の敵として登場。こちらも第9使徒である。
ドロップすれば自分のモンスターとして使用する事が出来る。ところがシンジ&初号機の神化素材になっているため、性能はかなり低め。ATフィールドとアンチ亜人を持つが、元の攻撃力が低いせいで恩恵を感じにくい。またギミックに対する耐性が無いのも辛い。
パズル&ドラゴンズ
第4、第5、第6、第10の使徒とともに参戦。ガチャではなくドロップで入手できるので、スペシャルダンジョンを周回していれば入手可能…なのだが、入手するには少々苦労する。
バルディエル(第9の使徒名義)は低確率で乱入してくるレアモンスター扱いであり、根気良く周回しないと出会う事は難しい。一応、難易度が高いほど乱入率も高くなる。撃破すると必ずバルディエルがドロップするので、出会ってしまえばこちらのもの。「第9の使徒」と進化系の「第9の使徒・戦闘形態」があり、進化後は4本の腕となっている。
属性は闇で、神/攻撃タイプ。ドロップモンスターのため、ステータスは低め。ただ覚醒スキルには少々恵まれており、闇ドロップ強化を5つも持っているので必ず強化された状態で闇ドロップが落ちてくる。つまり第9の使徒をパーティに入れるだけで火力に貢献できる。エスカマリの代用として使う事も出来るかもしれない。あとマシンキラーが2つあり、マシンタイプの敵には6倍もの攻撃力を発揮する。参号機(マシン)を寄生した設定に因るのだろうか。ただし回復がマイナスになっているので、回復力の面では足を引っ張る。何故か限界突破に対応している。
関連動画
関連項目
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