宇宙戦艦ヤマト2199における古代守率いる駆逐艦、旧作のM-21881式突撃宇宙駆逐艦のリメイク。
2199では「磯風型突撃宇宙駆逐艦3番艦:ユキカゼ」「艦番号:DDS-117」と、帝国海軍の駆逐艦のような名称、海上自衛隊の護衛艦のような艦番が割り振られている。
概要
宇宙戦艦ヤマト2199の世界で過去に存在した、人類同士の二度に渡る内惑星戦争。
その時に活躍したコルベットの流れをくむ突撃宇宙駆逐艦。全長80m、乗員24名と小型艦である。ヤマトのような長距離航海を前提とはしておらず、コルベットに近い性格を有しているとされている。
反面、艦首魚雷発射管3門、ミサイル発射管8門、12.7サンチ高圧増幅光線砲6門と武装は充実している。
但しヤマト以前の旧世代艦で慣性重力制御装置はなく、乗員は磁力靴で体を固定する。事実上、防衛艦隊にとって最後の戦いとなったメ号作戦では第一艦隊先遣艦を務め、他に同型艦11隻も参加している(全艦喪失)。
トリコロールのカラーリングに変わりはないが、同型艦を含めると複数種類の塗装が為されている。
メカデザイナー出身の玉森順一郎氏などの手により、非常に細かく、人が操るメカとして描かれている。アップの際の書き込みの細かさ。そしてサンライズD.I.DによるCGならではの、如何にも駆逐艦らしい高機動は必見である。
また、17話で描写されたが、離陸に際しては現代の航空機に近いランディング方式ギアを使用。
2199の地球側メカのコンセプトである「現実に存在しているかもしれない」と、視聴者に思わせる、どちらかといえば現実味の大きな、航空機に近い出撃方式となっている。
旧作とは異なる最期
原作宇宙戦艦ヤマトでは「戦って戦って、一人でも多くの敵をやっつけて死ぬべきではないのか」。
そういった艦長、古代守の独断によりガミラス艦隊に突入、撃沈されてしまった。この点について、出渕裕監督は「乗員の同意もなく、ある意味では自己満足のためではないか」と疑問を呈して改変。
2199では「作戦が成功した」と聞かされた上で、それでも沖田艦長が今後の地球に必要なこと。
そして地球艦隊が全滅しては、地球を守るものがいなくなってしまうがゆえにと殿を務める展開に変わった。副長の石津1尉以下、乗員たちの銀河航路の唱和による、古代守という指揮官への同意、信頼も描写されている。
かくして「ユキカゼ」は旗艦「キリシマ」に背を向け、100隻以上のガミラス艦隊の中へ突入。
巧みな回避運動、あるいは主砲の威嚇射撃で同士討ちを発生させ、戦艦(デストリア級重巡)撃沈など、少なからぬ損害を与え、最期はガミラス艦隊の集中砲火、その一弾が命中し迷走。虚空の果てに爆発、散華した。
しかしその犠牲は無駄とならず、旗艦「キリシマ」と。そしてヤマト計画の柱石たる沖田十三は地球へ生還し得た…
なお、「ユキカゼ」の攻撃が有効打となったのは、後に「ヤマト」に搭載される空間魚雷の試作品故である。
第17話の富士地下ドックにおいて「試製魚雷搬入作業に入る」と、さりげなく出撃整備の音声命令でタネ明かしがされている。この空間魚雷は他の数隻にも間に合ったようだが、有効に活用し得たのは「ユキカゼ」のみだった。
勇敢なる雪風、ここに眠る
被弾、迷走の果てに土星の衛星で、氷漬けとなって沈んでいる姿の描写も、初代から継承されている。
但し2199では初代では土星の衛星タイタンだったのに対し、天文学的な検証からエンケラドゥスに変更。
発見も偶然ではなく、「ユキカゼ」の救難信号装置のみが作動し続け、ヤマトが受信した形となった。
加えてエンケラドゥスに向かったのも、同衛星にコスモナイト採掘場が同じ衛星に存在しており、ヤマトの復旧作業資材調達の傍らに、半ば二義的行為としての生存者確認のためという行動になっている。
当初は凍っており艦番、艦名も読めず、艦内も乗員一名の遺体が残されているのみであった。
しかしユキカゼ艦内でガミロイド兵の襲撃を受けた時。古代進が取り落としてしまったコスモニューナンブ(97式拳銃)の代わりに、凍りついた拳銃を拾い反撃。九死に一生を得る。
その後ひと通り、ガミラスの襲撃が撃退された後に、その凍りついた拳銃に「古代守」と刻印されていることに気づく。
そして汚れちまった悲しみに小雪の降り注ぐ中、船体の氷結を砕いた末に見えた艦名は「ゆきかぜ」。
当人も磯風型突撃宇宙駆逐艦と気づいていたが、兄その人の艦であったことまでは知らず、ここに古代兄弟は本当の意味で、最期の別れを遂げることとなる。そして「ユキカゼ」の傍らには、古代進の手による墓標が建立された。
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