機動戦士ガンダムSEED FREEDOMとは、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの劇場版である。2024年1月26日に公開された。
通称は「種自由」
概要
2021年5月28日に「GUNDAM SEED PROJECT ignited」の主要企画として発表。
元々、はるか昔(2006年)から「“X”plosion GUNDAM SEED」として劇場版の情報が浮上していたものの、一向に公開されない状況が続いていた。しかし2021年に転機が訪れ、バンダイナムコグループの横断事業「ガンダムプロジェクト」に含まれる上記プロジェクトの中心として、中国・上海での「実物大フリーダムガンダム立像」設置や公式外伝作品「機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE」、「SEED」シリーズの新作ゲームと共に、改めて劇場版の制作情報が公開された(この時点ではタイトル等は不明)。
タイトルとティザービジュアルは「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の最終回と同日(2023年7月2日)に発表されている。
初週3日間の興行収入は10億6600万円、観客動員数66万人と週末ランキング1位を獲得。初週売り上げが「閃光のハサウェイ」を超えていたことから、「閃光のハサウェイ」はもちろん、「めぐりあい宇宙」を上回る興行収入が期待された。3週目の途中で20億円を達成した時は、公式より巨大ハロの中からズゴックがお祝いするショート映像が配信された。3週目で興行収入は26.8億円、観客動員数は163万人を記録。興行収入としては、ガンダムシリーズ最高だった「めぐりあい宇宙」(23億円)を更新した。
さらに同年9月20日から10月3日および11月1日から11月14日まで本編映像アップデート&エピローグを追加した特別版を上映。その結果、特別上映第一弾で観客動員数300万人と興行収入を50億円を突破。
11月1日の上映では「新作機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO」の制作が解禁された。
物語
時間軸は「機動戦士ガンダムSEED」1話開始時点のおおよそ4年後のC.E.75である。
C.E.75、戦いはまだ続いていた。
独立運動、ブルーコスモスによる侵攻……
事態を沈静化するべく、ラクスを初代総裁とする
世界平和監視機構・コンパスが創設され、
キラたちはその一員として各地の戦闘に介入する。
登場人物・キャスト
新規キャラクターおよびコズミック・イラ作品初出演声優は赤字表記。
コンパス
カガリ主導の元オーブ、プラント、大西洋連邦によって組織された世界平和監視機構。三勢力から供出された独自戦力を保有する。プラントのアプリリウスに本拠地が所在。
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
キラ・ヤマト | 保志総一朗 | 元地球連合軍のMSパイロット。 地球圏全域を巻き込んだ二度の戦乱を独自勢力のもと乗り越えたが、依然として混乱が続く世界を平和にするべく、現在はコンパスのメンバーとして奔走中。 |
ラクス・クライン | 田中理恵 | 嘗てプラントで歌姫としてアイドル的人気を博していたコンパス総裁。 キラとの出会いを機に独立勢力を結成し、連合・プラント間の二度にわたる戦争を止めるべく奮闘した。現在は新たな秩序を模索中。 |
シン・アスカ | 鈴村健一 | 元ミネルバ隊所属のザフト軍パイロット。2年前のデスティニープランを巡る戦いではフリーダムへの強い敵意からキラと対立し続けていたが、戦後に和解。 現在はコンパスに参加し、戦乱なき世界を目指して活動中。 |
ルナマリア・ホーク | 坂本真綾 | シンと同期のザフト軍パイロット。ミネルバ隊のメンバーとしてシンと共に戦い抜き、現在はコンパスに参加中。 |
アグネス・ギーベンラート | 桑島法子 | シンやルナマリアと同期のザフト軍パイロット。「月光のワルキューレ」の異名を持つ。 |
アレクセイ・コノエ | 大塚芳忠 | コンパスの志願兵で、同組織の新造艦ミレニアムの艦長。飄々とした切れ者。 |
アルバート・ハインライン | 福山潤 | ミレニアムの技術総責任者を務める優秀な技師。 |
ヒルダ・ハーケン | 根谷美智子 | アークエンジェル専属モビルスーツ小隊「ハーケン隊」のリーダー。コンパス総裁であるラクスを敬愛している。 |
ヘルベルト・フォン・ラインハルト | 楠大典 | ハーケン隊のメンバー。ヒルダを姐さんと呼び慕う歴戦のパイロット。 |
マーズ・シメオン | 諏訪部順一 | ハーケン隊のメンバー。厳つい顔つきだが、朴直な性格の持ち主。 |
マリュー・ラミアス | 三石琴乃 | 連合軍時代からアークエンジェルの艦長を務めている女性士官。 連合のやり方を疑問視して以降、キラ達と共に独自勢力で戦い続け、現在はコンパスに参加中。 |
ムウ・ラ・フラガ | 子安武人 | 元連合軍所属のパイロット。キラたちの兄貴分で、「エンデュミオンの鷹」の異名を持つ。 |
ターミナル
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
アスラン・ザラ | 石田彰 | 元ザフト所属のオーブ軍パイロット。過去の戦乱では幼馴染のキラとの対立を経て和解し、戦火を止めるべく共闘した。 現在はターミナルに出向中。 |
メイリン・ホーク | 折笠富美子 | ルナマリアの妹で元ミネルバのオペレーター。現在はターミナルに出向し、優れた情報処理能力を活かして活躍中。 |
オーブ連合首長国
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
カガリ・ユラ・アスハ | 森なな子[1] | 父ウズミ亡き後、若くしてオーブ代表首長の座を引き継いだ。 現在はコンパスの協力者としてキラたちを支援している。 |
トーヤ・マシマ | 佐倉綾音 | カガリが後釜として教育中の利発な少年。彼女の秘書を務めている。 |
ザフト
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
イザーク・ジュール | 関智一 | アスランと同期のザフト軍パイロット。 デスティニープランを巡る騒乱から2年を経た現在はプラント参謀本部情報将校の地位に就いている。 |
ディアッカ・エルスマン | 笹沼晃 | アスランと同期のザフト軍パイロット。イザークの相棒的存在。 |
ファウンデーション
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
アウラ・マハ・ハイバル | 田村ゆかり | ファウンデーションの女王。見た目は幼いが、聡明で言動は大人びている。 |
オルフェ・ラム・タオ | 下野紘 | アウラに強い忠誠心を抱くファウンデーション宰相。アウラの親衛隊であるブラックナイトスコード(以下BKS)の筆頭。 |
シュラ・サーペンタイン | 中村悠一 | ファウンデーション国防長官にして近衛師団長。 BKSのMS隊隊長を務める。 |
イングリット・トラドール | 上坂すみれ | BKSのメンバーでファウンデーション国務秘書官。オルフェを行政面でサポートしている。 |
リデラード・トラドール | 福圓美里 | BKS隊員でイングリットの姉妹。 性格は直感的かつ衝動的で、自分の実力に強い自信を持つ。 |
ダニエル・ハルパー | 松岡禎丞 | BKS隊員。 一見気だるげだが、戦闘では残忍な顔をのぞかせる。 |
リュー・シェンチアン | 利根健太朗 | BKS隊員。 一見礼儀正しい物腰だが、相手を小馬鹿にしている様な節がある。 |
グリフィン・アルバレスト | 森崎ウィン | BKS隊員。 一見向こう見ずな印象を与えるが、パイロットとしての能力は高い。 |
ペットロボット
キャラクター名 | 声優 | 解説 |
---|---|---|
トリィ | ? | アスランが幼少期キラの為に作った鳥型ペットロボット。 |
ブルー | ? | キラがラクスの為に作ったトリィの対をなすペットロボット。 |
登場メカ
以下劇場公開前未発表機につき、ネタバレ注意!
キャラクター名 | パイロット | 解説 |
---|---|---|
ZGMF/A-42S2 デスティニーガンダムSPEC2 |
シン・アスカ | モルゲンレーテ社によってアップデートを施されたデスティニー。 コックピットを全天周モニター式に換装しており、バッテリー変更の影響でカラーリングが以前より変化している。 デュートリオンビームを照射することでフェイズシフトダウンした機体を回復することも可能。 |
ZGMF-X191M2 インフィニットジャスティスガンダム弐式 |
アスラン・ザラ | モルゲンレーテ社によって改修されたインフィニットジャスティス。 新型のバックパックを搭載しており攻撃範囲が強化されただけでなく超高速の戦闘にも対応できる。頭部センサーにビーム刃生成機能が追加されている。 |
ZGMF-MM07 ズゴック |
インフィニットジャスティス弐式は動力炉がユニウス条約に違反する都合上表立っての運用が出来ない為、普段はシャア専用ズゴックに酷似した外装を纏って偽装している。 外装にはミラージュコロイド機能があり、これを活かした隠密行動も可能。 |
|
ZGMF/A-262B ストライクフリーダムガンダム弐式 |
アスラン・ザラ →キラ・ヤマト |
モルゲンレーテ社によってアップデートされたストライクフリーダム。 使用動力、一部形状、ビームサーベルのマウント位置等が変更されている。 |
MDE262S プラウドディフェンダー |
ラクス・クライン | アルバート主導のもとキラとコンパスの開発部が設計したバックパック。 精神感応で操作するナノ粒子や高電圧の雷を放出する。 |
ZGMF/A-262PD-P マイティーストライクフリーダムガンダム |
キラ・ヤマト ラクス・クライン |
スーパードラグーンに代わりプラウドディフェンダーをバックパックとして装着したストライクフリーダム弐式の強化フォーム。 プラウドディフェンダーの機能により超広範囲への攻撃兵装と圧倒的な耐久力を誇る防御機構を有する。 額からは驚異的な破壊力を秘めるビーム「ディスラプター」を発射するが、使用にはラクスの承認が必要となる。 また、ビーム兵器を無効化するBKSへの切り札として、実体剣「フツノミタマ」を装備している。 |
ZGMF-2025/F ゲルググメナース(一般機) |
ヘルベルト・フォン・ハインライン マーズ・シメオン |
ヘルベルトとマーズが搭乗するゲルググメナース。ルナマリア機とはカラーリングが異なり、こちらは一般機のカラー。 |
ZGMF-2027/A ギャンシュトローム(ヒルダ機) |
ヒルダ・ハーケン | ヒルダが搭乗するギャンシュトローム。アグネス機とはカラーリングが異なり、こちらは一般機のカラー。 |
STTS/F-400 ムラサメ改 |
ムウ・ラ・フラガ | オーブ軍の可変機「ムラサメ」の改良型。 形状や変形機構が大幅にアップデートされており、オーブ軍の主力機として運用されている。 |
ZGMF-1027M デュエルブリッツガンダム |
イザーク・ジュール | ザフトがデュエルガンダムアサルトシュラウドを大改修した機体。 Nジャマーキャンセラー核搭載型エンジンとザクウォーリアと同規格のコックピットを採用しており、一部武装・形状がブリッツガンダムに似通っている。 |
ZGMF-103HD ライトニングバスターガンダム |
ディアッカ・エルスマン | ザフトがバスターガンダムを大改修した機体。 動力炉とコックピットはデュエルブリッツと同じものを採用。メインウェポンのライフルとランチャーはビームキャノンに変更され、近接戦用のビームガンや照準用センサーを追加している。 |
ストライクルージュ(キャバリアーアイフリッド装備) | カガリ・ユラ・アスハ | キャバリアーアイフリッドを装備したストライクルージュ。オーブ防衛の為にカガリ自らが乗り込んで出撃した。 |
NOG-M2D1/E ブラックナイトスコードカルラ |
オルフェ・ラム・タオ イングリッド・トラドール |
プラントの技術をフィードバックしてBKSを大幅改修した機体。「ブラックナイト」の名に反して全身白のカラーリングが特徴。 副座式となっており前席のオルフェが機体操縦を、後席のイングリッドが火器管制を担当する。大型のドラグーンシステム「ジグラート」を操る。 |
ZGMF/A-1018F ジン-F |
ファウンデーション兵 | ザフトから安く買い取られファウンデーションで運用されているジン。Fはファウンデーションの頭文字を意味する。 |
ZGMF-1017Q ジン-R |
AI | ジン-FをAI制御の無人機に改修したもの。Rはリモート(Remote)の頭の字を意味する。 |
AMF/A-102F ディン-F |
ファウンデーション兵 | ザフトから安く買い取られファウンデーションで運用されているディン。 |
AMF-101Q/4 ディン-R |
AI | ディン-FをAI制御の無人機に改修したもの。ジン-R共々ルドラの随伴機として使役される。 |
作品余談・小ネタ
SEEDシリーズ主題歌であるが、今映画でも主題歌がオリコン上位入り。永らくシリーズを支えた西川貴教氏もお祝い。そして、映画を盛り上げる最中に出た裏切者についても言及。
20年近くも映画を待たされたSEEDファンから「3年も待った」ソロモンの悪魔の我慢弱さを槍玉に挙げられ一時中の人が謝意を示す事態に発生する珍現象が起こった。
劇中登場したシホ・ハーネンフースにたった一言の台詞の為にオリジナルキャストを起用(招聘)したことが明らかに。
劇場版に登場した新モビルスーツ(ブラックナイト)のデザインは「ウマ娘プリティーダービー」トウカイテイオー(のマント)がモデルである。
楽曲
スタッフ
- 企画・制作:サンライズ
- 原作:矢立肇、富野由悠季
- 監督:福田己津央
- 脚本:両澤千晶[2]、後藤リウ、福田己津央
- キャラクターデザイン:平井久司
- メカニカル デザイン:大河原邦男、山根公利、宮武一貴、阿久津潤一、新谷 学、禅芝、射尾卓弥、大河広行
- メカニカルアニメーションディレクター:重田智
- 色彩設計:長尾朱美
- 美術監督:池田繁美、丸山由紀子
- CGディレクター:佐藤光裕、櫛田健介、藤江智洋
- モニターワークス:田村あず紗、影山慈郎
- 撮影監督:葛山剛士、豊岡茂紀
- 編集:野尻由紀子
- 音響監督:藤野貞義
- 音楽:佐橋俊彦
- 製作:バンダイナムコフィルムワークス
- 配給:バンダイナムコフィルムワークス、 松竹ODS事業室
関連動画
(以下ネタバレ。クリックすると動画が表示されます)
関連生放送
関連静画
(以下ネタバレ。クリックすると静画が表示されます)
関連リンク
関連項目
ガンダムシリーズ(映像作品) |
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1st - Z - ZZ - V - G - W - X - ∀ - 種 - 種運命 - 00 - 三国伝 - AGE - BF - Gレコ - BFT - 鉄血 - BD - BDR - 創傑伝 - SDWH - 水星 |
CCA - F91 - 0080 - 0083 - 08 - G-SAVIOUR - EVOLVE - IGLOO - STARGAZER - UC - GPB - ORIGIN - サンダーボルト - Twilight AXIS - NT - 閃ハサ - ククルス・ドアンの島 -種自由 |
脚注
- *理由は不明ながら声優が進藤尚美から変更された。
- *SEEDシリーズにおいてシリーズ構成を務めていた両澤千晶は既に故人だが、福田己津央監督へのインタビューによると、プロットや前半部分の多くは両澤の書いたものを元とし、SEEDシリーズのノベライズを担当した後藤リウが最後まで脚本を書き上げ、戦闘シーンは福田が加筆修正するといった形で脚本が作られたとのこと。
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