フレメア=セイヴェルンとは、『新約とある魔術の禁書目録』に登場する妹キャラである。
元『アイテム』のフレンダ=セイヴェルンを姉に持つ。
概要
初登場は新約1巻。また、同巻でSS1巻の駒場利徳の携帯画面に彼と写っている少女である事が判明。
学園都市ではかつて『無能力者狩り』という、能力者がスキルアウト以外の無能力者(レベル0)をゲーム感覚で襲う遊びが流行っていたとされる。駒場利徳が各地区のスキルアウトと協力し、反抗を計画するに至った原因である。その際、駒場によって能力者から助けられた少女がフレメア=セイヴェルンという少女である。
先述の件から駒場に懐いており、浜面や半蔵とも面識がある(浜面は郭に教えられるまで名前は知らなかった)。
アニメ禁書目録Ⅱでは発売して間もない新約1巻の設定を取り入れ、駒場の携帯写真に彼女が描かれている。
彼女を護衛していたスキルアウトの服部半蔵と共に、学園都市の『新入生』に追われていたところを偶然にも駒場が守った少女がフレンダの妹である事を知り、駆け付けた浜面仕上に助けられる。
この事件から浜面、並びに新生『アイテム』とも関係を持っている。
後に学園都市でも異質な『人的資源(アジテートハレーション)』という側面を持つ事が明らかになり、新約とある魔術の禁書目録の物語に深く関わっていく事になる。
人物像
八歳にして正真正銘の小学生。新約ロリ分過多の戦犯筆頭。後のロリ乱発も大体フレメアが発端。
フレンダを『フレンダお姉ちゃん』、駒場を『駒場のお兄ちゃん』と呼び慕っていた様子。基本的にそれ以外には年上であろうが呼び捨てである。口癖は「大体」 他にも「にゃあ」と言う事が多いが、こちらは誰かから移されたらしい。
内面は良くも悪くも年齢相応。守られキャラの時は庇護欲を駆り立てられるが、普段は小生意気な小学生である。
滝壺理后とは主に浜面のせいで絶望的なまでに相性が悪い。
新約2巻では浜面に甘えている現場を目撃され、嫉妬を買っていた。この時の滝壺さんの驚異的な怪力により、居座っていた上条さん家のドアが息を引き取った。
新約6巻にて、滝壺さんの心情を顧みず非礼な一言を放った為、アイアンクラッシャーなる物を披露されかけた(未遂に終わっている)。
他にも女性の少食を全否定してまで食べると豪語した挙句に大盛りの丼を残し、店を出た途端に空腹アピールし、怒った滝壺さんに紅生姜を口いっぱいに詰め込まれかけたりした。そして浜面におんぶを催促してやはり嫉妬を買ったが、これも年齢相応である。
好物は血がドバドバ出るB級ホラーゲームや甘い物、嫌いな物はグリーンピースという、子供らしい趣向を持つ。
浜面と滝壺の警告を無視して、『寝る前の一杯、ホットチョコレート』と麦野特製のリハビリで作ったお菓子を欠かさず摂取し、無事歯医者へと連行される末路を辿った。
サンタクロースはいる派であり、SS2巻で駒場がサンタクロースの扮装を考えていたのも彼女の為かもしれない。
新約5巻で迷子になった時に、同じく迷子となっていた打ち止め(ラストオーダー)と出会う。
発想直結式思考のロリヒロイン同士、波長が合うのか出会いから早々に仲を深める。 この邂逅が、後にフロイライン=クロイトゥーネを巡る騒動の顛末を大きく変える事となった。
人的資源(アジテートハレーション)
新約6巻終盤で触れられた、フレメアが偶発的に稼働させた無能力者の新たな可能性。
正体は、AIM拡散力場に干渉して精神を操作する計画である。
通称・人的資源プロジェクトは、フレメアを人為的に庇護対象に仕立て上げ、彼女を助ける為に集った『ヒーロー』と呼ばれる存在を同士討ちさせる事を目的とする。実は新入生や垣根の襲撃も人的資源の養成に組み込まれていて、フレメアのキャラ付け自体が人的資源に必要な要素となっていた。実験担当者は統括理事会の一人、薬味久子。
計画の内容は不確定性の強い『ヒーロー』の共倒れ、対戦カードの自在な選択。影響を受けた『ヒーロー』は独善的・攻撃的な性格になる。フレメアが願えば彼女の救出を第一に考え、同様に影響を受けたヒーローすら敵と認識する。
AIM拡散力場の干渉を遮断出来た超能力者(レベル5)を除くと、実に7500人ものヒーローが集まった。
作中で語られる『ヒーロー』とは、圧倒的不利な状況さえもたった一手でひっくり返す特異性を持つ存在。要するに一人いれば物語の主人公となり得る、創作で語るにはあまりにもメタ的な存在である。
それならば敵ではなく『ヒーロー』同士を対決させるとどうなるのか。単に共食い理論でどちらか一方が消滅する場合もあれば、別の存在に更なる干渉を起こし、新たな分岐が発生する事もある。ビリヤードで例えるとキューとなるのはフレメア、ヒーローはボール、学園都市は巨大なテーブルとされる。
しかし、人的資源プロジェクトの主任である薬味久子は、上記の内容の更に上を行く意図を隠し持っていた。
これを説明するにはまず、『濃淡コンピュータ』という物に理解を示さなくてはいけない。
濃淡コンピュータと人的資源プロジェクト
濃淡コンピュータ(仮)とは、流体力学の権威 松定博士が提唱した次世代型演算装置のモデル。
要約すると、流体力学の応用として気体や液体が生む粘性・濃度によって演算速度を爆発的に加速させるという理論である。現代で使われている、0と1の数字で処理を行うフォン・ノイマン型に新たに一石を投じるといった代物。
構成する媒体は流体力学上、制御できる物であれば気体や液体は縛られない。例えば媒体にAIM拡散力場を組み込む事も可能とされる。ただし媒体は常に制御・干渉を受ける為、常に変化するAIM拡散力場を用いた演算はAIMを発している学生にも逆流し影響を与えることになる。
一例では「能力を生み出す精神の変容」や「本来知っている筈の無い情報を天啓として受け取る」等だが、形成に参加しているならば、無能力者だって干渉が可能かもしれない。
つまり、『ヒーロー』達は知ってもいない筈のフレメアの情報を天啓として感受し、その精神にまで強い影響を及ぼしてしまうのである。
松定博士の論文に触れた黄泉川には「トンデモ理論」と言われるが、同時にこれらの『可能性』は作中で黄泉川が推測した物であり、彼女が新約7巻における真実に最も近づいていたのである。
人的資源プロジェクトの真の目的として、薬味はAIM拡散力場を媒体とする濃淡コンピュータに自らの意識を移す事を目的としており、これに成功。この時の薬味は既に視覚で捉える事は不可能な状態となっている。本人いわく、風斬氷華やエイワスの領域に踏み込んでいるとの事。
世界中の海水や空気を媒体として人を操る事も可能らしく、薬味を学園都市に縛りつける楔となっていたフレメアを殺害する為に行動を開始する。
しかし、垣根帝督(カブトムシ05)や上条当麻の様に、ボロボロになりながらも彼女を守る為に戦っている者を見て、フレメアは「守られる立場」から「守る立場」へと意識を変革させる。
結果として庇護対象のフレメアを最大の柱とする人的資源は崩壊、薬味とフレメアは再び『同じ場所』に立つ。(この場所とは空間的な意味で、フレメアが同じ領域に踏み込んだ、もしくは薬味が戻された物と思われる)
薬味はフレメアに大量のデータを上書きされ、恋査の中に意識を押し込まれる。先述通り、濃淡コンピュータを形成する情報の最小単位であるフレメアでも、AIM思考体の薬味に干渉する事が出来るのである。
薬味は押し込まれた恋査と共に上条当麻にそげぶされ、『友達』であるフレメアを傷付けたお仕置きとして、フロイライン=クロイトゥーネに(存在を僅かに残して)捕食された。
だがこの計画は『暗闇の五月計画』の流用で、薬味久子に木原唯一の「知的好奇心」を移植した為に起こった事件である。本来の彼女はこの様な行動に出る人間ではなく、彼女もまた『木原』の犠牲者の一人だったのだ。
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関連項目
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